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第16章 ケルキラ旧要塞攻略⑵
第94話 海の塔攻略
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今度の海の塔第1階層は戦い方を変えた。
毎回同じ技で効率良く倒すというのに飽きてきたからだ。
だから今回はある程度敵を引きつけ、全力で戦斧を振り回すという作戦にする。
つまり最初にカレンさんから教わった方法だ。
この中では動きが速いスケルトンカサドール2体が近づいてくる。
間合いに入った瞬間、戦斧で右から左へ思い切りなぎ払う。
ナイスショット、敵2体が左方向へ吹っ飛んだ。
インパクトの瞬間感じた重い感触が手に残る。
そうそう、この手応えこそが戦闘の醍醐味だ。
第二陣のスケルトンナイトがやってきた。
今度は1体だがやることは同じ。
更に勢いをつけた戦斧で思い切りよくなぎ払う。
「斧技:パワースラッシュ!」
おお、知らない技が出た。
胴部分を上下にぶった切られたスケルトンナイトが左へと吹っ飛んでいく。
やはり重い手応えと爽快感。
うん、槍技でちまちま突くよりこの方が私らしい。
確かに神槍で流星突を出すのは便利だし有効。
しかし作業っぽくて爽快感に欠けるのだ。
跳上とか連突とかもそう。
やっぱり重い戦斧を力任せに振り回すのが私にあっている。
ただこの戦い方をする時はカリーナちゃんとかラッキー君が吹っ飛ぶ敵に巻き込まれないよう注意した方がいいだろう。
今回は問題なかったけれど。
ラッキー君は遙か前方でイグアナらしき敵を討伐中。
そしてすぐにいつものメッセージが出た。
『スケルトンナイト1体、スケルトンカサドール2体、ゲンエイグアナ5匹を倒した。ミヤは経験値……』
うんうん、無事終了だ。
「ミヤさん、今回は何か派手な戦い方でした」
言いたいことはなんとなく見当がつく。
「元々はこういう戦い方だったから。本で覚えた後、しばらく槍技メインで戦っていたけれど、何か同じ技で機械的に戦っていると単なる作業って感じで。
こっちの方が敵を倒したという手応えを感じる」
「何というか、カレンみたいな戦い方でした。体格は全然違いますけれど」
それはその通りだし仕方ない。
「私が戦い方を教わったのはカレンさんだから」
正確には戦い方というよりスケルトンいじめで生活費を稼ぐ方法だったけれど。
階段を上り第2階層へ。
ここは第1階層より狭めの広場で、左は海の塔の壁で右側が崖。
壁には窓数カ所と海の塔への扉の無い入口が開いている。
動いているのは近づいてくるスケルトンカサドールとスケルトンナイト、合計3体。
他にゲンエイグアナもいるようだ。
左右方向が狭いせいかラッキー君は飛び出さず、私がスケルトンを倒すのを待つ模様。
なら今度は近づく前に倒すとしよう。
スケルトン類3体まとめて、私らしい大技で。
私は戦斧を大きく後ろへ振りかぶる。
身体全体で引っ張る力と腕力を思い切り使い、速さを意識して斧を振り抜いた。
『斧技:エア・パワースラッシュ!』
決まった。
横方向、前方10m以内、高さ60cm位より上の全てが左、海の塔壁際へと吹っ飛ぶ。
スケルトン類だけでなく、やや伸びた雑木や草も。
ラッキー君が飛び出していった。
残っているゲンエイグアナは彼に任せよう。
スケルトン類は動く様子はない。
「派手な技ですね」
「エア・パワースラッシュって言う斧技だと表示に出た。『攻撃技全書』には無い技だけれど」
「あの本に載っていない技なんですか。何故そんな技がわかったんですか?」
「何となくありそうな気がして。駄目でもエア・スラッシュくらいは出るから問題無いだろう。そう思って試してみたら出来たってとこ」
そう、こんな技があるという事は知識としては知らなかった。
この世界の理屈ならありそうだと思っただけだ。
ラッキー君がジャンプしたり爪攻撃をしたりして戦っている。
戦っていると言うより狩っているという感じか。
そういえばラッキー君、結構敵を倒している。
念のためレベルやHPを確認しておこう。
パスポートを取り出して確認。
うん、まだレベル39だ。
でもこの調子ならすぐレベル40になるだろう。
私と比べるとレベルアップが早いし。
レベルアップが早いのは私よりラッキー君の方が敵を数多く倒しているから、だけではない。
きっと私よりレベルが上がりやすくなっているのだろう。
レベルアップに必要な経験値が少ないとか。
一応念のためにカリーナちゃんに聞いておこう。
「私よりラッキーの方がレベルが上がりやすい気がするけれど、レベルアップに必要な経験値が少ないのかな」
「ええ、従魔は人間の7割くらいの経験値でレベルアップするようです。ただゲンエイグアナの経験値が高いので、それも理由だと思います」
Web窓を開いて検索して調べてみる。
スケルトン上位種の1体あたりの経験値はスケルトンソルジャーが125、スケルトンカサドールとスケルトンイエーガーが168、スケルトンナイトが192。
そしてゲンエイグアナは185らしい。
つまり私がスケルトン混成部隊3体を倒すより、ラッキー君がゲンエイグアナ5匹を倒す方がずっと経験値を稼げる.
