19 / 139
第3章 はじめての依頼と新しい仲間?
第19話 君はラッキー・ジュニア君
しおりを挟む
わんこの方を見る。
うん、やっぱり可愛い。
それになかなか賢そうな顔をしている。
一緒に行きたいというのなら連れて行ってやりたい。
ただ連れて行って大丈夫だろうか、生活出来るのだろうか。
その辺りが気になる。
錬金術ギルドの部屋に入れるのはまずいかもしれないし。
「ちょっと待っていてね。連れて行って2人とも路頭に迷うと困るから、少し調べるから」
きゅう。
わんこはわかったというように小さく鳴いて頷く。
やはり賢い、この子。
さて、それではネットで調べるとするか。
ゲーム外、ブラウザを視界に出す。
さしあたってこのわんこと一緒に暮らせるかだな。
『パイアキアン・オンライン テイム』
まずはこれで検索。
CMやアフィリエイト系ブログらしいのは無視して関係ありそうな部分だけを開いて斜め読み。
ふむふむ、ペットをテイムするのはそこそこある事のようだ。
少し高いけれどペットと泊まれる宿もある。
さらに貸家を借りるのもそう難しくないようだ。
2週間から借りられる貸家もあるらしい。
『魔犬』についても検索した。
普通の犬が魔物や魔獣の多いところで生活した結果、魔力を体内に取り入れ魔獣になったもの、だそうだ。
なおカテゴリー的には魔獣だけれど、性格はその個体次第。
特に人を襲う等といった性質は無いらしい。
そしてティムしたペットのステータスや健康状態は飼い主、つまり私のパスポートで確認可能。
病気や怪我については人間用の薬品で対処可能なようだ。
なら多分問題無い。
いや、多少問題があっても何とかなるし何とかする。
という事で。
「どうやら大丈夫みたいだけれど、一緒に来る?」
きゅう、きゅう。
『連れて行く場合は名前をつけて下さい』
わんこが私の方へやってくる。
頭を私にこすりつけるようにして甘えてくる。
うむ、かわいい。
でもちょい汚れ気味だから清浄魔法一発。
うん、きれいになった。
全身が白で、両耳から下、胸毛部分までに焦げ茶色の毛が混じるという色合い。
毛は全身結構もさもさ。
鼻はピンク、目は茶色でわりと大きめで可愛い顔をしている。
さて、名前をつけるにもオスかメスかわからないとな。
ちょっと抱えて持ち上げて確認、オスだった。
ならどんな名前がいいだろう。
少し考えたけれど、どうしても先代、私が子供の頃から家にいたわんこの名前が出てきてしまう。
何となく似ているのだ。
顔の周りの毛の色とか、顔がちょっと横に大きめのところとか、耳が大きいところとか。
あの子、ラッキーはコーギーだったけれど。
よし、それでいいか。
「それじゃ君の名前はラッキージュニアでいい?」
きゅう、きゅう。
頭を擦り付けて甘えてくる。
『魔犬、ラッキージュニアを仲間に《テイム》した!』
これで良し!
甘えてくるのをよしよしと思い切り撫でてやる。
これくらいの大きさがあると思い切りよくわしわし撫でられて楽しい。
ひとしきりなでなでしてからラッキージュニアに聞いてみる。
「これから薬草採りに行くけれどどうする? 魔物と戦うかもしれないけれど」
ラッキージュニア、もうラッキーでいいか、はすっと立って私の方を見る。
ついてくる、そういう意思表示だろう。
「わかった。一緒に行こう。ただ魔物や魔獣が出てきた時は私の後ろに下がってね」
後半部分は聞いているのかどうかわからない。
わんこはえてしてそんなもの。
自分が聞きたい部分だけを聞いて理解するのだ。
本当は全部わかっているくせに。
やはりラッキー、先代のコーギーの方を思い出してしまう。
何か仕草も似ている気がするし。
現ラッキーの方が大きいし、色も大分違うし、耳も現ラッキーは普段は寝せているというかたらしているのだけれど。
さて、それでは薬草採りを再開しよう。
なんて言ってもそれらしい処を歩くだけでいい。
『癒療草を発見しました。採取しますか?』
『聖療草を発見しました。採取しますか?』
肯定するだけで自動採取してくれるから。
癒療草は白いタンポポといった感じの草で、日向になっている部分そこら中に生えている。
足りなくなっている5種類には含まれないけれど、採取量が少ないので3kg位採取出来れば助かるとの事だ。
1株あたりの収量は多くないけれど、何せ生えている数が多い。
根さえ残しておけばまたすぐ生えてくるらしいので、遠慮無く自動採取。
聖療草はヨモギっぽい草で、チャペルに近い森林と草地の際にもさっと生えているようだ。
草餅が出来そうな程度に柔らかい葉や茎が採取部位。
ノルマは5kg。
そしてチャペルの日陰部分には魔療草が生えているというか、蔓延っているくらいの勢いだ。
こちらは見た目がドクダミ。
これもノルマは5kg。
ラッキーと一緒にチャペルの周りを絨毯爆撃という感じで歩きまくる。
ラッキーは尻尾をゆっくりふりふりしながら、私の近くをついて回る感じだ。
時々こっちを振り返ったりするのが可愛い。
チャペルの周りをぐるっと1周した結果、癒療草、聖療草、魔療草3つともあっさりノルマの収量をクリアした。
癒療草は4.1kg、聖療草は5.9kg、魔療草に至っては9.8kgも採取している。
あとは治覚草、治害草、育療草か。
でも治害草はあと2~3株採ればノルマ達成。
そして時間はまだ10時40分。
それでは此処から北へ進む道を海岸まで歩きつつ、治覚草を採取することにしよう。
「それじゃ北の海岸に向かうよ」
通じるかどうかはわからないけれど、ラッキーに次の行動を伝える。
ラッキーが立ち止まり、こっちを振り返る。
何となく頷いてくれたような気がした。
うん、やっぱり可愛い。
それになかなか賢そうな顔をしている。
一緒に行きたいというのなら連れて行ってやりたい。
ただ連れて行って大丈夫だろうか、生活出来るのだろうか。
その辺りが気になる。
錬金術ギルドの部屋に入れるのはまずいかもしれないし。
「ちょっと待っていてね。連れて行って2人とも路頭に迷うと困るから、少し調べるから」
きゅう。
わんこはわかったというように小さく鳴いて頷く。
やはり賢い、この子。
さて、それではネットで調べるとするか。
ゲーム外、ブラウザを視界に出す。
さしあたってこのわんこと一緒に暮らせるかだな。
『パイアキアン・オンライン テイム』
まずはこれで検索。
CMやアフィリエイト系ブログらしいのは無視して関係ありそうな部分だけを開いて斜め読み。
ふむふむ、ペットをテイムするのはそこそこある事のようだ。
少し高いけれどペットと泊まれる宿もある。
さらに貸家を借りるのもそう難しくないようだ。
2週間から借りられる貸家もあるらしい。
『魔犬』についても検索した。
普通の犬が魔物や魔獣の多いところで生活した結果、魔力を体内に取り入れ魔獣になったもの、だそうだ。
なおカテゴリー的には魔獣だけれど、性格はその個体次第。
特に人を襲う等といった性質は無いらしい。
そしてティムしたペットのステータスや健康状態は飼い主、つまり私のパスポートで確認可能。
病気や怪我については人間用の薬品で対処可能なようだ。
なら多分問題無い。
いや、多少問題があっても何とかなるし何とかする。
という事で。
「どうやら大丈夫みたいだけれど、一緒に来る?」
きゅう、きゅう。
『連れて行く場合は名前をつけて下さい』
わんこが私の方へやってくる。
頭を私にこすりつけるようにして甘えてくる。
うむ、かわいい。
でもちょい汚れ気味だから清浄魔法一発。
うん、きれいになった。
全身が白で、両耳から下、胸毛部分までに焦げ茶色の毛が混じるという色合い。
毛は全身結構もさもさ。
鼻はピンク、目は茶色でわりと大きめで可愛い顔をしている。
さて、名前をつけるにもオスかメスかわからないとな。
ちょっと抱えて持ち上げて確認、オスだった。
ならどんな名前がいいだろう。
少し考えたけれど、どうしても先代、私が子供の頃から家にいたわんこの名前が出てきてしまう。
何となく似ているのだ。
顔の周りの毛の色とか、顔がちょっと横に大きめのところとか、耳が大きいところとか。
あの子、ラッキーはコーギーだったけれど。
よし、それでいいか。
「それじゃ君の名前はラッキージュニアでいい?」
きゅう、きゅう。
頭を擦り付けて甘えてくる。
『魔犬、ラッキージュニアを仲間に《テイム》した!』
これで良し!
甘えてくるのをよしよしと思い切り撫でてやる。
これくらいの大きさがあると思い切りよくわしわし撫でられて楽しい。
ひとしきりなでなでしてからラッキージュニアに聞いてみる。
「これから薬草採りに行くけれどどうする? 魔物と戦うかもしれないけれど」
ラッキージュニア、もうラッキーでいいか、はすっと立って私の方を見る。
ついてくる、そういう意思表示だろう。
「わかった。一緒に行こう。ただ魔物や魔獣が出てきた時は私の後ろに下がってね」
後半部分は聞いているのかどうかわからない。
わんこはえてしてそんなもの。
自分が聞きたい部分だけを聞いて理解するのだ。
本当は全部わかっているくせに。
やはりラッキー、先代のコーギーの方を思い出してしまう。
何か仕草も似ている気がするし。
現ラッキーの方が大きいし、色も大分違うし、耳も現ラッキーは普段は寝せているというかたらしているのだけれど。
さて、それでは薬草採りを再開しよう。
なんて言ってもそれらしい処を歩くだけでいい。
『癒療草を発見しました。採取しますか?』
『聖療草を発見しました。採取しますか?』
肯定するだけで自動採取してくれるから。
癒療草は白いタンポポといった感じの草で、日向になっている部分そこら中に生えている。
足りなくなっている5種類には含まれないけれど、採取量が少ないので3kg位採取出来れば助かるとの事だ。
1株あたりの収量は多くないけれど、何せ生えている数が多い。
根さえ残しておけばまたすぐ生えてくるらしいので、遠慮無く自動採取。
聖療草はヨモギっぽい草で、チャペルに近い森林と草地の際にもさっと生えているようだ。
草餅が出来そうな程度に柔らかい葉や茎が採取部位。
ノルマは5kg。
そしてチャペルの日陰部分には魔療草が生えているというか、蔓延っているくらいの勢いだ。
こちらは見た目がドクダミ。
これもノルマは5kg。
ラッキーと一緒にチャペルの周りを絨毯爆撃という感じで歩きまくる。
ラッキーは尻尾をゆっくりふりふりしながら、私の近くをついて回る感じだ。
時々こっちを振り返ったりするのが可愛い。
チャペルの周りをぐるっと1周した結果、癒療草、聖療草、魔療草3つともあっさりノルマの収量をクリアした。
癒療草は4.1kg、聖療草は5.9kg、魔療草に至っては9.8kgも採取している。
あとは治覚草、治害草、育療草か。
でも治害草はあと2~3株採ればノルマ達成。
そして時間はまだ10時40分。
それでは此処から北へ進む道を海岸まで歩きつつ、治覚草を採取することにしよう。
「それじゃ北の海岸に向かうよ」
通じるかどうかはわからないけれど、ラッキーに次の行動を伝える。
ラッキーが立ち止まり、こっちを振り返る。
何となく頷いてくれたような気がした。
8
お気に入りに追加
53
あなたにおすすめの小説

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
【完結】バグった俺と、依存的な引きこもり少女。 ~幼馴染は俺以外のセカイを知りたがらない~
山須ぶじん
SF
異性に関心はありながらも初恋がまだという高校二年生の少年、赤土正人(あかつちまさと)。
彼は毎日放課後に、一つ年下の引きこもりな幼馴染、伊武翠華(いぶすいか)という名の少女の家に通っていた。毎日訪れた正人のニオイを、密着し顔を埋めてくんくん嗅ぐという変わったクセのある女の子である。
そんな彼女は中学時代イジメを受けて引きこもりになり、さらには両親にも見捨てられて、今や正人だけが世界のすべて。彼に見捨てられないためなら、「なんでもする」と言ってしまうほどだった。
ある日、正人は来栖(くるす)という名のクラスメイトの女子に、愛の告白をされる。しかし告白するだけして彼女は逃げるように去ってしまい、正人は仕方なく返事を明日にしようと思うのだった。
だが翌日――。来栖は姿を消してしまう。しかも誰も彼女のことを覚えていないのだ。
それはまるで、最初から存在しなかったかのように――。
※第18回講談社ラノベ文庫新人賞の第2次選考通過、最終選考落選作品。
※『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載しています。

貧弱の英雄
カタナヅキ
ファンタジー
この世界では誰もが生まれた時から「異能」と「レベル」呼ばれる能力を身に付けており、人々はレベルを上げて自分の能力を磨き、それに適した職業に就くのが当たり前だった。しかし、山奥で捨てられていたところを狩人に拾われ、後に「ナイ」と名付けられた少年は「貧弱」という異能の中でも異質な能力を身に付けていた。
貧弱の能力の効果は日付が変更される度に強制的にレベルがリセットされてしまい、生まれた時からナイは「レベル1」だった。どれだけ努力してレベルを上げようと日付変わる度にレベル1に戻ってしまい、レベルで上がった分の能力が低下してしまう。
自分の貧弱の技能に悲観する彼だったが、ある時にレベルを上昇させるときに身に付ける「SP」の存在を知る。これを使用すれば「技能」と呼ばれる様々な技術を身に付ける事を知り、レベルが毎日のようにリセットされる事を逆に利用して彼はSPを溜めて数々の技能を身に付け、落ちこぼれと呼んだ者達を見返すため、底辺から成り上がる――
※修正要請のコメントは対処後に削除します。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる