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第11章 コリション干潟攻略開始
第65話 本日この後の予定変更
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お昼ごはんのギロスを食べている時に、私の視野右端に点滅表示が出た。
ゲーム外からのメッセージがあるという表示だ。
確認してみる。
ポストに設置したオートスキャナから、手紙が届いているというメッセージだった。
どうせろくな内容ではないだろう。
そう思いつつスキャン内容を確認。
内容証明郵便の不在通知とか、そうでなくとも書留の不在通知とか、無視すると面倒なものは無さそうだ。
チラシ以外は目が見る事を拒否するようなものばかり。
差出人全員死ねばいいのに。
そう思いつつウィンドウを閉じる。
「ミヤさん、何かあったんですか?」
おっと、カリーナちゃんに気付かれてしまった。
「郵便受けに手紙が入ったから確認しただけ。現実に出て確認しなきゃ駄目なのは無いから大丈夫」
「何か面倒なものでもあったんですか?」
「面倒というか、嫌なのが来ていただけ」
カリーナちゃんには以前私が何故此処にいるかを話している。
だから正直に言ってしまってかまわない。
「NPO法人を名乗っているよくわからない組織とか、入信しないと幸福になれないという宗教とか、学校が同じだけで仲がいいも悪いもないような他人からの、お金をくれという手紙。
こういうのを見ると、現実って駄目駄目だなと思うよ、本当に」
「システム的に駄目駄目って事ですか」
現実に対してシステムという言い方は私の想定外だった。
でも言われてみれば確かにシステム的なものなのだろう、そう私は感じる。
「確かにシステム的な管理が上手く行っていないんだろうね。バグが多すぎて対処出来ないというか。
そういう意味では仮想世界の方がよっぽどよく出来ていると思うよ。特に此処のような場所は完全な記録が取れるから言った言わないの問題はないし、いざとなればサービス外に追放する事だって出来るし」
「その分単純で面白くない、って事は無いですか」
「駄目駄目なものが排除できないよりはよっぽどましだと思うよ」
カリーナちゃん、なんとなく私の気分というか感情を察したようだ。
「現実にも問題は多いんですね」
「だからこそ仮想社会側は理想を持って作られているんじゃないかな。こうだったらいいのにという願望的なものを含めて」
「そう言えばそうですね。現実では外に出られない私も仮想ならこうやって自由に行動できますから」
しまった、失敗した。
カリーナちゃんに余分な事を思い出させてしまった。
ただここで謝ると逆に傷口を広げてしまいそうだ。
それとなく話題を変えるのが正しいだろう。
こういう方向でどうだろうか。
「ところで今日この後は予定通りこの先の湿原に進んで、次の小屋泊まりという事でいい?」
「ええ、そのつもりです。それともコリシアかメリティイースへ戻った方がいいでしょうか?」
話題変更、成功だ。
あとこの予定、実は少しだけ懸念があったりする。
「もし次の小屋、先客がいたらどうしようかなと思って。ここまでの小屋は使われていない感じだったけれど。
此処はレベル上げに便利な場所としてそれなりに知られているんだよね。なら後から人が来る事もあるんじゃないかと」
カリーナちゃんは少し考えた後、口を開く。
「確かにその可能性はあります。それに今日泊まる場所よりも明日泊まる場所、遺跡手前の小屋の方がその可能性は大きいです。遺跡は経験値稼ぎとアイテム探しの為、出来る範囲で長居をする人が結構いるようですから」
うーむ。
「ラッキーと3人で大丈夫かな?」
小屋を共用出来るか、もしくは小屋以外に止まれるかという両方の意味をこめて聞いてみる。
「遺跡の場合は小屋を使わなくても泊まれます。遺跡には扉が閉まる小部屋がいくつもありますから。適当な小部屋に清浄魔法をかけて、扉に施錠魔法をかければ大丈夫ですから。
ただ今日泊まる場所は代替場所はありません。遺跡手前の小屋と比べると使用する人は少ないと思います。ですけれどいざ何処かのパーティが先に来ていたりすれば、一緒に泊まるしかないです。
ラッキーちゃんがいるから断られるという事はないです。従魔も冒険者の仲間ですから。ただここでの討伐用に作られた小屋なので満員でも泊まろうとする人が来た場合、断る事はできません。
そういう意味ではリスクが無い訳ではありません」
なるほど。
なら次善の策と思えるものについて聞いてみよう。
「これからコリシアに戻るとしたら、また来た時と同じように戦う訳?」
「討伐した後なので敵はほとんど出ません。明日此処へ来る時も数匹程度倒せばここまで来る事が出来る筈です。走れば30分もかからないで干潟入口まで行けると思います」
そうか、それならばだ。
「なら一度戻ろうか。変な冒険者と一緒になったら嫌だし」
「確かにそうですね。それじゃ今日は一度此処から戻りましょう。
ただコリシアは朝見たとおり小さな集落です。従魔でも泊まれる宿屋は一応ありますけれど、正直あまりお勧めできません。設備があまり良くないですし。
だからもしミヤさんが良ければですけれど、メリティイースの森の私の家にしませんか。コリシアからなら15分あれば行けますから。
ベッドは無いですし皆一緒の部屋になります。それでも一応お風呂もあるしコリシアの宿屋よりはいいかと思います。」
確かにその方が居心地が良さそうだと思う。
でも問題はそれで本当にいいのかだ。
「カリーナはいいの? 私があの小屋で一緒に泊まっても」
「ミヤさんとラッキーちゃんなら大歓迎です」
無理して言っている感じは無い、そう私は判断する。
「なら御願いしていい? その方が安心だしずっと快適そうだし」
ラッキー君も尻尾を振って歓迎している。
言葉の意味は理解していないと思うけれど。
ゲーム外からのメッセージがあるという表示だ。
確認してみる。
ポストに設置したオートスキャナから、手紙が届いているというメッセージだった。
どうせろくな内容ではないだろう。
そう思いつつスキャン内容を確認。
内容証明郵便の不在通知とか、そうでなくとも書留の不在通知とか、無視すると面倒なものは無さそうだ。
チラシ以外は目が見る事を拒否するようなものばかり。
差出人全員死ねばいいのに。
そう思いつつウィンドウを閉じる。
「ミヤさん、何かあったんですか?」
おっと、カリーナちゃんに気付かれてしまった。
「郵便受けに手紙が入ったから確認しただけ。現実に出て確認しなきゃ駄目なのは無いから大丈夫」
「何か面倒なものでもあったんですか?」
「面倒というか、嫌なのが来ていただけ」
カリーナちゃんには以前私が何故此処にいるかを話している。
だから正直に言ってしまってかまわない。
「NPO法人を名乗っているよくわからない組織とか、入信しないと幸福になれないという宗教とか、学校が同じだけで仲がいいも悪いもないような他人からの、お金をくれという手紙。
こういうのを見ると、現実って駄目駄目だなと思うよ、本当に」
「システム的に駄目駄目って事ですか」
現実に対してシステムという言い方は私の想定外だった。
でも言われてみれば確かにシステム的なものなのだろう、そう私は感じる。
「確かにシステム的な管理が上手く行っていないんだろうね。バグが多すぎて対処出来ないというか。
そういう意味では仮想世界の方がよっぽどよく出来ていると思うよ。特に此処のような場所は完全な記録が取れるから言った言わないの問題はないし、いざとなればサービス外に追放する事だって出来るし」
「その分単純で面白くない、って事は無いですか」
「駄目駄目なものが排除できないよりはよっぽどましだと思うよ」
カリーナちゃん、なんとなく私の気分というか感情を察したようだ。
「現実にも問題は多いんですね」
「だからこそ仮想社会側は理想を持って作られているんじゃないかな。こうだったらいいのにという願望的なものを含めて」
「そう言えばそうですね。現実では外に出られない私も仮想ならこうやって自由に行動できますから」
しまった、失敗した。
カリーナちゃんに余分な事を思い出させてしまった。
ただここで謝ると逆に傷口を広げてしまいそうだ。
それとなく話題を変えるのが正しいだろう。
こういう方向でどうだろうか。
「ところで今日この後は予定通りこの先の湿原に進んで、次の小屋泊まりという事でいい?」
「ええ、そのつもりです。それともコリシアかメリティイースへ戻った方がいいでしょうか?」
話題変更、成功だ。
あとこの予定、実は少しだけ懸念があったりする。
「もし次の小屋、先客がいたらどうしようかなと思って。ここまでの小屋は使われていない感じだったけれど。
此処はレベル上げに便利な場所としてそれなりに知られているんだよね。なら後から人が来る事もあるんじゃないかと」
カリーナちゃんは少し考えた後、口を開く。
「確かにその可能性はあります。それに今日泊まる場所よりも明日泊まる場所、遺跡手前の小屋の方がその可能性は大きいです。遺跡は経験値稼ぎとアイテム探しの為、出来る範囲で長居をする人が結構いるようですから」
うーむ。
「ラッキーと3人で大丈夫かな?」
小屋を共用出来るか、もしくは小屋以外に止まれるかという両方の意味をこめて聞いてみる。
「遺跡の場合は小屋を使わなくても泊まれます。遺跡には扉が閉まる小部屋がいくつもありますから。適当な小部屋に清浄魔法をかけて、扉に施錠魔法をかければ大丈夫ですから。
ただ今日泊まる場所は代替場所はありません。遺跡手前の小屋と比べると使用する人は少ないと思います。ですけれどいざ何処かのパーティが先に来ていたりすれば、一緒に泊まるしかないです。
ラッキーちゃんがいるから断られるという事はないです。従魔も冒険者の仲間ですから。ただここでの討伐用に作られた小屋なので満員でも泊まろうとする人が来た場合、断る事はできません。
そういう意味ではリスクが無い訳ではありません」
なるほど。
なら次善の策と思えるものについて聞いてみよう。
「これからコリシアに戻るとしたら、また来た時と同じように戦う訳?」
「討伐した後なので敵はほとんど出ません。明日此処へ来る時も数匹程度倒せばここまで来る事が出来る筈です。走れば30分もかからないで干潟入口まで行けると思います」
そうか、それならばだ。
「なら一度戻ろうか。変な冒険者と一緒になったら嫌だし」
「確かにそうですね。それじゃ今日は一度此処から戻りましょう。
ただコリシアは朝見たとおり小さな集落です。従魔でも泊まれる宿屋は一応ありますけれど、正直あまりお勧めできません。設備があまり良くないですし。
だからもしミヤさんが良ければですけれど、メリティイースの森の私の家にしませんか。コリシアからなら15分あれば行けますから。
ベッドは無いですし皆一緒の部屋になります。それでも一応お風呂もあるしコリシアの宿屋よりはいいかと思います。」
確かにその方が居心地が良さそうだと思う。
でも問題はそれで本当にいいのかだ。
「カリーナはいいの? 私があの小屋で一緒に泊まっても」
「ミヤさんとラッキーちゃんなら大歓迎です」
無理して言っている感じは無い、そう私は判断する。
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