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第7章 中級薬剤の威力確認
第39話 対ゴースト戦訓練開始
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門から中へ入った処にある広場で、いつも通り魔魂草を一通り採った後。
「ミヤさんはゴースト等の死霊系の魔物と戦った事はありますか?」
カリーナちゃんがそんな質問をしてきた。
「まだ。旧要塞はここの広場までで、あとはコソンキョーリの森の2時間以内で行ける範囲くらいまでだから」
「なら一度ゴーストと戦ってみた方がいいと思いますけれど、どうでしょうか? この先上級の薬草や薬鉱石を採りに行く際、ほぼ間違いなく死霊系の魔物と出会う事になりますから。
ゴーストは死霊系の基本です。他の死霊系も戦い方は同じなので、まずはゴーストに慣れる事です」
そうなのか。
でも死霊系の敵とは聖魔法を使える上級職でない限り戦わない方がいい。
そう攻略サイトには書いてあった気がする。
理由は確か……
「物理攻撃が効かなくて動きが速くて魔法を撃ってくるんだよね、死霊系って。さっきの薬剤を使えば攻撃は効くようになるんだろうけれど大丈夫かな」
「そのかわり魔法や精神攻撃、あと魔物不活性化剤やアンデット・死霊系魔物攻撃強化剤、あと聖水なんかが良く聞きます。攻撃が効けば基本的にHPもDEFも低いので、倒すのは簡単です」
しかし問題は他にもある。
「でも魔法を使ってくるんだよね、確か」
「ええ。でも魔法も起動して瞬時に発動する訳ではありません。ミヤさんや私のように没入型の筐体を使っていれば、発動したのが見えてから対処しても大抵間に合います」
えっ?
「見えてからって、見えるの、魔法?」
「ええ」
カリーナちゃんは頷いて、そして続ける。
「魔法は発動時にその系統特有の光を発するんです。ゴーストが使う水・冷気系統の魔法なら青白い光ですね。その光が発動すべき場所へと飛んで、そして発動して効果を発生するという仕組みになっています。
ですから発動する前のその光を避ければ魔法を受ける事はありません。他に剣技等をその光にぶつけて魔法を消滅させるなんて方法もあります。
ですから攻撃魔法も発動が早い特殊なもの以外はそれほど怖くはありません」
つまり脳筋方式で魔法にも対処出来るという訳か。
本音を言うと私、そこまで強くなったり錬金術師を極めたりしなくても別に構わなかったりする。
現実に居場所がなくて、かといって一人で部屋に籠もっているのはあまりに退屈だからゲーム内にいるだけ。
だからある程度の知人と会話して、ラッキー君とまったり生活出来ればそれで充分。
でもカリーナちゃんと私の間の話題、今のところこのゲームの攻略関係しかない。
そしてカリーナちゃんが私に教えるという形が一番形として自然だ。
更に言うとカリーナちゃんとの一緒の生活はラッキー君と2人だけの生活より楽しい。
だから当分はカリーナちゃんの言う通りゲーム攻略側に動いてみよう。
という事で返答だ。
「わかった。それじゃゴースト、手頃な場所はどの辺?」
「この正面の建物の中、1階部分が一番手頃です。あまり多数集まってくると魔法への対処が面倒なので、大声でおびき寄せたりせず、ゆっくり探りながら歩いて行く形になります」
「森の中を歩くのと同じ感じでいい?」
「ええ。ゴーストが動くと気配というか特有の音がします。それを聞いて対処する形です」
幽霊の移動音か。
やっぱり怪談等でよくあるヒュードロドロドロドロという感じなのだろうか。
多分違うだろうなきっと。
まあ自分達が立てた音以外に注意すればそう難しくないだろう。
「わかった。じゃあ真っ直ぐ行くね」
「ええ」
先程入った門と同じような形の扉のない入口を中へ。
外よりは暗いが灯火魔法が必要な程ではない。
煉瓦造りの建物の中を注意しながらゆっくり歩く。
何の気配もないまま交差点というか左右に続く廊下との交点へと到着。
「まっすぐ進むとまた外へと出てしまいます。左右どちらへ行ってもいいのですけれど、とりあえず今日は左から行ってみましょうか」
「わかった」
廊下の幅は3mくらいと結構広い。
2人と1匹横並びで歩いて行く。
どうやらカリーナちゃん、私が歩く速度にあわせてくれているようだ。
ラッキー君も私とカリーナちゃんの間、ほぼ横並び位置で大人しく歩いている。
尻尾が立っているのでそれなりに警戒している感じだけれど。
コーッ、コーッ。
右前方から聴音検査の低い方に似た感じの音がした。
これがゴーストの音だろうか。
私は足を止める。
音の方に注意しながら短剣をいつでも振れるよう、剣の切先を左後方に向ける形で構える。
対象は廊下の先の方右側。
白いもやのような何かがすーっと近づいてきた。
よく見ると輪郭が人間っぽい。
「攻撃するね」
「御願いします」
カリーナちゃんがそう返答するという事は、これがゴーストなのだろう。
とりあえず先手必勝。
いつものように剣を横薙ぎに振るう。
『剣技:エア・スラッシュ!』
見えない刃が波紋のように半円を描いて広がっていく。
その先端がゴーストらしきものを捉えた。
キーン!
高周波音のような響きが一瞬した後。
白いもやのようなものがふらっと崩れ、すっと姿を消す。
『ゴーストを倒した。経験値25を獲得。ゴーストの魔石入手可能です。収納しますか?』
あっさりいつもの表示が出た。
剣技の攻撃力が高いのか、アンデット・死霊系魔物攻撃強化剤の威力のおかげなのか。
いずれにせよ思った以上にあっさり倒せた。
魔法も特に撃ってこなかったし、こんなものなのだろうか。
いや、1回だけならまぐれとか運がよかったという可能性がある。
もう少し回数をこなして確認しておこう。
「それじゃ次、行きます」
私は再びゆっくり歩きはじめる。
「ミヤさんはゴースト等の死霊系の魔物と戦った事はありますか?」
カリーナちゃんがそんな質問をしてきた。
「まだ。旧要塞はここの広場までで、あとはコソンキョーリの森の2時間以内で行ける範囲くらいまでだから」
「なら一度ゴーストと戦ってみた方がいいと思いますけれど、どうでしょうか? この先上級の薬草や薬鉱石を採りに行く際、ほぼ間違いなく死霊系の魔物と出会う事になりますから。
ゴーストは死霊系の基本です。他の死霊系も戦い方は同じなので、まずはゴーストに慣れる事です」
そうなのか。
でも死霊系の敵とは聖魔法を使える上級職でない限り戦わない方がいい。
そう攻略サイトには書いてあった気がする。
理由は確か……
「物理攻撃が効かなくて動きが速くて魔法を撃ってくるんだよね、死霊系って。さっきの薬剤を使えば攻撃は効くようになるんだろうけれど大丈夫かな」
「そのかわり魔法や精神攻撃、あと魔物不活性化剤やアンデット・死霊系魔物攻撃強化剤、あと聖水なんかが良く聞きます。攻撃が効けば基本的にHPもDEFも低いので、倒すのは簡単です」
しかし問題は他にもある。
「でも魔法を使ってくるんだよね、確か」
「ええ。でも魔法も起動して瞬時に発動する訳ではありません。ミヤさんや私のように没入型の筐体を使っていれば、発動したのが見えてから対処しても大抵間に合います」
えっ?
「見えてからって、見えるの、魔法?」
「ええ」
カリーナちゃんは頷いて、そして続ける。
「魔法は発動時にその系統特有の光を発するんです。ゴーストが使う水・冷気系統の魔法なら青白い光ですね。その光が発動すべき場所へと飛んで、そして発動して効果を発生するという仕組みになっています。
ですから発動する前のその光を避ければ魔法を受ける事はありません。他に剣技等をその光にぶつけて魔法を消滅させるなんて方法もあります。
ですから攻撃魔法も発動が早い特殊なもの以外はそれほど怖くはありません」
つまり脳筋方式で魔法にも対処出来るという訳か。
本音を言うと私、そこまで強くなったり錬金術師を極めたりしなくても別に構わなかったりする。
現実に居場所がなくて、かといって一人で部屋に籠もっているのはあまりに退屈だからゲーム内にいるだけ。
だからある程度の知人と会話して、ラッキー君とまったり生活出来ればそれで充分。
でもカリーナちゃんと私の間の話題、今のところこのゲームの攻略関係しかない。
そしてカリーナちゃんが私に教えるという形が一番形として自然だ。
更に言うとカリーナちゃんとの一緒の生活はラッキー君と2人だけの生活より楽しい。
だから当分はカリーナちゃんの言う通りゲーム攻略側に動いてみよう。
という事で返答だ。
「わかった。それじゃゴースト、手頃な場所はどの辺?」
「この正面の建物の中、1階部分が一番手頃です。あまり多数集まってくると魔法への対処が面倒なので、大声でおびき寄せたりせず、ゆっくり探りながら歩いて行く形になります」
「森の中を歩くのと同じ感じでいい?」
「ええ。ゴーストが動くと気配というか特有の音がします。それを聞いて対処する形です」
幽霊の移動音か。
やっぱり怪談等でよくあるヒュードロドロドロドロという感じなのだろうか。
多分違うだろうなきっと。
まあ自分達が立てた音以外に注意すればそう難しくないだろう。
「わかった。じゃあ真っ直ぐ行くね」
「ええ」
先程入った門と同じような形の扉のない入口を中へ。
外よりは暗いが灯火魔法が必要な程ではない。
煉瓦造りの建物の中を注意しながらゆっくり歩く。
何の気配もないまま交差点というか左右に続く廊下との交点へと到着。
「まっすぐ進むとまた外へと出てしまいます。左右どちらへ行ってもいいのですけれど、とりあえず今日は左から行ってみましょうか」
「わかった」
廊下の幅は3mくらいと結構広い。
2人と1匹横並びで歩いて行く。
どうやらカリーナちゃん、私が歩く速度にあわせてくれているようだ。
ラッキー君も私とカリーナちゃんの間、ほぼ横並び位置で大人しく歩いている。
尻尾が立っているのでそれなりに警戒している感じだけれど。
コーッ、コーッ。
右前方から聴音検査の低い方に似た感じの音がした。
これがゴーストの音だろうか。
私は足を止める。
音の方に注意しながら短剣をいつでも振れるよう、剣の切先を左後方に向ける形で構える。
対象は廊下の先の方右側。
白いもやのような何かがすーっと近づいてきた。
よく見ると輪郭が人間っぽい。
「攻撃するね」
「御願いします」
カリーナちゃんがそう返答するという事は、これがゴーストなのだろう。
とりあえず先手必勝。
いつものように剣を横薙ぎに振るう。
『剣技:エア・スラッシュ!』
見えない刃が波紋のように半円を描いて広がっていく。
その先端がゴーストらしきものを捉えた。
キーン!
高周波音のような響きが一瞬した後。
白いもやのようなものがふらっと崩れ、すっと姿を消す。
『ゴーストを倒した。経験値25を獲得。ゴーストの魔石入手可能です。収納しますか?』
あっさりいつもの表示が出た。
剣技の攻撃力が高いのか、アンデット・死霊系魔物攻撃強化剤の威力のおかげなのか。
いずれにせよ思った以上にあっさり倒せた。
魔法も特に撃ってこなかったし、こんなものなのだろうか。
いや、1回だけならまぐれとか運がよかったという可能性がある。
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