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第6章 認知と理解と感情の時間差
第34話 カリーナちゃんによる料理指導
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収入から今日買った食費分を引き、残りをきっちり2等分した後。
「それじゃ夕食を作りましょうか」
カリーナちゃんがそう言ってくれたので、つい言ってしまう。
「なら手伝おうか?」
1人でやらせてしまうのは流石に申し訳ない。
そう思ったのがミスだった。
私は家事関係、基本的に壊滅的だ。
特に料理は自分でオリジナルな事をしないと決めている。
どれだけ才能が無いか過去の黒歴史からよ~く知っているから。
しかしカリーナちゃんは私のそういう黒歴史を知らない。
具体的には爆発した卵焼きとか、外は黒焦げ中は生の焼鳥とかを。
だからだろう。
彼女はこう言ったのだった。
「なら一緒に作りましょう。大丈夫、作り方は教えますから」
まずい、これは料理をやらされるパターンだ。
そうすると料理では無く暗黒物質を作り出してしまいかねない。
かつて作った、炭としてならは大変良く出来たクッキーのように。
「でも私、料理はとんでもなく苦手だよ」
厳密には『家事全般が苦手で、中でも料理はとんでもなく苦手』なのだけれど、そこはまあ省略。
しかしカリーナちゃんにはそういう言い訳は通用しなかった。
「『塩をいれすぎたからといって塩の辛さ以上には辛くならないし、味つけなどは少々間違ってもそれで死ぬということはない。料理等おそれるな!』
そう佐々木倫子は書いていました」
確かにそうかもしれないけれど、それは料理に対して言っていい言葉なのだろうか。
だいたい誰だろう、それは。
何処かで聞いた事があるような気がするけれど。
「料理研究家?」
「漫画家です。ちなみに『ペパミントスパイ』の第2巻で、ある料理本に対しての海軍大佐の推薦のことばとして出てきます」
何処かで聞いた事がある名前だと思ったら、『動物のお医者さん』の作者だ。
どうやらカリーナちゃん、少女漫画についても詳しい模様。
「それに料理は薬草の調合と同じような魔法を使うから訓練にもなるんです。
味つけも迷ったら控えめ方向、無駄なものは極力入れない方針でやればそう失敗はしません。食べられないものを錬成するのは大抵どこかで余分なものを余計な量入れるか、余計な時間、余計な方法で加熱しているからです」
抵抗は無駄な模様だ。
仕方ない、諦めて料理をするとしよう。
出来る限り暗黒物質を錬成しないように。
「わかった。それで今日は何を作るの?」
「『パイアキアン・オンライン』の舞台はギリシャをイメージしています。気候や建物の建築様式だけでなく、食べ物もそういったものが多いようです。
ですから今日はギリシャ料理でもメジャーな、ムサカとザジキを作ってみようと思います」
どうやら私、いきなりギリシャ料理を作る事になるようだ。
初心者に対して随分とハードルが高くないだろうか。
そう思うけれどやる気たっぷりのカリーナちゃんにそんな事は言えない。
「それではまず、このタマネギとニンニクをみじん切りにします。これは加工魔法でやれば一瞬です。本当は『チタタプチタタプ』と言いながら包丁2本で交互に叩いて刻むのがお勧めなのですけれど、今日は初日なので簡単なやり方で」
その呪文は知っている。
確か『ゴールデンカムイ』だったかな、出典は。
読んだ事はないけれど、インターネットミームみたいなものとして知識にはある。
どうやらカリーナちゃん、少女漫画に限らず漫画全般に詳しい模様。
魔法を使っていいならみじん切りは簡単だ。
分量もカリーナちゃんが出してくれたから問題無いだろう。
そんな訳で第一作業はあっさりと完遂。
「それではこのみじん切りにしたものを炒めますけれど、その前にお肉を室温に戻しておきましょう。
買ってある牛肉のうち、700gに近い量を出しておいて下さい」
言われた通りアイテムボックスから牛肉を出す。
この塊とこの塊とこの切れ端、これで……うーん……
「691gだけれど大丈夫?」
「それくらいは誤差です」
良かった。
なら問題無い。
「それではまず炒めます。フライパンにまず大さじ1杯分の油を入れます。目分量で構いません。家庭料理なのでその辺は適当です」
その適当というのが難しいのだ。
そう思いながら言われた通り、オリーブオイルの容器から油をちょっとだけ入れる。
これで大丈夫だろうか、もっと多い方がいいだろうか。
わからなければ少なめ、そうカリーナちゃんは言っていたな。
ならこれでいいとしておこう。
「次は魔法でフライパンと油の温度を180℃にします。温度調整の魔法は錬金術の初歩ですから大丈夫ですね」
うん、それは大丈夫、私は頷く。
何せ頭の中で『温度調節魔法起動、温度180℃』と対象物を意識して念じるだけだ。
