21 / 139
第4章 わんこと暮らせる家を借りよう
第21話 実はクエストだったのです
しおりを挟む
ラッキー君を船に乗せるのは全く問題なかった。
「この島にも犬がいたんだな。人がいなくなって大分経つし、犬ももういなくなったと思っていた」
船を出してくれたおじさんがそう言っただけ。
ラッキーも大人しく船に乗ってくれた。
海は荒れることもなく、快晴で風も波も穏やかな状態。
なのであっさりケルキラの港へと戻って来る事が出来た。
街でも首輪をしたりリードで繋いだりする必要はなかった。
他にも魔犬らしい犬を連れて歩いている人がいたし、それを周囲の人が咎めたり奇異な目で見ていたりなんて事も無い。
ラッキー君も街では大人しく私の横をついて歩いてくれた。
やっぱりこの子、賢い。
あと時々振り返って私を確認する仕草が可愛い。
港からまっすぐカレンさんが待つ錬金術ギルドへ。
ただギルドの建物内にラッキー君が入っていいかはわからない。
だから入口から中を覗き込んで声をかける。
「ただいま帰りました」
「あらお帰り、ミヤちゃんそこでどうしたの?」
「仲間にしたわんこが一緒なんです。ですから入っていいかわからないので」
「大丈夫よぉ。一緒に入っていらっしゃぁい」
おっと一安心。
でも一応私とラッキー君に清浄魔法をかけて、それから中へ。
「お疲れ様。かわいいわんちゃんね。島で一緒になったのぉ?」
ラッキー君、カレンさんを見ても特に警戒するような様子はない。
そこにちょっと安心しつつ、頷いて返答する。
「ええ。チャペルのところで」
「それにしてもあの島にわんこがいたなんて知らなかったわぁ。今まで調査や採取、整備で何人か行って貰っているけれど、そういう報告はなかったしね」
いつもの通りのカウンターの席に腰掛けると、ラッキー君は足下にお座りする。
なでなでしようと思って手を伸ばしたが微妙に届かない。
仕方ないので椅子から降りてラッキー君の横にしゃがみ、なでなでしながら会話継続。
「そんな事まで報告を受けているんですか?」
「当然よぉ~。薬草を採りに行った人が危険な目にあったらまずいでしょお。
ちょっと待ってね。わんちゃん用にお水を用意するからぁ」
「ありがとうございます」
カレンさん、見た目や口調と違って気がきくし、言っている内容もまともなんだよな。
なんて失礼な事を思ったりする。
深めのお皿に水が入り、ラッキー君がぴちゃぴちゃやり始めたところで話を再開。
「それで薬草の方はどぉ?」
「ノルマはクリアしました。ここで出していいですか?」
「勿論よぉ。O・NE・GA・I♡」
なら遠慮無く。
立ち上がってアイテムボックスから50kg近い薬草を一気に出す。
これだけでカウンター、目一杯だ。
「ありがと。今ここで計算するからまっててぇ」
カレンさんは薬草を全てアイテムボックスに収納した後、猛烈な速度でメモをする。
メモを私に見せて確認。
「今回の薬草、この量でいいか確認御願い」
見てみる。
種類ごとの量だけでなく、金額までしっかり入っていた。
「こんなに早く確認と金額計算まで出来るんですか」
「うふっ、簡単よぉ。アイテムボックス収納で種類と分量をだして、オートコンプリートで書いているだけだからぁ」
なるほど、そんな技もある訳か。
そう思いつつ数値に目を通す。
大丈夫、私のアイテムボックスに入っていた量と同じだ。
カレンさんのする事だから疑ってはいないけれど。
「確認しました。大丈夫です」
「それじゃ買い取り代金よぉ。これも確認してね」
銀貨大小、銅貨大小で渡されたお金を確認。
大丈夫、4,970Cある。
「確認しました。確かにあります」
「それじゃこれで『ヴィード島薬草採取クエスト』終了ねっ」
クエスト?
