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第13章 コリション干潟攻略中⑵
第79話 コリション干潟、攻略完了
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その後更に神殿や大きい家3軒を探してみたけれど、収穫は全く無かった。
「そろそろ終わりにしましょうか」
カリーナちゃんの言葉で時間を確認、15時過ぎだ。
冒険者ギルドに寄って、カリーナちゃんの家に帰るならそろそろいい時間だろう。
「そうだね。コリション干潟にはこれでもう入れなくなる訳?」
カリーナちゃんは頷く。
「ええ。今度入るにはまた依頼を受ける必要があります。ただこの依頼、クリアした後3ヶ月は同じ人は受けられない仕組みになっているんです」
確かに達成した筈の依頼をまたすぐ受けられるというのはおかしいよな。
運営もその辺を考慮に入れている訳か。
「それにレベルが予定より上がりました。ほぼ最強クラスの武器も手に入りました。だから此処に通う必要はもう無いと思います」
確かにそうだ。
強いて言えば……
「泥魚料理をまた食べたい時くらいかな」
「確かに泥魚、美味しかったですね。まだ夕食5回分くらいはアイテムボックスに入れていますけれど」
遺跡を出て昨日と同じ近道を外方向へ歩いていく。
「あとこの武器が手に入ったのは大きいです。これで今後の戦闘がかなり楽になると思います」
「そんなに凄い武器なの?」
確かに仰々しい出現の仕方だったなとは思う。
わざわざ神殿の奥に安置されているなんて。
しかも神の武器なんて話だし。
しかし私はこの槍をまだ使用していない。
だからどれくらい凄いのかわからない状態だ。
「この主神シリーズの武器は今までに何回か出てきています。最近ですとこの世界の時間で2年前に起きたドーリス人侵攻キャンペーンの副賞として剣2、槍1、杖2の5点が最優秀パーティに渡されました」
なるほど、この武器そのものは既知のものという訳か。
「つまり量産品って事?」
「唯一無二のものではありません。ですがそれでも希少で強力な武器です。このシリーズより強い武器は持ち主である神々や悪魔を倒さなければ手に入りません。
またパイアキアン・オンラインでは武器を改造出来ます。改造の起点に強い武器を使えば、さらに強力な武器にすることが可能です。
そういう意味でも貴重な武器となります」
そうなのか。
でも、それにしてはだ。
「そんな凄い武器がこんな感じで手に入ってしまっていいのかな」
「今回はあっさり手に入れられたように感じます。ですが実際に同じ事をするのはかなり難しいです」
そうなのだろうか。
カリーナちゃんの説明は続く。
「まずオブクラリスを一時間以内で倒した例は今までありません。
今回はひっくり返して倒すという攻撃方法が有効だったのでしょう。しかしそれが出来たのはミヤさんが『槍術奥義皆伝』を手に入れて読んでいたからです。
あの本についての情報は検索してもありませんでした。きっと講習で満点を取って、その上であの本を選ばなければ入手できないものなのでしょう。それだけでもかなりハードルは高い筈です」
満点を取る事そのものはそれほど難しくない。
少なくとも私はそう思っている。
ただ確かにそんな事が出来るのは大学受験で鍛えた一部の人だけなのかもしれない。
その上であの本を選ぶというのは……
「確かに取り得る可能性としては高くないかも」
「オブクラリスをひっくり返す技を身につける、他の方法があるのかもしれません。ですがコリション干潟が適切なレベル30以下でそういった技を覚えている人はまずいないでしょう。
そしてSNSには『遺跡に入って出来る限り早くオブクラリスを倒そう!』とありました。つまり遺跡ステージに入ったらできる限り早くオブクラリスに出会うようにする必要があります。
ですが面倒なのでオブクラリスに会うことは避けるのが普通です。その辺りまで考えると、今回はかなり運が良かったと思います」
なるほど、運が良かった訳か。
「確かにそうだね。上手く偶然が重なったって感じで」
「ええ」
話しながら歩いたら出口の扉は割とすぐだ。
ラッキー君が先に扉の前まで行って待っている。
扉を開けるともうそこはコリシアの街壁内部。
「ギルドに行って、依頼達成の褒賞金を貰って、ここのお店で買い物をしてカリーナの家に帰る。それでいい?」
「ええ。折角ですからしっかり買い出しをして帰りましょう。お野菜が安かったですし、ジビエ系のお肉も豊富でしたから」
確かにジビエ、結構種類があったよな。
ただ微妙な食材もかなり多かったような……
「コウモリを食べて流行った伝染病があったような気がするけれど……」
「流石にその辺りは私も調理方法はわかりませんし、遠慮しましょう」
ほっと一安心、していいのだろうか。
コウモリは駄目でもネズミはOKなんて事はないよな。
そんな事を考えながら、冒険者ギルドへ。
◇◇◇
クエストの褒賞金と討伐した魔物の魔石分、あわせると6万Cを超えた。
「なかなかいい収入だね」
「3人で4日間分の仕事と考えるとこんなものだと思います」
言われてみれば確かにカリーナちゃんの言うとおりかもしれない。
「それでは買い出しです。ケルキラより圧倒的に野菜が安いのでしっかり買い込みます。あとは鶏肉も安かったですね。他には海産物も買っておきましょう」
その言葉通りカリーナちゃん、思い切り気合いを入れて買いまくる。
トマト、ジャガイモ、そして夏みかんを箱買い。
豆類も5種類をあわせて20kg程。
更に内臓を抜いた丸鶏を10匹分に豚の背脂を5kg。
更に小さめの魚が何匹入っているかわからないような箱で。
個人的にどう使うのかわからないのが豚の背脂。
ラーメン屋で使うとは聞いた事があるけれど、それ以外の料理で使うような状況はあるのだろうか。
「この背脂って何に使うの?」
「加熱してラードを取るんです。揚げ物に使うと美味しいですよ」
ラードか、健康に大丈夫なのだろうか。
いくらこの世界が仮想だと言っても何かしら影響が出そうな気がする。
しかしカリーナちゃんに確かめる勇気はない。
料理は全部お任せしてしまっている立場だし。
そんな事を考えつつカリーナちゃんと分担して品物をアイテムボックスに収納。
メリティイースの森にあるカリーナちゃんの家目指して走り始める。
「そろそろ終わりにしましょうか」
カリーナちゃんの言葉で時間を確認、15時過ぎだ。
冒険者ギルドに寄って、カリーナちゃんの家に帰るならそろそろいい時間だろう。
「そうだね。コリション干潟にはこれでもう入れなくなる訳?」
カリーナちゃんは頷く。
「ええ。今度入るにはまた依頼を受ける必要があります。ただこの依頼、クリアした後3ヶ月は同じ人は受けられない仕組みになっているんです」
確かに達成した筈の依頼をまたすぐ受けられるというのはおかしいよな。
運営もその辺を考慮に入れている訳か。
「それにレベルが予定より上がりました。ほぼ最強クラスの武器も手に入りました。だから此処に通う必要はもう無いと思います」
確かにそうだ。
強いて言えば……
「泥魚料理をまた食べたい時くらいかな」
「確かに泥魚、美味しかったですね。まだ夕食5回分くらいはアイテムボックスに入れていますけれど」
遺跡を出て昨日と同じ近道を外方向へ歩いていく。
「あとこの武器が手に入ったのは大きいです。これで今後の戦闘がかなり楽になると思います」
「そんなに凄い武器なの?」
確かに仰々しい出現の仕方だったなとは思う。
わざわざ神殿の奥に安置されているなんて。
しかも神の武器なんて話だし。
しかし私はこの槍をまだ使用していない。
だからどれくらい凄いのかわからない状態だ。
「この主神シリーズの武器は今までに何回か出てきています。最近ですとこの世界の時間で2年前に起きたドーリス人侵攻キャンペーンの副賞として剣2、槍1、杖2の5点が最優秀パーティに渡されました」
なるほど、この武器そのものは既知のものという訳か。
「つまり量産品って事?」
「唯一無二のものではありません。ですがそれでも希少で強力な武器です。このシリーズより強い武器は持ち主である神々や悪魔を倒さなければ手に入りません。
またパイアキアン・オンラインでは武器を改造出来ます。改造の起点に強い武器を使えば、さらに強力な武器にすることが可能です。
そういう意味でも貴重な武器となります」
そうなのか。
でも、それにしてはだ。
「そんな凄い武器がこんな感じで手に入ってしまっていいのかな」
「今回はあっさり手に入れられたように感じます。ですが実際に同じ事をするのはかなり難しいです」
そうなのだろうか。
カリーナちゃんの説明は続く。
「まずオブクラリスを一時間以内で倒した例は今までありません。
今回はひっくり返して倒すという攻撃方法が有効だったのでしょう。しかしそれが出来たのはミヤさんが『槍術奥義皆伝』を手に入れて読んでいたからです。
あの本についての情報は検索してもありませんでした。きっと講習で満点を取って、その上であの本を選ばなければ入手できないものなのでしょう。それだけでもかなりハードルは高い筈です」
満点を取る事そのものはそれほど難しくない。
少なくとも私はそう思っている。
ただ確かにそんな事が出来るのは大学受験で鍛えた一部の人だけなのかもしれない。
その上であの本を選ぶというのは……
「確かに取り得る可能性としては高くないかも」
「オブクラリスをひっくり返す技を身につける、他の方法があるのかもしれません。ですがコリション干潟が適切なレベル30以下でそういった技を覚えている人はまずいないでしょう。
そしてSNSには『遺跡に入って出来る限り早くオブクラリスを倒そう!』とありました。つまり遺跡ステージに入ったらできる限り早くオブクラリスに出会うようにする必要があります。
ですが面倒なのでオブクラリスに会うことは避けるのが普通です。その辺りまで考えると、今回はかなり運が良かったと思います」
なるほど、運が良かった訳か。
「確かにそうだね。上手く偶然が重なったって感じで」
「ええ」
話しながら歩いたら出口の扉は割とすぐだ。
ラッキー君が先に扉の前まで行って待っている。
扉を開けるともうそこはコリシアの街壁内部。
「ギルドに行って、依頼達成の褒賞金を貰って、ここのお店で買い物をしてカリーナの家に帰る。それでいい?」
「ええ。折角ですからしっかり買い出しをして帰りましょう。お野菜が安かったですし、ジビエ系のお肉も豊富でしたから」
確かにジビエ、結構種類があったよな。
ただ微妙な食材もかなり多かったような……
「コウモリを食べて流行った伝染病があったような気がするけれど……」
「流石にその辺りは私も調理方法はわかりませんし、遠慮しましょう」
ほっと一安心、していいのだろうか。
コウモリは駄目でもネズミはOKなんて事はないよな。
そんな事を考えながら、冒険者ギルドへ。
◇◇◇
クエストの褒賞金と討伐した魔物の魔石分、あわせると6万Cを超えた。
「なかなかいい収入だね」
「3人で4日間分の仕事と考えるとこんなものだと思います」
言われてみれば確かにカリーナちゃんの言うとおりかもしれない。
「それでは買い出しです。ケルキラより圧倒的に野菜が安いのでしっかり買い込みます。あとは鶏肉も安かったですね。他には海産物も買っておきましょう」
その言葉通りカリーナちゃん、思い切り気合いを入れて買いまくる。
トマト、ジャガイモ、そして夏みかんを箱買い。
豆類も5種類をあわせて20kg程。
更に内臓を抜いた丸鶏を10匹分に豚の背脂を5kg。
更に小さめの魚が何匹入っているかわからないような箱で。
個人的にどう使うのかわからないのが豚の背脂。
ラーメン屋で使うとは聞いた事があるけれど、それ以外の料理で使うような状況はあるのだろうか。
「この背脂って何に使うの?」
「加熱してラードを取るんです。揚げ物に使うと美味しいですよ」
ラードか、健康に大丈夫なのだろうか。
いくらこの世界が仮想だと言っても何かしら影響が出そうな気がする。
しかしカリーナちゃんに確かめる勇気はない。
料理は全部お任せしてしまっている立場だし。
そんな事を考えつつカリーナちゃんと分担して品物をアイテムボックスに収納。
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