23 / 139
第4章 わんこと暮らせる家を借りよう
第23話 私とラッキーの家探し
しおりを挟む
30代前半くらいの男性担当に提示した条件は、
○ 予算は月額8,000Cまで
○ 敷地の広さ300m²以上
○ ケルキラの街壁の内側
の3点。
この条件で担当さんが持ってきてくれた物件資料は8件。
その中からカレンさんに助言して貰いつつ絞る。
「この物件は街中心部まで近いですよね」
「でもその辺、治安は良くないわよぉ。ミヤちゃんなら腕力で制圧できるとは思うけれどぉ」
そういう事態は想定したくない。
「やめときます。なら、これは?」
「程度Dというのがちょっとねぇ。そのままでは住めないから補修が必要という意味よ、これぇ」
「なるほど、わかりました。ならやめておいた方がいいですね」
DIYはやった事が無いから却下だ。
現実の不動産探しと同じだなと私は思う。
安い物には訳がある。
よほどの場合を除いては掘り出し物というのは無い模様。
そんな感じで検討を重ねた結果。
「これがベストでしょうか。庭が広いですし、程度Bですし、場所も南西の門と錬金術ギルドの中間くらいですから」
家は平屋でそう大きくない。
でも1人暮らしなら充分以上。
敷地面積が300m²ちょいあるので、ラッキー君が走り回るのにいいだろう。
欠点は日常の買物をする市場まで1km、スケルトンいじめと魔魂草採取が出来る東の旧要塞まで1.5kmあるところ。
でもそれくらいの距離、東京の通勤事情を思えば大した事はない。
なお家賃は月額7,000C。
カレンさんが最初に言った通りだ。
「そうね。森で薬草採取と魔物・魔獣討伐をするという条件ならこれが一番だと思うわぁ。ミヤちゃんのこれからの生活パターン、それでいいのよね」
その通りだ。
ラッキー君がいるから屋外活動中心の方がいい。
「ただ決める前に実際に見てみた方がいいわ。これって下見、できるわよねぇ」
担当さんは頷く。
「ええ。案内はつきませんが御自分の目で見て確かめる事が出来ます。ご覧になりますか」
「勿論よ、御願い♡」
「わかりました。それではこれが魔法鍵です。明日の正午まで有効ですので、それまでに下見をして、鍵をご返却下さい」
カード状の鍵を受け取って、早速下見だ。
商業ギルドから西側へ向かう通りを歩いて行く。
左右は1階は店舗、2階と3階は集合住宅という建物が多い。
「この辺りのお店もほとんどはNPCなんですか?」
「9割はNPCよ。でもプレイヤーのお店や現実のお店とのタイアップなんてのもあるから、じっくり見てみると面白いわよぉ」
幾つかブロックを過ぎたら完全な住宅地になった。
一戸建て庭付きという家が並んでいる。
家や庭の広さは日本のニュータウン等よりやや広めかな。
壁や塀の色がテラコッタ等の暖色系で、少し日本の住宅地とは雰囲気が違う。
ふと疑問が生じたので聞いてみた。
「私はラッキー君がいるから庭付きが欲しいと思ったんですけれど、他の人は庭を何に使っているんでしょうか?」
「色々よぉ。冒険者が訓練用に使っている事もあるし、ガーデニングが趣味という人もいるわ。錬金術だって炎を上げたりして特殊な建物か屋外でしか出来ないような錬成方法があるしね。
家も生活場所の他に工房として使っている人もいるし。現実で出来ない事をするのもゲームの楽しみ方だしねっ♡」
なるほど、ゲームと言ってもこういったVR系だと人によって楽しみ方は異なると。
「あと塀が高くて頑丈そうですね。治安が悪いんですか?」
「侵入盗対策ではないわよぉ。この塀は魔法・魔術対策♡ ある程度の威力の魔法を中でぶっ放しても、外に影響が出ないようによぉ」
「塀で魔法を防げるんですか?」
「都市破壊級の大魔法なら別だけれどね。もちろん壁そのものの物理的強度だけではなく、魔術的な措置もしてあるのよ。私のダーク☆エンジェル☆ラッシュでもヒビが入る程度だからぁ」
ちょっと待ってくれカレンさん。
「試したんですか!?」
「考察と検証は重要よぉ。特に攻略勢にとってはねっ♡」
そんな話をしながら、時折交差点に出ている住所表示を確認しつつ歩く事10分弱。
大通りから3ブロックほど入った塀の長さ的には高級住宅街という感じの場所に物件があった。
金属製の頑丈そうな門に魔法鍵を当てる。
カチッと音がした。
カレンさんがノブを捻ると、門扉が開く。
中は……
「あらあら、お庭は整備が必要な感じねぇ」
思い切り雑草だの雑木だのが蔓延っている。
庭と言うよりむしろ雑木林という感じだ。
「これって専門の業者を呼んだ方がいいんですか?」
私が草刈り、いや開拓できるような状態とは思えない。
でもカレンさんは首を横に振る。
「NON-NONこんなの簡単よぉ。ミヤちゃんなら10分もかからないと思うわ。もちろん現実の時間じゃなくてゲーム内の時間でねっ」
とてもそうは思えない。
「どうするんですか?」
「まずは門をしっかり閉めて、家のすぐそばまで行くわ。そこまでの道は私が拓くから安心してねっ♡」
カレンさんはそう言って門扉を閉め、そして右手に剣を取り出す。
刀身が短めかつ分厚く湾曲している剣だ。
「私専用に乱戦用として作った柳葉刀よ。戦闘以外にこういった場所での草刈りにも便利なのぉ」
そう説明した後、ばっさばっさと前方の雑木や雑草を切り裂いていく。
20m近く切り拓いてやっと玄関まで到着した。
「家そのものは割と最近整備されたようですね。色も綺麗ですし」
「この辺は永続魔術を使っているという設定よ。さて、まずは中を確認するわ。この家で良ければ庭の整備方法を実践するわよぉ」
そんな訳で中を確認。
外見も内装も洋式の造りに見えるけれど、玄関は靴を脱いであがる形式。
これは日本用の仕様としてこうなっているのだろうか。
さっと一通り部屋を見てみる。
間取りは書類に書いてあったとおり、2LDK&作業室兼倉庫という造り。
部屋や廊下等の壁や天井、床は暗めの色の木製で落ち着いた感じ
トイレも風呂もちゃんとあるし、そこそこ清潔で問題無い。
リビングも寝室2つも窓が大きくて明るくいい感じ。
リビングダイニングの対面式キッチンも使いやすそうだ。
ベッドやテーブル等、最低限の家具はある。
それぞれ1つずつ、つまり1人用という感じだけれど。
布団やテーブルクロスは買ってこなければならないし、鍋釜類なんてのも包丁も無い。
でもクエスト報酬で貰った寝袋や野宿セットを使えば今日から生活出来そうだ。
「中は結構いいと思います。だからあとは庭ですね」
○ 予算は月額8,000Cまで
○ 敷地の広さ300m²以上
○ ケルキラの街壁の内側
の3点。
この条件で担当さんが持ってきてくれた物件資料は8件。
その中からカレンさんに助言して貰いつつ絞る。
「この物件は街中心部まで近いですよね」
「でもその辺、治安は良くないわよぉ。ミヤちゃんなら腕力で制圧できるとは思うけれどぉ」
そういう事態は想定したくない。
「やめときます。なら、これは?」
「程度Dというのがちょっとねぇ。そのままでは住めないから補修が必要という意味よ、これぇ」
「なるほど、わかりました。ならやめておいた方がいいですね」
DIYはやった事が無いから却下だ。
現実の不動産探しと同じだなと私は思う。
安い物には訳がある。
よほどの場合を除いては掘り出し物というのは無い模様。
そんな感じで検討を重ねた結果。
「これがベストでしょうか。庭が広いですし、程度Bですし、場所も南西の門と錬金術ギルドの中間くらいですから」
家は平屋でそう大きくない。
でも1人暮らしなら充分以上。
敷地面積が300m²ちょいあるので、ラッキー君が走り回るのにいいだろう。
欠点は日常の買物をする市場まで1km、スケルトンいじめと魔魂草採取が出来る東の旧要塞まで1.5kmあるところ。
でもそれくらいの距離、東京の通勤事情を思えば大した事はない。
なお家賃は月額7,000C。
カレンさんが最初に言った通りだ。
「そうね。森で薬草採取と魔物・魔獣討伐をするという条件ならこれが一番だと思うわぁ。ミヤちゃんのこれからの生活パターン、それでいいのよね」
その通りだ。
ラッキー君がいるから屋外活動中心の方がいい。
「ただ決める前に実際に見てみた方がいいわ。これって下見、できるわよねぇ」
担当さんは頷く。
「ええ。案内はつきませんが御自分の目で見て確かめる事が出来ます。ご覧になりますか」
「勿論よ、御願い♡」
「わかりました。それではこれが魔法鍵です。明日の正午まで有効ですので、それまでに下見をして、鍵をご返却下さい」
カード状の鍵を受け取って、早速下見だ。
商業ギルドから西側へ向かう通りを歩いて行く。
