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第11章 コリション干潟攻略開始
第62話 最初の干潟
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近くに見える魔物はひととおり倒した。
しかしそれでも気は抜けない。
ラッキー君は干潟部分をダッシュしては水面下などで見えない敵を見つけて倒しているし、まだまだ敵はいそう。
「見えないけれど敵はいるんだよね」
「ええ。泥の中や水中に隠れています。種類は泥スライム、潮スライム、泥魚、黒色魔カメといった辺りです」
見えないと攻撃しようが無い。
試しに散弾突きで水面と泥面、広範囲に攻撃してみた。
でもこの攻撃に触発されて上に出てくるなんて事はない。
泥が跳ねるだけだ。
「これって結局、泥の中を闇雲に歩いて、出てきたのを倒すしかないの?」
「そうです。ゆっくり歩けば沈みません。泥だらけになるのは仕方ないですけれど。
あと慎重に行かないと敵の攻撃が当たってしまいます。防具の服を着ているから被害はそれほどではないと思いますけれど、地味にHPが減ります。
HPが100以下になったら初級治療薬で回復して下さい」
地道に倒すしかないようだ。
仕方ない。
全神経を集中して一歩ずつ進んでは、動きがある部分を狙って攻撃していく。
ある程度以上近づくと泥魚は飛び跳ねて攻撃してくるし、カメの場合は噛みつかれる。
地味に痛いしダメージを食らう。
ラッキー君は大丈夫だろうか。
何度目かの泥魚の突撃を受けた後、パスポートを開いて確認してみる。
ラッキー君のHPは最大189のところ186で、まだ3つしか減っていない。
私は最大238で現在が185。
どうもラッキー君の方がここの戦いに向いているようだ。
あと私、結構攻撃を食らっている。
今着ている服に防具の機能があるおかげで1回に2位しかダメージは無いけれど。
ここは着実に戦うしかないのだろう。
カリーナちゃんもそうしているし。
一歩前に出る。
泥の中からコッペパンくらいの塊が飛んできた。
刃部分では間に合わないので柄の部分で受ける。
ただ受けるだけではなく腕と手首で少し勢いをつけ、叩きつけるような感じで。
『泥魚を倒した。経験値55を獲得。泥魚の死骸を入手可能です。収納しますか?』
そう、面倒だけれど経験値は悪くない。
スケルトンよりもずっと上だ。
それがこれだけ狩れるのだからレベルだって上がる筈。
そう思った直後、背後で気配を感じた気がした。
咄嗟に振り向いてグレイブの柄で対処しようとするが間に合わない。
脇腹のところに結構痛い一撃。
『ミヤは2のダメージ』
こなくそ、泥魚が落ちた場所をグレイブで突き刺す。
『泥魚を倒した。経験値55を獲得。泥魚の死骸を入手可能です。収納しますか?』
今のは結構痛かった。
初級治療薬を使うほどではないけれど。
「これってどれくらい倒せばいいの?」
「大体1人50匹程度で打ち止めになります。ここがいちばん短時間で経験値を稼げるので、それまで我慢してください」
なら仕方ない。
カリーナちゃんには私とラッキー君のレベルアップを手伝って貰っているのだし。
最大限に注意して一歩踏み出す。
にゅるっ、反射的にグレイブを突き刺す。
「潮スライムを倒した。経験値25を獲得。潮スライムの魔石を入手可能です。収納しますか?』
◇◇◇
さてあと一歩、そう思った時だった。
『コリション干潟東側の魔物・魔獣を一掃しました。ただし他から魔物や魔獣が入ってくれば、また同じ状況になるでしょう。
特別経験値500を獲得。
ミヤ・アカワはレベルが上がった! HPが6、MP6……』
そんな言葉が視界中央に表示された。
これでこの場所はクリアなのだろうか。
メッセージを最後まで確認してからカリーナちゃんに尋ねる。
「これで此処の魔物相手は終わりって事?」
「そうです。次はこの先を北西方向に進んで、砂丘部分の魔物と戦う事になります。出てくる敵は五線ヘビ、黄色魔カメ、砂イグアナといった辺りです」
泥ではなく砂丘か。少しだけ希望が持てる気がする。
「砂の上ならまだ泥や水の中よりは見つけやすいよね」
「ええ。砂の中に潜っている場合もありますが、近くの砂に攻撃を当てると這い出てきますから」
良かった。此処よりは楽そうだ。
「この先、砂丘との境に休憩小屋があります。そこで一休みしてから進みましょう」
確かにその方がいいだろうと自分でも思う。
精神的に疲れたし、そこそこダメージも食らっているし。
治療薬が必要な程ではないけれど。
「そうだね。ちょっと疲れたし」
そんな事を話しているとラッキー君が近くへ戻ってきた。
泥だらけだけれどご機嫌で、なおかつ元気だ。
尻尾ふりふりで泥が跳ね上がって非常に迷惑。
ただ此処で清浄魔法を使ってもすぐ汚れそうだ。
なので地面が泥でなくなるまで我慢しおう。
北西へ歩いて行くと干潟から岩場っぽい場所に出る。
陸地側はここから乾いた砂地だ。
もうここからは泥に悩まされることはないだろう。
「清浄魔法をかけるよ」
全員に清浄魔法をかける。
魔法、こういう時はやっぱり便利だ。
これでラッキー君を撫でても泥がつかないし、ラッキー君の尻尾ぶんぶんや身体ぶるぶるで泥が飛んだりもしない。
「ラッキーちゃんもがんばりましたね」
カリーナちゃんがラッキー君を撫でると、ラッキー君もぴたっとカリーナちゃんにくっつく。
うん、可愛い。
カリーナちゃんもラッキー君も。
岩場の先、500m位先に小さな小屋が見えた。
「あれが休憩用の小屋?」
「そうです。宿泊する事も可能ですけれど、今日はまだ時間があるので休憩だけして先へ進むつもりです」
「わかった。正直疲れたからおやつにしない?」
「そうですね」
うんうんとラッキー君が頷いた気がした。
こういう話に関しては言葉を理解するのだ、犬という動物は。
魔犬であってもその辺は変わらない模様。
少なくともラッキー君の場合は。
しかしそれでも気は抜けない。
ラッキー君は干潟部分をダッシュしては水面下などで見えない敵を見つけて倒しているし、まだまだ敵はいそう。
「見えないけれど敵はいるんだよね」
「ええ。泥の中や水中に隠れています。種類は泥スライム、潮スライム、泥魚、黒色魔カメといった辺りです」
見えないと攻撃しようが無い。
試しに散弾突きで水面と泥面、広範囲に攻撃してみた。
でもこの攻撃に触発されて上に出てくるなんて事はない。
泥が跳ねるだけだ。
「これって結局、泥の中を闇雲に歩いて、出てきたのを倒すしかないの?」
「そうです。ゆっくり歩けば沈みません。泥だらけになるのは仕方ないですけれど。
あと慎重に行かないと敵の攻撃が当たってしまいます。防具の服を着ているから被害はそれほどではないと思いますけれど、地味にHPが減ります。
HPが100以下になったら初級治療薬で回復して下さい」
地道に倒すしかないようだ。
仕方ない。
全神経を集中して一歩ずつ進んでは、動きがある部分を狙って攻撃していく。
ある程度以上近づくと泥魚は飛び跳ねて攻撃してくるし、カメの場合は噛みつかれる。
地味に痛いしダメージを食らう。
ラッキー君は大丈夫だろうか。
何度目かの泥魚の突撃を受けた後、パスポートを開いて確認してみる。
ラッキー君のHPは最大189のところ186で、まだ3つしか減っていない。
私は最大238で現在が185。
どうもラッキー君の方がここの戦いに向いているようだ。
あと私、結構攻撃を食らっている。
今着ている服に防具の機能があるおかげで1回に2位しかダメージは無いけれど。
ここは着実に戦うしかないのだろう。
カリーナちゃんもそうしているし。
一歩前に出る。
泥の中からコッペパンくらいの塊が飛んできた。
刃部分では間に合わないので柄の部分で受ける。
ただ受けるだけではなく腕と手首で少し勢いをつけ、叩きつけるような感じで。
『泥魚を倒した。経験値55を獲得。泥魚の死骸を入手可能です。収納しますか?』
そう、面倒だけれど経験値は悪くない。
スケルトンよりもずっと上だ。
それがこれだけ狩れるのだからレベルだって上がる筈。
そう思った直後、背後で気配を感じた気がした。
咄嗟に振り向いてグレイブの柄で対処しようとするが間に合わない。
脇腹のところに結構痛い一撃。
『ミヤは2のダメージ』
こなくそ、泥魚が落ちた場所をグレイブで突き刺す。
『泥魚を倒した。経験値55を獲得。泥魚の死骸を入手可能です。収納しますか?』
今のは結構痛かった。
初級治療薬を使うほどではないけれど。
「これってどれくらい倒せばいいの?」
「大体1人50匹程度で打ち止めになります。ここがいちばん短時間で経験値を稼げるので、それまで我慢してください」
なら仕方ない。
カリーナちゃんには私とラッキー君のレベルアップを手伝って貰っているのだし。
最大限に注意して一歩踏み出す。
にゅるっ、反射的にグレイブを突き刺す。
「潮スライムを倒した。経験値25を獲得。潮スライムの魔石を入手可能です。収納しますか?』
◇◇◇
さてあと一歩、そう思った時だった。
『コリション干潟東側の魔物・魔獣を一掃しました。ただし他から魔物や魔獣が入ってくれば、また同じ状況になるでしょう。
特別経験値500を獲得。
ミヤ・アカワはレベルが上がった! HPが6、MP6……』
そんな言葉が視界中央に表示された。
これでこの場所はクリアなのだろうか。
メッセージを最後まで確認してからカリーナちゃんに尋ねる。
「これで此処の魔物相手は終わりって事?」
「そうです。次はこの先を北西方向に進んで、砂丘部分の魔物と戦う事になります。出てくる敵は五線ヘビ、黄色魔カメ、砂イグアナといった辺りです」
泥ではなく砂丘か。少しだけ希望が持てる気がする。
「砂の上ならまだ泥や水の中よりは見つけやすいよね」
「ええ。砂の中に潜っている場合もありますが、近くの砂に攻撃を当てると這い出てきますから」
良かった。此処よりは楽そうだ。
「この先、砂丘との境に休憩小屋があります。そこで一休みしてから進みましょう」
確かにその方がいいだろうと自分でも思う。
精神的に疲れたし、そこそこダメージも食らっているし。
治療薬が必要な程ではないけれど。
「そうだね。ちょっと疲れたし」
そんな事を話しているとラッキー君が近くへ戻ってきた。
泥だらけだけれどご機嫌で、なおかつ元気だ。
尻尾ふりふりで泥が跳ね上がって非常に迷惑。
ただ此処で清浄魔法を使ってもすぐ汚れそうだ。
なので地面が泥でなくなるまで我慢しおう。
北西へ歩いて行くと干潟から岩場っぽい場所に出る。
陸地側はここから乾いた砂地だ。
もうここからは泥に悩まされることはないだろう。
「清浄魔法をかけるよ」
全員に清浄魔法をかける。
魔法、こういう時はやっぱり便利だ。
これでラッキー君を撫でても泥がつかないし、ラッキー君の尻尾ぶんぶんや身体ぶるぶるで泥が飛んだりもしない。
「ラッキーちゃんもがんばりましたね」
カリーナちゃんがラッキー君を撫でると、ラッキー君もぴたっとカリーナちゃんにくっつく。
うん、可愛い。
カリーナちゃんもラッキー君も。
岩場の先、500m位先に小さな小屋が見えた。
「あれが休憩用の小屋?」
「そうです。宿泊する事も可能ですけれど、今日はまだ時間があるので休憩だけして先へ進むつもりです」
「わかった。正直疲れたからおやつにしない?」
「そうですね」
うんうんとラッキー君が頷いた気がした。
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魔犬であってもその辺は変わらない模様。
少なくともラッキー君の場合は。
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