「はい、それではタマネギとニンニクを炒めましょう。簡単です。温度を魔法で保ちながら混ぜるだけです。ひととおり混ぜ終わったなと思ったら全体を魔法で180℃にします」
なるほど、明快かつわかりやすくていい。
これなら私も料理で失敗はしないだろう。
現実は鍋の温度などわからないし、焦げ付いたりするし。
そう思いながら混ぜ終えて温度を上げる。
「はい、それでは次にお肉を入れます。お肉は本来は挽肉を使うのですけれど、魔法で刻むのは出来ますよね。ですので先程と同じように魔法でみじん切りにして、そして混ぜて炒めて下さい。
温度は適宜180℃になるよう意識して、具合はお肉がパラパラになる程度までです……」
◇◇◇
料理とはなかなか面倒なものだ。
炒めた挽肉等に赤ワインを加えて煮詰めてミートソースにしたり、小麦粉とバター、牛乳、香辛料でホワイトソースを作ったり。
ナスとジャガイモを焼いたりもした。
全部を90℃にして3分加熱した後、表面だけにオリーブオイルを塗り、180℃で焦げ目がつくまで魔法で加熱したのだ。
「はい、これでやっと材料が完成です。それではこの耐熱陶器に入れていきます。
まず一番下にジャガイモを全部敷いて、次にミートソースを半分入れて、その上にチーズを20gほど乾燥させて粉砕したものを全体に振りかけて、ナスを半分量敷いて、ミートソースを残りの半分入れて、また粉砕チーズを振りかけて、ナスの残りを敷いて、ホワイトソースを上にかけてください」
この辺りは言われたとおりに入れる。
これでやっと私は何を作っているのかを理解した。
この世界に来て最初の日に食べた奴だ。
「あとは全体を220℃で10分、乾燥魔法で中身を5%くらい脱水、そして表面を300℃で3分加熱すれば完成です」
最初に条件付けをしておけば魔法で10分加熱は簡単だ。
ただしここまで、結構時間も手間もかかっている。
こんなに料理とは面倒で複雑なものなのか。
世間の調理師、主婦、その他料理を作る人全員に手を合わせたくなる。
「それでは加熱の時間を使ってサイドメニューを作りますよ。ザジキというヨーグルトソースです」
まだあるのか。
私は絶望的な気分になる。
世間の主婦の皆さんは皆こんな困難な事をやっているのだろうか。
便利な魔法を使う事無く。
「それではまず、きゅうりを3本用意します。これを4つに割って皮をむいて、種のある部分を切って外し……」
◇◇◇
本日のメニューは、
○ ムサカ
○ ザジキ
○ パン
という非常にシンプルなもの。
味は大変美味しかった。
精も根も尽き果てた結果、それ以外の感情が残らなかったというのもあるけれど。
でも、もう二度と料理はしないししたくない。
手伝おうとも言わない事にしよう。
これは苦行過ぎる。
こんな経験は一度で充分だ。
「それじゃ夕食を作りましょうか」
カリーナちゃんがそう言ってくれたので、つい言ってしまう。
「なら手伝おうか?」
1人でやらせてしまうのは流石に申し訳ない。
そう思ったのがミスだった。
私は家事関係、基本的に壊滅的だ。
特に料理は自分でオリジナルな事をしないと決めている。
どれだけ才能が無いか過去の黒歴史からよ~く知っているから。
しかしカリーナちゃんは私のそういう黒歴史を知らない。
具体的には爆発した卵焼きとか、外は黒焦げ中は生の焼鳥とかを。
だからだろう。
彼女はこう言ったのだった。
「なら一緒に作りましょう。大丈夫、作り方は教えますから」
まずい、これは料理をやらされるパターンだ。
そうすると料理では無く暗黒物質を作り出してしまいかねない。
かつて作った、炭としてならは大変良く出来たクッキーのように。
「でも私、料理はとんでもなく苦手だよ」
厳密には『家事全般が苦手で、中でも料理はとんでもなく苦手』なのだけれど、そこはまあ省略。
しかしカリーナちゃんにはそういう言い訳は通用しなかった。
「『塩をいれすぎたからといって塩の辛さ以上には辛くならないし、味つけなどは少々間違ってもそれで死ぬということはない。料理等おそれるな!』
そう佐々木倫子は書いていました」
確かにそうかもしれないけれど、それは料理に対して言っていい言葉なのだろうか。
だいたい誰だろう、それは。
何処かで聞いた事があるような気がするけれど。
「料理研究家?」
「漫画家です。ちなみに『ペパミントスパイ』の第2巻で、ある料理本に対しての海軍大佐の推薦のことばとして出てきます」
何処かで聞いた事がある名前だと思ったら、『動物のお医者さん』の作者だ。
どうやらカリーナちゃん、少女漫画についても詳しい模様。
「それに料理は薬草の調合と同じような魔法を使うから訓練にもなるんです。
味つけも迷ったら控えめ方向、無駄なものは極力入れない方針でやればそう失敗はしません。食べられないものを錬成するのは大抵どこかで余分なものを余計な量入れるか、余計な時間、余計な方法で加熱しているからです」
抵抗は無駄な模様だ。
仕方ない、諦めて料理をするとしよう。
出来る限り暗黒物質を錬成しないように。
「わかった。それで今日は何を作るの?」
「『パイアキアン・オンライン』の舞台はギリシャをイメージしています。気候や建物の建築様式だけでなく、食べ物もそういったものが多いようです。
ですから今日はギリシャ料理でもメジャーな、ムサカとザジキを作ってみようと思います」
どうやら私、いきなりギリシャ料理を作る事になるようだ。
初心者に対して随分とハードルが高くないだろうか。
そう思うけれどやる気たっぷりのカリーナちゃんにそんな事は言えない。
「それではまず、このタマネギとニンニクをみじん切りにします。これは加工魔法でやれば一瞬です。本当は『チタタプチタタプ』と言いながら包丁2本で交互に叩いて刻むのがお勧めなのですけれど、今日は初日なので簡単なやり方で」
その呪文は知っている。
確か『ゴールデンカムイ』だったかな、出典は。
読んだ事はないけれど、インターネットミームみたいなものとして知識にはある。
どうやらカリーナちゃん、少女漫画に限らず漫画全般に詳しい模様。
魔法を使っていいならみじん切りは簡単だ。
分量もカリーナちゃんが出してくれたから問題無いだろう。
そんな訳で第一作業はあっさりと完遂。
「それではこのみじん切りにしたものを炒めますけれど、その前にお肉を室温に戻しておきましょう。
買ってある牛肉のうち、700gに近い量を出しておいて下さい」
言われた通りアイテムボックスから牛肉を出す。
この塊とこの塊とこの切れ端、これで……うーん……
「691gだけれど大丈夫?」
「それくらいは誤差です」
良かった。
なら問題無い。
「それではまず炒めます。フライパンにまず大さじ1杯分の油を入れます。目分量で構いません。家庭料理なのでその辺は適当です」
その適当というのが難しいのだ。
そう思いながら言われた通り、オリーブオイルの容器から油をちょっとだけ入れる。
これで大丈夫だろうか、もっと多い方がいいだろうか。
わからなければ少なめ、そうカリーナちゃんは言っていたな。
ならこれでいいとしておこう。
「次は魔法でフライパンと油の温度を180℃にします。温度調整の魔法は錬金術の初歩ですから大丈夫ですね」
うん、それは大丈夫、私は頷く。
何せ頭の中で『温度調節魔法起動、温度180℃』と対象物を意識して念じるだけだ。
「はい、それではタマネギとニンニクを炒めましょう。簡単です。温度を魔法で保ちながら混ぜるだけです。ひととおり混ぜ終わったなと思ったら全体を魔法で180℃にします」
なるほど、明快かつわかりやすくていい。
これなら私も料理で失敗はしないだろう。
現実は鍋の温度などわからないし、焦げ付いたりするし。
そう思いながら混ぜ終えて温度を上げる。
「はい、それでは次にお肉を入れます。お肉は本来は挽肉を使うのですけれど、魔法で刻むのは出来ますよね。ですので先程と同じように魔法でみじん切りにして、そして混ぜて炒めて下さい。
温度は適宜180℃になるよう意識して、具合はお肉がパラパラになる程度までです……」
◇◇◇
料理とはなかなか面倒なものだ。
炒めた挽肉等に赤ワインを加えて煮詰めてミートソースにしたり、小麦粉とバター、牛乳、香辛料でホワイトソースを作ったり。
ナスとジャガイモを焼いたりもした。
全部を90℃にして3分加熱した後、表面だけにオリーブオイルを塗り、180℃で焦げ目がつくまで魔法で加熱したのだ。
「はい、これでやっと材料が完成です。それではこの耐熱陶器に入れていきます。
まず一番下にジャガイモを全部敷いて、次にミートソースを半分入れて、その上にチーズを20gほど乾燥させて粉砕したものを全体に振りかけて、ナスを半分量敷いて、ミートソースを残りの半分入れて、また粉砕チーズを振りかけて、ナスの残りを敷いて、ホワイトソースを上にかけてください」
この辺りは言われたとおりに入れる。
これでやっと私は何を作っているのかを理解した。
この世界に来て最初の日に食べた奴だ。
「あとは全体を220℃で10分、乾燥魔法で中身を5%くらい脱水、そして表面を300℃で3分加熱すれば完成です」
最初に条件付けをしておけば魔法で10分加熱は簡単だ。
ただしここまで、結構時間も手間もかかっている。
こんなに料理とは面倒で複雑なものなのか。
世間の調理師、主婦、その他料理を作る人全員に手を合わせたくなる。
「それでは加熱の時間を使ってサイドメニューを作りますよ。ザジキというヨーグルトソースです」
まだあるのか。
私は絶望的な気分になる。
世間の主婦の皆さんは皆こんな困難な事をやっているのだろうか。
便利な魔法を使う事無く。
「それではまず、きゅうりを3本用意します。これを4つに割って皮をむいて、種のある部分を切って外し……」
◇◇◇
本日のメニューは、
○ ムサカ
○ ザジキ
○ パン
という非常にシンプルなもの。
味は大変美味しかった。
精も根も尽き果てた結果、それ以外の感情が残らなかったというのもあるけれど。
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