なおゲンエイグアナの経験値が高い理由も書いてあった。
『発見が困難であることからレベルは高めに設定されている』
どれくらい発見が困難かについて、リンクをたどってみる。
『ゲンエイグアナはイグアナ系上位種。ノロイグアナより完全な保護色をとる。動かない状態では視認による発見は不可能。
発見するには、
① 気配察知スキル、臭気察知スキル、特殊聴覚スキル等、視覚によらない方法で発見する
② 範囲攻撃を行い、ダメージを受けて動いたところを視認する
③ あえて攻撃範囲に入って攻撃させる
④ 嗅覚や聴覚等が優れた従魔をレベル30以上にして攻撃させる
等の方法が必要とある』
つまりラッキー君にゲンエイグアナ対策を任せているのは正しい方法という訳か。
そう思ったところでいつものメッセージが入った。
『スケルトンカサドール2体、スケルトンナイト1体、ゲンエイグアナ5体を倒した……』
うんうん、これでいいのだ。
そう思ったらさらに追加メッセージがあった。
『ミヤ・アカワはレベルが上がった! HPが6、MP6……』
よし、これでレベル37だ。
パスポートを出して確認してみる。
うんうん、HPもMPも上がっている。
「レベルが上がった。やっと37」
「順調ですね。ラッキーちゃんの方、怪我とかは無いですか」
「大丈夫。HPは最大値だから。レベル39だからもう少し」
「今日中にラッキーちゃん、レベル40になってどちらかのボスを攻略出来るかもしれないですね」
「だね」
そうすれば私も更にレベル40に近づくだろう。
上手く行けば明日には達成できるかな。
そんな調子のいいことを思いつつ、先へと歩き始める。
毎回同じ技で効率良く倒すというのに飽きてきたからだ。
だから今回はある程度敵を引きつけ、全力で戦斧を振り回すという作戦にする。
つまり最初にカレンさんから教わった方法だ。
この中では動きが速いスケルトンカサドール2体が近づいてくる。
間合いに入った瞬間、戦斧で右から左へ思い切りなぎ払う。
ナイスショット、敵2体が左方向へ吹っ飛んだ。
インパクトの瞬間感じた重い感触が手に残る。
そうそう、この手応えこそが戦闘の醍醐味だ。
第二陣のスケルトンナイトがやってきた。
今度は1体だがやることは同じ。
更に勢いをつけた戦斧で思い切りよくなぎ払う。
「斧技:パワースラッシュ!」
おお、知らない技が出た。
胴部分を上下にぶった切られたスケルトンナイトが左へと吹っ飛んでいく。
やはり重い手応えと爽快感。
うん、槍技でちまちま突くよりこの方が私らしい。
確かに神槍で流星突を出すのは便利だし有効。
しかし作業っぽくて爽快感に欠けるのだ。
跳上とか連突とかもそう。
やっぱり重い戦斧を力任せに振り回すのが私にあっている。
ただこの戦い方をする時はカリーナちゃんとかラッキー君が吹っ飛ぶ敵に巻き込まれないよう注意した方がいいだろう。
今回は問題なかったけれど。
ラッキー君は遙か前方でイグアナらしき敵を討伐中。
そしてすぐにいつものメッセージが出た。
『スケルトンナイト1体、スケルトンカサドール2体、ゲンエイグアナ5匹を倒した。ミヤは経験値……』
うんうん、無事終了だ。
「ミヤさん、今回は何か派手な戦い方でした」
言いたいことはなんとなく見当がつく。
「元々はこういう戦い方だったから。本で覚えた後、しばらく槍技メインで戦っていたけれど、何か同じ技で機械的に戦っていると単なる作業って感じで。
こっちの方が敵を倒したという手応えを感じる」
「何というか、カレンみたいな戦い方でした。体格は全然違いますけれど」
それはその通りだし仕方ない。
「私が戦い方を教わったのはカレンさんだから」
正確には戦い方というよりスケルトンいじめで生活費を稼ぐ方法だったけれど。
階段を上り第2階層へ。
ここは第1階層より狭めの広場で、左は海の塔の壁で右側が崖。
壁には窓数カ所と海の塔への扉の無い入口が開いている。
動いているのは近づいてくるスケルトンカサドールとスケルトンナイト、合計3体。
他にゲンエイグアナもいるようだ。
左右方向が狭いせいかラッキー君は飛び出さず、私がスケルトンを倒すのを待つ模様。
なら今度は近づく前に倒すとしよう。
スケルトン類3体まとめて、私らしい大技で。
私は戦斧を大きく後ろへ振りかぶる。
身体全体で引っ張る力と腕力を思い切り使い、速さを意識して斧を振り抜いた。
『斧技:エア・パワースラッシュ!』
決まった。
横方向、前方10m以内、高さ60cm位より上の全てが左、海の塔壁際へと吹っ飛ぶ。
スケルトン類だけでなく、やや伸びた雑木や草も。
ラッキー君が飛び出していった。
残っているゲンエイグアナは彼に任せよう。
スケルトン類は動く様子はない。
「派手な技ですね」
「エア・パワースラッシュって言う斧技だと表示に出た。『攻撃技全書』には無い技だけれど」
「あの本に載っていない技なんですか。何故そんな技がわかったんですか?」
「何となくありそうな気がして。駄目でもエア・スラッシュくらいは出るから問題無いだろう。そう思って試してみたら出来たってとこ」
そう、こんな技があるという事は知識としては知らなかった。
この世界の理屈ならありそうだと思っただけだ。
ラッキー君がジャンプしたり爪攻撃をしたりして戦っている。
戦っていると言うより狩っているという感じか。
そういえばラッキー君、結構敵を倒している。
念のためレベルやHPを確認しておこう。
パスポートを取り出して確認。
うん、まだレベル39だ。
でもこの調子ならすぐレベル40になるだろう。
私と比べるとレベルアップが早いし。
レベルアップが早いのは私よりラッキー君の方が敵を数多く倒しているから、だけではない。
きっと私よりレベルが上がりやすくなっているのだろう。
レベルアップに必要な経験値が少ないとか。
一応念のためにカリーナちゃんに聞いておこう。
「私よりラッキーの方がレベルが上がりやすい気がするけれど、レベルアップに必要な経験値が少ないのかな」
「ええ、従魔は人間の7割くらいの経験値でレベルアップするようです。ただゲンエイグアナの経験値が高いので、それも理由だと思います」
Web窓を開いて検索して調べてみる。
スケルトン上位種の1体あたりの経験値はスケルトンソルジャーが125、スケルトンカサドールとスケルトンイエーガーが168、スケルトンナイトが192。
そしてゲンエイグアナは185らしい。
つまり私がスケルトン混成部隊3体を倒すより、ラッキー君がゲンエイグアナ5匹を倒す方がずっと経験値を稼げる.
なおゲンエイグアナの経験値が高い理由も書いてあった。
『発見が困難であることからレベルは高めに設定されている』
どれくらい発見が困難かについて、リンクをたどってみる。
『ゲンエイグアナはイグアナ系上位種。ノロイグアナより完全な保護色をとる。動かない状態では視認による発見は不可能。
発見するには、
① 気配察知スキル、臭気察知スキル、特殊聴覚スキル等、視覚によらない方法で発見する
② 範囲攻撃を行い、ダメージを受けて動いたところを視認する
③ あえて攻撃範囲に入って攻撃させる
④ 嗅覚や聴覚等が優れた従魔をレベル30以上にして攻撃させる
等の方法が必要とある』
つまりラッキー君にゲンエイグアナ対策を任せているのは正しい方法という訳か。
そう思ったところでいつものメッセージが入った。
『スケルトンカサドール2体、スケルトンナイト1体、ゲンエイグアナ5体を倒した……』
うんうん、これでいいのだ。
そう思ったらさらに追加メッセージがあった。
『ミヤ・アカワはレベルが上がった! HPが6、MP6……』
よし、これでレベル37だ。
パスポートを出して確認してみる。
うんうん、HPもMPも上がっている。
「レベルが上がった。やっと37」
「順調ですね。ラッキーちゃんの方、怪我とかは無いですか」
「大丈夫。HPは最大値だから。レベル39だからもう少し」
「今日中にラッキーちゃん、レベル40になってどちらかのボスを攻略出来るかもしれないですね」
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