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第3章 はじめての依頼と新しい仲間?
第15話 ギルド認定錬金術師
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講習3日目、最後は中級治療薬作り。
使用するは薬草5種類で、錬成魔法は3種類。
順番通りに錬金釜に入れ、魔法を通す作業を繰り返す。
錬金釜から出して濾して出てきた黄色い液体をデミオさんが鑑定。
「……問題ありません。基準通りの中級治療薬と認めます」
良し! 出来たぞ。
何気にここまで大変だった。
何せINT値が低めなので、一度に覚えられる事が少なめだったから。
それでも2泊3日、つまり一般的な日数で終わったのはカレンさんのおかげ。
具体的には教わったスケルトン倒しでレベルが上がったから。
レベルが上がればその分覚える事が出来る個数も増えるらしい。
つまりINT値が足りない分を脳筋で補った訳だ。
なんて考えると微妙に悲しいが、まあ結果オーライとしよう。
「それではこの履修確認表を支部長に提出して下さい。引き換えで修了証が渡されます」
「わかりました。ありがとうございました」
デミオさんはどうにも機械的で人間らしさに欠ける。
しかし同じ事を聞いても文句を言わないし、教え方も丁寧だった。
そういう意味で講師役としては正しいのだろうと思うし、感謝している。
階段で1階へと降りると、珍しく客がいた。
中年の落ち着いた感じの男性だ。
薬等の販売は店の方でやっているから、こちらに客が来ることはめったにない。
そうカレンさんは言っていたのだけれど。
私の方は急がないから後にしよう。
そう思って階段を戻りかけたところで。
「あらミヤちゃん、講習は無事終了ぉ?」
カレンさんが声をかけてきた。
「ええ。デミオさんに履修確認表をいただきました」
「ならちょうど良かったわ。お仕事よぉ~」
何だろう。
そう思いつつ、カレンさんの方へ。
「まずは履修確認表をちょうだいな」
お客さんと話しているのにいいのだろうか。
そう思いつつ、私は履修確認表をカレンさんに渡す。
「うんうん、全部OKねっ。それじゃちょうどいいからそこへ座って。話をするから。
あとこちらの方は南の街、アヒリオにある錬金術ギルドの副支部長、ビスタちゃんよぉ。此処へ来た用件は、在庫が足りない薬草の融通。
でもね、うちでも在庫が心細い薬草がいくつかあったの。これがそのリストよぉ」
カレンさんは中年男性でもちゃんづけなのか。
なんて思いながらリストを見てみる。
5種類とも講習で学んだ薬草だ。
「どれも割と使う薬草ですね」
「そうなのよぉ。つい1週間前のキャンペーンシナリオで治療薬が大量に使われちゃって。それで何処も材料不足の状態なのぉ。
私も2時間以内で行けるところにある薬草はひととおり採取したんだけれどねぇ。それでもちょっと足りない状態ってわけぇ」
なるほど、状況はわかった。
でもそれを何故私に話すのだろう。
「さて、話はここからよぉ。この薬草、5種類とも結構多い場所に心当たりがあるの。
でも採りに行ってくれる人がいないのよぉ。そこそこの魔物が出るから、普通の錬金術師じゃちょっと行かせられないしぃ。
そこでちょっと、ミヤちゃんの手を借りようと思って」
えっ!?
「どういう事ですか?」
「ミヤちゃん、スケルトン程度だったら楽勝でしょお」
「楽勝という程では無いですけれど」
「でも昨日も狩りに行ったでしょお」
確かにその通りだ。
昨日は1人で行って20体ほど倒してきた。
だから頷くしかない。
「ケルキラの港から沖合1kmも行かないところにヴィード島という島があるんだけれどね。そこならこれらの薬草、全部生えている筈なのよぉ。
ただ昔、難民が住んでいた島だから、スケルトンやゾンビが出るのよ。私が行けばいいけれど、船で往復だから一日がかりになっちゃうのよね。ここのギルドはお店を任せている1人を含めて3人しか正規の職員がいないし、あまり離れたくないのよぉ。
それでミヤちゃんにさくっと行ってきて貰おうかなあ、そう思ったWA・KE♡」
ちょっと待って欲しい。
「冒険者に依頼を出すとかじゃ駄目なんですか?」
「冒険者にやらせるとちゃんと薬草を採ってきてくれるか、いまひとつ不安なのよねぇ。
それに出来れば急ぎたいのよ。ミヤちゃんもわかるとおり、どれも使う薬草でしょ。万が一にも在庫無しなんてなったらまずいのよ。
ミヤちゃんならどの薬草も見分けられるし、スケルトンくらいなら楽勝でしょ。スケルトンとゾンビは倒し方が一緒だし強さもそう変わらないしね。
強いて言えばゾンビは臭いけれど、初級講習で悪臭防護を覚えた筈だから問題無いでしょ。だから御願いしたいわけ♡」
確かにそれなら大丈夫だろう。
状況も理解した。
なら確認事項だ。
「理由はわかりましたけれど、魔物や魔獣はスケルトンやゾンビだけなんですか?」
「他にノロイグアナ、スライム、デミスライムってところよ。ミヤちゃんなら全然問題無いわぁ。
勿論危険な場所へ行けばそれなりの魔物もいるけれど、それは近づかなければいいだけ。だから心配しないで大丈夫。
行き来する為の船はこっちで手配するわ。あとは報酬もちょっと色をつけるからぁ。薬草の買い取り値段は変えないけれど、行ってくれたらあの斧も含めて、装備一式を進呈するわ。
あと勿論魔物の討伐報酬も出るわよぉ。うちじゃなくて役場からだけど。
これでど~お?」
ちょっとだけ考える。
確かにかなりお得な条件だ。
あの斧だけでも余裕でお釣りが来る。
というか、本当にそれでいいのだろうか。
「あの斧、普通に買うと相当高いですよね。いいんですか?」
「もちろんよぉ~。私はもう使わない装備だしね。それにあの斧、使用に必要なステータス値の条件が厳しすぎて、普通の人じゃ使えないのよ。
なら確実に使える子に有効に持って貰った方がいいしねっ♡」
なら問題無い。
というか非常に有り難い。
「わかりました。その依頼、受けます」
「ありがとぉ。それじゃ後で打ち合わせをするわね。夕方4時からでいいかしらぁ」
今は午後2時50分だ。
市場を回って買物をしてくればちょうどいいだろう。
いや、先に東の要塞でスケルトン討伐と薬草採取かな。
「わかりました。それじゃ要塞へ出かけてきます」
「それじゃよろしくね。あとこれ、修了証よぉ」
そう言えば貰うのを忘れていたな。
カレンさんからB6位のカードっぽい紙を受け取る。
受け取った瞬間、次のメッセージが視界を流れた。
『錬金術師の初級講習を修了しました。称号に『ギルド認定錬金術師(一般)』が追加されます。
これ以降、次の薬品を作る行程が自動化されます。
○ 初級治療薬
○ 中級治療薬
○ 毒消し薬
○ 気付け草
○ 初級魔力補充薬
○ 中級魔力補充薬
なお他の薬品及び製品を作る場合、成功率が2割上昇します』
ちなみにギルド認定錬金術師のランクは、
一般→中級→上級→専修→特級
の5ランクで、一般は最下級。
初心者講習を3日間受けただけだから仕方ない。
それでもなかなか使えそうな能力だなと感じる。
私のゲーム内生活、順調だ。
使用するは薬草5種類で、錬成魔法は3種類。
順番通りに錬金釜に入れ、魔法を通す作業を繰り返す。
錬金釜から出して濾して出てきた黄色い液体をデミオさんが鑑定。
「……問題ありません。基準通りの中級治療薬と認めます」
良し! 出来たぞ。
何気にここまで大変だった。
何せINT値が低めなので、一度に覚えられる事が少なめだったから。
それでも2泊3日、つまり一般的な日数で終わったのはカレンさんのおかげ。
具体的には教わったスケルトン倒しでレベルが上がったから。
レベルが上がればその分覚える事が出来る個数も増えるらしい。
つまりINT値が足りない分を脳筋で補った訳だ。
なんて考えると微妙に悲しいが、まあ結果オーライとしよう。
「それではこの履修確認表を支部長に提出して下さい。引き換えで修了証が渡されます」
「わかりました。ありがとうございました」
デミオさんはどうにも機械的で人間らしさに欠ける。
しかし同じ事を聞いても文句を言わないし、教え方も丁寧だった。
そういう意味で講師役としては正しいのだろうと思うし、感謝している。
階段で1階へと降りると、珍しく客がいた。
中年の落ち着いた感じの男性だ。
薬等の販売は店の方でやっているから、こちらに客が来ることはめったにない。
そうカレンさんは言っていたのだけれど。
私の方は急がないから後にしよう。
そう思って階段を戻りかけたところで。
「あらミヤちゃん、講習は無事終了ぉ?」
カレンさんが声をかけてきた。
「ええ。デミオさんに履修確認表をいただきました」
「ならちょうど良かったわ。お仕事よぉ~」
何だろう。
そう思いつつ、カレンさんの方へ。
「まずは履修確認表をちょうだいな」
お客さんと話しているのにいいのだろうか。
そう思いつつ、私は履修確認表をカレンさんに渡す。
「うんうん、全部OKねっ。それじゃちょうどいいからそこへ座って。話をするから。
あとこちらの方は南の街、アヒリオにある錬金術ギルドの副支部長、ビスタちゃんよぉ。此処へ来た用件は、在庫が足りない薬草の融通。
でもね、うちでも在庫が心細い薬草がいくつかあったの。これがそのリストよぉ」
カレンさんは中年男性でもちゃんづけなのか。
なんて思いながらリストを見てみる。
5種類とも講習で学んだ薬草だ。
「どれも割と使う薬草ですね」
「そうなのよぉ。つい1週間前のキャンペーンシナリオで治療薬が大量に使われちゃって。それで何処も材料不足の状態なのぉ。
私も2時間以内で行けるところにある薬草はひととおり採取したんだけれどねぇ。それでもちょっと足りない状態ってわけぇ」
なるほど、状況はわかった。
でもそれを何故私に話すのだろう。
「さて、話はここからよぉ。この薬草、5種類とも結構多い場所に心当たりがあるの。
でも採りに行ってくれる人がいないのよぉ。そこそこの魔物が出るから、普通の錬金術師じゃちょっと行かせられないしぃ。
そこでちょっと、ミヤちゃんの手を借りようと思って」
えっ!?
「どういう事ですか?」
「ミヤちゃん、スケルトン程度だったら楽勝でしょお」
「楽勝という程では無いですけれど」
「でも昨日も狩りに行ったでしょお」
確かにその通りだ。
昨日は1人で行って20体ほど倒してきた。
だから頷くしかない。
「ケルキラの港から沖合1kmも行かないところにヴィード島という島があるんだけれどね。そこならこれらの薬草、全部生えている筈なのよぉ。
ただ昔、難民が住んでいた島だから、スケルトンやゾンビが出るのよ。私が行けばいいけれど、船で往復だから一日がかりになっちゃうのよね。ここのギルドはお店を任せている1人を含めて3人しか正規の職員がいないし、あまり離れたくないのよぉ。
それでミヤちゃんにさくっと行ってきて貰おうかなあ、そう思ったWA・KE♡」
ちょっと待って欲しい。
「冒険者に依頼を出すとかじゃ駄目なんですか?」
「冒険者にやらせるとちゃんと薬草を採ってきてくれるか、いまひとつ不安なのよねぇ。
それに出来れば急ぎたいのよ。ミヤちゃんもわかるとおり、どれも使う薬草でしょ。万が一にも在庫無しなんてなったらまずいのよ。
ミヤちゃんならどの薬草も見分けられるし、スケルトンくらいなら楽勝でしょ。スケルトンとゾンビは倒し方が一緒だし強さもそう変わらないしね。
強いて言えばゾンビは臭いけれど、初級講習で悪臭防護を覚えた筈だから問題無いでしょ。だから御願いしたいわけ♡」
確かにそれなら大丈夫だろう。
状況も理解した。
なら確認事項だ。
「理由はわかりましたけれど、魔物や魔獣はスケルトンやゾンビだけなんですか?」
「他にノロイグアナ、スライム、デミスライムってところよ。ミヤちゃんなら全然問題無いわぁ。
勿論危険な場所へ行けばそれなりの魔物もいるけれど、それは近づかなければいいだけ。だから心配しないで大丈夫。
行き来する為の船はこっちで手配するわ。あとは報酬もちょっと色をつけるからぁ。薬草の買い取り値段は変えないけれど、行ってくれたらあの斧も含めて、装備一式を進呈するわ。
あと勿論魔物の討伐報酬も出るわよぉ。うちじゃなくて役場からだけど。
これでど~お?」
ちょっとだけ考える。
確かにかなりお得な条件だ。
あの斧だけでも余裕でお釣りが来る。
というか、本当にそれでいいのだろうか。
「あの斧、普通に買うと相当高いですよね。いいんですか?」
「もちろんよぉ~。私はもう使わない装備だしね。それにあの斧、使用に必要なステータス値の条件が厳しすぎて、普通の人じゃ使えないのよ。
なら確実に使える子に有効に持って貰った方がいいしねっ♡」
なら問題無い。
というか非常に有り難い。
「わかりました。その依頼、受けます」
「ありがとぉ。それじゃ後で打ち合わせをするわね。夕方4時からでいいかしらぁ」
今は午後2時50分だ。
市場を回って買物をしてくればちょうどいいだろう。
いや、先に東の要塞でスケルトン討伐と薬草採取かな。
「わかりました。それじゃ要塞へ出かけてきます」
「それじゃよろしくね。あとこれ、修了証よぉ」
そう言えば貰うのを忘れていたな。
カレンさんからB6位のカードっぽい紙を受け取る。
受け取った瞬間、次のメッセージが視界を流れた。
『錬金術師の初級講習を修了しました。称号に『ギルド認定錬金術師(一般)』が追加されます。
これ以降、次の薬品を作る行程が自動化されます。
○ 初級治療薬
○ 中級治療薬
○ 毒消し薬
○ 気付け草
○ 初級魔力補充薬
○ 中級魔力補充薬
なお他の薬品及び製品を作る場合、成功率が2割上昇します』
ちなみにギルド認定錬金術師のランクは、
一般→中級→上級→専修→特級
の5ランクで、一般は最下級。
初心者講習を3日間受けただけだから仕方ない。
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