この言葉には覚えがある。
確かゲーム内で何らかの条件を満たすと発生する、サブシナリオの事だ。
「この薬草採取、クエストだったんですか?」
「実はそーなのよぉ」
バチッと火花が散るようなウィンクひとつした後、カレンさんは続ける。
「このクエストは
① ゾンビを1人で倒せる実力があって、
② 基本薬草5種類を知っている錬金術スキル持ちが
③ ケルキラの錬金術ギルドを訪問すること
で発生するのぉ。
もちろん発生させるかどうかは支部長である私がある程度決められるのだけれどね。
標準の報酬はテント、シート、寝袋、マット、食器といった長期旅行用セット一式。これは隣の売店で売っている物と同じよぉ」
なるほど。
そうすればだ。
「それじゃこの斧、いいんですか? クエストの報酬外ですよね」
「私はもう使わないしね。それに前も言ったけれど、確実に使える子に有効に持って貰った方がいいでしょ♡」
「ありがとうございます」
有り難く使わせて貰うとしよう。
それじゃ次の質問だ。
「魔犬がテイム出来たのも、そのクエストのおかげですか?」
「NON・NON。その子はクエストとは別の条件だと思うわよぉ。このクエスト、NPCなら既に2人程やらせてみたけれど、わんこをテイムして帰ってきた子はいなかったからぁ♡。
というか、ヴィード島にわんこがいるという話そのものを聞いた事が無いわ。
何らかの事情で最近島にやってきたのか、それとも何か出会うのに必要な条件があるのか。その辺はわからないけれどねっ」
なるほど。
「さて、それでミヤちゃん、この後住む場所とかどうするの? 今日は此処の部屋でいいとして、ずっと此処だとその子、運動不足になっちゃうでしょ。
何処か別の街へ行くなら別だけれど、そうでなければ家を借りた方がいいと思うわよぉ」
そうだ、その事をカレンさんに相談しようと思っていたのだ。
しかし別の街へ行くなんて選択肢は考えていなかった。
「別の街へ行くってどういう事ですか?」
「ケルキラはパイアキアン・オンライン最初の街だからね。出てくる魔物なんかが弱いし、お金も稼ぎにくいのぉ。
一般にゲームとして楽しむなら、より魔物なんかが強くて稼げる方へ行くのよ、プレイヤーの大部分は」
そう言われても、その感覚がわからない。
魔物や魔獣が弱いのなら住みやすくて良いのではないだろうか。
東の要塞でスケルトンいじめをすれば、それなりにお金を稼げるし。
「わざわざ魔物が強い場所へ行くんですか?」
「ゲーマーってそんなものなのよぉ。まあ私もそうだったんだけれどねぇ」
■■■■■■■■■■
※ 魔犬に出会う条件は『出会う可能性がある場所に行った際、身体からゾンビやグールの腐臭がしていない事』です。
魔犬は嗅覚が優れている為、その辺りの魔物の臭いを嫌っている、というのが理由です。
また他に隠しパラメーターのCHR値が高い等の条件があったりもします。
「この島にも犬がいたんだな。人がいなくなって大分経つし、犬ももういなくなったと思っていた」
船を出してくれたおじさんがそう言っただけ。
ラッキーも大人しく船に乗ってくれた。
海は荒れることもなく、快晴で風も波も穏やかな状態。
なのであっさりケルキラの港へと戻って来る事が出来た。
街でも首輪をしたりリードで繋いだりする必要はなかった。
他にも魔犬らしい犬を連れて歩いている人がいたし、それを周囲の人が咎めたり奇異な目で見ていたりなんて事も無い。
ラッキー君も街では大人しく私の横をついて歩いてくれた。
やっぱりこの子、賢い。
あと時々振り返って私を確認する仕草が可愛い。
港からまっすぐカレンさんが待つ錬金術ギルドへ。
ただギルドの建物内にラッキー君が入っていいかはわからない。
だから入口から中を覗き込んで声をかける。
「ただいま帰りました」
「あらお帰り、ミヤちゃんそこでどうしたの?」
「仲間にしたわんこが一緒なんです。ですから入っていいかわからないので」
「大丈夫よぉ。一緒に入っていらっしゃぁい」
おっと一安心。
でも一応私とラッキー君に清浄魔法をかけて、それから中へ。
「お疲れ様。かわいいわんちゃんね。島で一緒になったのぉ?」
ラッキー君、カレンさんを見ても特に警戒するような様子はない。
そこにちょっと安心しつつ、頷いて返答する。
「ええ。チャペルのところで」
「それにしてもあの島にわんこがいたなんて知らなかったわぁ。今まで調査や採取、整備で何人か行って貰っているけれど、そういう報告はなかったしね」
いつもの通りのカウンターの席に腰掛けると、ラッキー君は足下にお座りする。
なでなでしようと思って手を伸ばしたが微妙に届かない。
仕方ないので椅子から降りてラッキー君の横にしゃがみ、なでなでしながら会話継続。
「そんな事まで報告を受けているんですか?」
「当然よぉ~。薬草を採りに行った人が危険な目にあったらまずいでしょお。
ちょっと待ってね。わんちゃん用にお水を用意するからぁ」
「ありがとうございます」
カレンさん、見た目や口調と違って気がきくし、言っている内容もまともなんだよな。
なんて失礼な事を思ったりする。
深めのお皿に水が入り、ラッキー君がぴちゃぴちゃやり始めたところで話を再開。
「それで薬草の方はどぉ?」
「ノルマはクリアしました。ここで出していいですか?」
「勿論よぉ。O・NE・GA・I♡」
なら遠慮無く。
立ち上がってアイテムボックスから50kg近い薬草を一気に出す。
これだけでカウンター、目一杯だ。
「ありがと。今ここで計算するからまっててぇ」
カレンさんは薬草を全てアイテムボックスに収納した後、猛烈な速度でメモをする。
メモを私に見せて確認。
「今回の薬草、この量でいいか確認御願い」
見てみる。
種類ごとの量だけでなく、金額までしっかり入っていた。
「こんなに早く確認と金額計算まで出来るんですか」
「うふっ、簡単よぉ。アイテムボックス収納で種類と分量をだして、オートコンプリートで書いているだけだからぁ」
なるほど、そんな技もある訳か。
そう思いつつ数値に目を通す。
大丈夫、私のアイテムボックスに入っていた量と同じだ。
カレンさんのする事だから疑ってはいないけれど。
「確認しました。大丈夫です」
「それじゃ買い取り代金よぉ。これも確認してね」
銀貨大小、銅貨大小で渡されたお金を確認。
大丈夫、4,970Cある。
「確認しました。確かにあります」
「それじゃこれで『ヴィード島薬草採取クエスト』終了ねっ」
クエスト?
この言葉には覚えがある。
確かゲーム内で何らかの条件を満たすと発生する、サブシナリオの事だ。
「この薬草採取、クエストだったんですか?」
「実はそーなのよぉ」
バチッと火花が散るようなウィンクひとつした後、カレンさんは続ける。
「このクエストは
① ゾンビを1人で倒せる実力があって、
② 基本薬草5種類を知っている錬金術スキル持ちが
③ ケルキラの錬金術ギルドを訪問すること
で発生するのぉ。
もちろん発生させるかどうかは支部長である私がある程度決められるのだけれどね。
標準の報酬はテント、シート、寝袋、マット、食器といった長期旅行用セット一式。これは隣の売店で売っている物と同じよぉ」
なるほど。
そうすればだ。
「それじゃこの斧、いいんですか? クエストの報酬外ですよね」
「私はもう使わないしね。それに前も言ったけれど、確実に使える子に有効に持って貰った方がいいでしょ♡」
「ありがとうございます」
有り難く使わせて貰うとしよう。
それじゃ次の質問だ。
「魔犬がテイム出来たのも、そのクエストのおかげですか?」
「NON・NON。その子はクエストとは別の条件だと思うわよぉ。このクエスト、NPCなら既に2人程やらせてみたけれど、わんこをテイムして帰ってきた子はいなかったからぁ♡。
というか、ヴィード島にわんこがいるという話そのものを聞いた事が無いわ。
何らかの事情で最近島にやってきたのか、それとも何か出会うのに必要な条件があるのか。その辺はわからないけれどねっ」
なるほど。
「さて、それでミヤちゃん、この後住む場所とかどうするの? 今日は此処の部屋でいいとして、ずっと此処だとその子、運動不足になっちゃうでしょ。
何処か別の街へ行くなら別だけれど、そうでなければ家を借りた方がいいと思うわよぉ」
そうだ、その事をカレンさんに相談しようと思っていたのだ。
しかし別の街へ行くなんて選択肢は考えていなかった。
「別の街へ行くってどういう事ですか?」
「ケルキラはパイアキアン・オンライン最初の街だからね。出てくる魔物なんかが弱いし、お金も稼ぎにくいのぉ。
一般にゲームとして楽しむなら、より魔物なんかが強くて稼げる方へ行くのよ、プレイヤーの大部分は」
そう言われても、その感覚がわからない。
魔物や魔獣が弱いのなら住みやすくて良いのではないだろうか。
東の要塞でスケルトンいじめをすれば、それなりにお金を稼げるし。
「わざわざ魔物が強い場所へ行くんですか?」
「ゲーマーってそんなものなのよぉ。まあ私もそうだったんだけれどねぇ」
■■■■■■■■■■
※ 魔犬に出会う条件は『出会う可能性がある場所に行った際、身体からゾンビやグールの腐臭がしていない事』です。
魔犬は嗅覚が優れている為、その辺りの魔物の臭いを嫌っている、というのが理由です。
また他に隠しパラメーターのCHR値が高い等の条件があったりもします。
9
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる