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第3章 はじめての依頼と新しい仲間?
第16話 依頼の説明
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スケルトン19体を倒し、魔魂草を8kg採取。
役所から貰える褒賞金だけで3,800C。
カレンさんに魔魂草を渡せば追加で800C
時給として考えれば相当に割がいい。
もう一生これで暮らしてもいいんじゃないだろうか。
エルフだから見かけや身体能力はずっと若いままだし。
相当にとんでもない年齢にならない限りは。
でもそうするとギルドや宿屋じゃなくて自分の家が欲しくなる。
借家はどれくらいのお値段なのだろう。
家を借りるには商業ギルドだっただろうか。
そんな事を考えながら錬金術ギルドへ。
中はカウンターの向こうにカレンさんがいるだけ。
ビスタさんは帰ったようだ。
「ただいま」
「おかえりなさい。ちょうど良かったわぁ。ビスタちゃんは帰ったし船の予約もしたから、早速だけれど詳細説明、いい?」
むしろ有り難い。
今この話が出来れば夕食をゆっくり食べに行ける。
「大丈夫です。御願いします」
「ありがと。それじゃ座ってぇ~」
いつも通りカウンターへ。
カレンさんは私の前にA2サイズくらいの紙を広げた。
見た感じでは島の地図だ。
「ヴィード島の地図よ。こんな感じでぐるっと一周しても4km無い位の小さな島よぉ」
形は横長の長方形の、上辺と左下角を引っ張って伸ばしたような感じだ。
所々に赤文字と青文字で書き込みがしてある。
「青文字が主な薬草が生えている場所で、赤文字が付近で出現する魔物。
薬草については今回特に必要なもの以外も書いておいたから、余裕があればひととおり採取してきてくれると助かるわぁ。
ただし今のミヤちゃんだと危ない場所もちょっとだけあるから注意してね。具体的にはこの辺、南東の林にある納骨堂付近」
見ると直径100m位の範囲が赤線で囲ってある。
「何かあるんですか?」
「納骨堂にはグールやレイスが出るのよ。
レイスはまあ、昼間の光が入る場所には出てこないわ。だから塔の中に入らなければ問題は無いけれどね。
でもグールはたまに納骨堂から出てくるわ。光で急速に劣化するけれど、林の中なら50m位は動ける可能性があるのよ。だからこの範囲内には入らないことをお勧めするわぁ」
グールやレイスか。
名前は見た覚えはあるけれど、出会うのは当分先だと思って調べていなかった魔物だ。
どれくらいの強さだろう。
「強いんですか?」
「グールは1体でもミヤちゃんとほぼ互角よ。力が強いしとにかく打たれ強いの。
ただ速さはミヤちゃんよりずっと遅いから逃げるだけなら簡単よ。昼間なら林の中くらいの光でも3分くらいで朽ちちゃうから、逃げ切れないって事はないしねっ♡」
グールに出遭ったら逃げれば大丈夫か。
「レイスはどうなんですか?」
「レイスの強さや個性はは個体によって大分違うわ。だから一概には言えないの。ただ弱いレイスでも普通に攻撃魔法を使ってくるから近寄らない方が無難よぉ」
攻撃魔法を使ってくるのか。
確かにそんな相手と戦うのはまだ早い気がする。
「近づかなければいいんですね。わかりました」
「そう、近づかなければ問題は無いと思うけれどね。日帰り予定だし。
それでも万が一、天候急変で戻れないなんて事になると面倒だから、避難所も一応作ってあるわよ。
港から少し上がった場所にある、この建物よ。ここはいざという時の為に頑丈に作ってあるし、年に一度は錬金術ギルドで整備しているからそれほどボロくは無い筈よぉ」
なるほど、そういう場所も整備しているのか。
至れり尽くせりだなと思う。
「ギルドでそういう事もしているんですね」
「勿論よぉ。薬草が採れる場所は貴重だから、船着場も含めて整備をしているの。
でもわざわざ船で島にわたって薬草採取なんて、あまり冒険者はやってくれないのよ。だから薬草が足りなくなって特別依頼を出した時くらいかしらぁ、使うのって。
ついでだから島でのモデルコースを説明するわよ。まずは此処の船着場から上陸してぇ……」
カレンさんが説明してくれたお勧め採取コースはこんな感じ。
① 船着場についたら、そのまま西へ歩いて海沿いの岩場と平地の境の草地で治害草を採取する。
② 治害草を採取したら近くの道から北のやや高い部分へと上り、避難所を確認する。
③ 避難所を確認したら道を北上して、集落跡の北側にあるチャペルへ。
集落跡一帯はゾンビが出るので注意。ただし動きはかなり遅いので、一度大声を出してこちらに向かって来させてから全部倒すと楽。
集落跡の各所で魔魂草を採取出来るが、これは最優先では無いので採取出来る時でいい。
④ チャペル直近の日向で癒療草と聖療草、チャペル裏の日陰で魔療草を採取出来る。
癒療草は急ぎではないけれど元々の採取量が少ない薬草なので出来る限り採取しておく。
⑤ チャペルから北へ向かい、林に入る。この付近から道沿い右側、日当たりがいい場所に治覚草が生えているので採取する。
⑥ 林を突き抜けると砂浜に出る。ここにも治害草が生えているので採取する。
⑦ 道を戻って林を抜け、チャペル手前で西側へ入る小道へ。
そのまま歩くと小さな谷間に入る。スライムが多いので注意。谷間の中心の流れを辿って行くと小さな池に出る。ここの周囲で育療草を採取する。
⑧ ここまで採取してリストの量に足りない薬草があれば、集落内を西に向えば小規模な要塞跡がある。スケルトンが出るが、周囲で癒療草と聖療草、魔療草を採取出来る。
注意点は、集落から林を通って北の砂浜へ行く途中、道より東側へ行かない事。
これは納骨堂のグール対策だ。
「……こんなところかしら。ミヤちゃんなら朝9時に上陸して、お昼過ぎくらいまでには採取が終わっていると思うわよぉ。船は15時に着くようにするから、それまで港なり避難所なり好きなところでゆっくりしていて」
「わかりました」
それほど難しい事は無さそうに感じる。
「それじゃ明日、持って行く装備をひととおり渡すわよぉ。これは報酬を兼ねているから、返す必要はないわ」
カレンさんはテント、シート、寝袋、マット、食器といったキャンプ用品みたいなものをカウンター上に並べはじめた。
この辺の物も買うと結構するだろう。
そういう意味でも今回の依頼、なかなか有り難い。
この辺はきっと依頼の報酬というよりカレンさんの好意なのだろう。
依頼の褒賞金よりもあの斧やこれらの品物の方がよっぽど高価そうだから。
役所から貰える褒賞金だけで3,800C。
カレンさんに魔魂草を渡せば追加で800C
時給として考えれば相当に割がいい。
もう一生これで暮らしてもいいんじゃないだろうか。
エルフだから見かけや身体能力はずっと若いままだし。
相当にとんでもない年齢にならない限りは。
でもそうするとギルドや宿屋じゃなくて自分の家が欲しくなる。
借家はどれくらいのお値段なのだろう。
家を借りるには商業ギルドだっただろうか。
そんな事を考えながら錬金術ギルドへ。
中はカウンターの向こうにカレンさんがいるだけ。
ビスタさんは帰ったようだ。
「ただいま」
「おかえりなさい。ちょうど良かったわぁ。ビスタちゃんは帰ったし船の予約もしたから、早速だけれど詳細説明、いい?」
むしろ有り難い。
今この話が出来れば夕食をゆっくり食べに行ける。
「大丈夫です。御願いします」
「ありがと。それじゃ座ってぇ~」
いつも通りカウンターへ。
カレンさんは私の前にA2サイズくらいの紙を広げた。
見た感じでは島の地図だ。
「ヴィード島の地図よ。こんな感じでぐるっと一周しても4km無い位の小さな島よぉ」
形は横長の長方形の、上辺と左下角を引っ張って伸ばしたような感じだ。
所々に赤文字と青文字で書き込みがしてある。
「青文字が主な薬草が生えている場所で、赤文字が付近で出現する魔物。
薬草については今回特に必要なもの以外も書いておいたから、余裕があればひととおり採取してきてくれると助かるわぁ。
ただし今のミヤちゃんだと危ない場所もちょっとだけあるから注意してね。具体的にはこの辺、南東の林にある納骨堂付近」
見ると直径100m位の範囲が赤線で囲ってある。
「何かあるんですか?」
「納骨堂にはグールやレイスが出るのよ。
レイスはまあ、昼間の光が入る場所には出てこないわ。だから塔の中に入らなければ問題は無いけれどね。
でもグールはたまに納骨堂から出てくるわ。光で急速に劣化するけれど、林の中なら50m位は動ける可能性があるのよ。だからこの範囲内には入らないことをお勧めするわぁ」
グールやレイスか。
名前は見た覚えはあるけれど、出会うのは当分先だと思って調べていなかった魔物だ。
どれくらいの強さだろう。
「強いんですか?」
「グールは1体でもミヤちゃんとほぼ互角よ。力が強いしとにかく打たれ強いの。
ただ速さはミヤちゃんよりずっと遅いから逃げるだけなら簡単よ。昼間なら林の中くらいの光でも3分くらいで朽ちちゃうから、逃げ切れないって事はないしねっ♡」
グールに出遭ったら逃げれば大丈夫か。
「レイスはどうなんですか?」
「レイスの強さや個性はは個体によって大分違うわ。だから一概には言えないの。ただ弱いレイスでも普通に攻撃魔法を使ってくるから近寄らない方が無難よぉ」
攻撃魔法を使ってくるのか。
確かにそんな相手と戦うのはまだ早い気がする。
「近づかなければいいんですね。わかりました」
「そう、近づかなければ問題は無いと思うけれどね。日帰り予定だし。
それでも万が一、天候急変で戻れないなんて事になると面倒だから、避難所も一応作ってあるわよ。
港から少し上がった場所にある、この建物よ。ここはいざという時の為に頑丈に作ってあるし、年に一度は錬金術ギルドで整備しているからそれほどボロくは無い筈よぉ」
なるほど、そういう場所も整備しているのか。
至れり尽くせりだなと思う。
「ギルドでそういう事もしているんですね」
「勿論よぉ。薬草が採れる場所は貴重だから、船着場も含めて整備をしているの。
でもわざわざ船で島にわたって薬草採取なんて、あまり冒険者はやってくれないのよ。だから薬草が足りなくなって特別依頼を出した時くらいかしらぁ、使うのって。
ついでだから島でのモデルコースを説明するわよ。まずは此処の船着場から上陸してぇ……」
カレンさんが説明してくれたお勧め採取コースはこんな感じ。
① 船着場についたら、そのまま西へ歩いて海沿いの岩場と平地の境の草地で治害草を採取する。
② 治害草を採取したら近くの道から北のやや高い部分へと上り、避難所を確認する。
③ 避難所を確認したら道を北上して、集落跡の北側にあるチャペルへ。
集落跡一帯はゾンビが出るので注意。ただし動きはかなり遅いので、一度大声を出してこちらに向かって来させてから全部倒すと楽。
集落跡の各所で魔魂草を採取出来るが、これは最優先では無いので採取出来る時でいい。
④ チャペル直近の日向で癒療草と聖療草、チャペル裏の日陰で魔療草を採取出来る。
癒療草は急ぎではないけれど元々の採取量が少ない薬草なので出来る限り採取しておく。
⑤ チャペルから北へ向かい、林に入る。この付近から道沿い右側、日当たりがいい場所に治覚草が生えているので採取する。
⑥ 林を突き抜けると砂浜に出る。ここにも治害草が生えているので採取する。
⑦ 道を戻って林を抜け、チャペル手前で西側へ入る小道へ。
そのまま歩くと小さな谷間に入る。スライムが多いので注意。谷間の中心の流れを辿って行くと小さな池に出る。ここの周囲で育療草を採取する。
⑧ ここまで採取してリストの量に足りない薬草があれば、集落内を西に向えば小規模な要塞跡がある。スケルトンが出るが、周囲で癒療草と聖療草、魔療草を採取出来る。
注意点は、集落から林を通って北の砂浜へ行く途中、道より東側へ行かない事。
これは納骨堂のグール対策だ。
「……こんなところかしら。ミヤちゃんなら朝9時に上陸して、お昼過ぎくらいまでには採取が終わっていると思うわよぉ。船は15時に着くようにするから、それまで港なり避難所なり好きなところでゆっくりしていて」
「わかりました」
それほど難しい事は無さそうに感じる。
「それじゃ明日、持って行く装備をひととおり渡すわよぉ。これは報酬を兼ねているから、返す必要はないわ」
カレンさんはテント、シート、寝袋、マット、食器といったキャンプ用品みたいなものをカウンター上に並べはじめた。
この辺の物も買うと結構するだろう。
そういう意味でも今回の依頼、なかなか有り難い。
この辺はきっと依頼の報酬というよりカレンさんの好意なのだろう。
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