左右は1階は店舗、2階と3階は集合住宅という建物が多い。
「この辺りのお店もほとんどはNPCなんですか?」
「9割はNPCよ。でもプレイヤーのお店や現実のお店とのタイアップなんてのもあるから、じっくり見てみると面白いわよぉ」
幾つかブロックを過ぎたら完全な住宅地になった。
一戸建て庭付きという家が並んでいる。
家や庭の広さは日本のニュータウン等よりやや広めかな。
壁や塀の色がテラコッタ等の暖色系で、少し日本の住宅地とは雰囲気が違う。
ふと疑問が生じたので聞いてみた。
「私はラッキー君がいるから庭付きが欲しいと思ったんですけれど、他の人は庭を何に使っているんでしょうか?」
「色々よぉ。冒険者が訓練用に使っている事もあるし、ガーデニングが趣味という人もいるわ。錬金術だって炎を上げたりして特殊な建物か屋外でしか出来ないような錬成方法があるしね。
家も生活場所の他に工房として使っている人もいるし。現実で出来ない事をするのもゲームの楽しみ方だしねっ♡」
なるほど、ゲームと言ってもこういったVR系だと人によって楽しみ方は異なると。
「あと塀が高くて頑丈そうですね。治安が悪いんですか?」
「侵入盗対策ではないわよぉ。この塀は魔法・魔術対策♡ ある程度の威力の魔法を中でぶっ放しても、外に影響が出ないようによぉ」
「塀で魔法を防げるんですか?」
「都市破壊級の大魔法なら別だけれどね。もちろん壁そのものの物理的強度だけではなく、魔術的な措置もしてあるのよ。私のダーク☆エンジェル☆ラッシュでもヒビが入る程度だからぁ」
ちょっと待ってくれカレンさん。
「試したんですか!?」
「考察と検証は重要よぉ。特に攻略勢にとってはねっ♡」
そんな話をしながら、時折交差点に出ている住所表示を確認しつつ歩く事10分弱。
大通りから3ブロックほど入った塀の長さ的には高級住宅街という感じの場所に物件があった。
金属製の頑丈そうな門に魔法鍵を当てる。
カチッと音がした。
カレンさんがノブを捻ると、門扉が開く。
中は……
「あらあら、お庭は整備が必要な感じねぇ」
思い切り雑草だの雑木だのが蔓延っている。
庭と言うよりむしろ雑木林という感じだ。
「これって専門の業者を呼んだ方がいいんですか?」
私が草刈り、いや開拓できるような状態とは思えない。
でもカレンさんは首を横に振る。
「NON-NONこんなの簡単よぉ。ミヤちゃんなら10分もかからないと思うわ。もちろん現実の時間じゃなくてゲーム内の時間でねっ」
とてもそうは思えない。
「どうするんですか?」
「まずは門をしっかり閉めて、家のすぐそばまで行くわ。そこまでの道は私が拓くから安心してねっ♡」
カレンさんはそう言って門扉を閉め、そして右手に剣を取り出す。
刀身が短めかつ分厚く湾曲している剣だ。
「私専用に乱戦用として作った柳葉刀よ。戦闘以外にこういった場所での草刈りにも便利なのぉ」
そう説明した後、ばっさばっさと前方の雑木や雑草を切り裂いていく。
20m近く切り拓いてやっと玄関まで到着した。
「家そのものは割と最近整備されたようですね。色も綺麗ですし」
「この辺は永続魔術を使っているという設定よ。さて、まずは中を確認するわ。この家で良ければ庭の整備方法を実践するわよぉ」
そんな訳で中を確認。
外見も内装も洋式の造りに見えるけれど、玄関は靴を脱いであがる形式。
これは日本用の仕様としてこうなっているのだろうか。
さっと一通り部屋を見てみる。
間取りは書類に書いてあったとおり、2LDK&作業室兼倉庫という造り。
部屋や廊下等の壁や天井、床は暗めの色の木製で落ち着いた感じ
トイレも風呂もちゃんとあるし、そこそこ清潔で問題無い。
リビングも寝室2つも窓が大きくて明るくいい感じ。
リビングダイニングの対面式キッチンも使いやすそうだ。
ベッドやテーブル等、最低限の家具はある。
それぞれ1つずつ、つまり1人用という感じだけれど。
布団やテーブルクロスは買ってこなければならないし、鍋釜類なんてのも包丁も無い。
でもクエスト報酬で貰った寝袋や野宿セットを使えば今日から生活出来そうだ。
「中は結構いいと思います。だからあとは庭ですね」
7
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる