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第10章 ある冬の日に
75 豪勢で贅沢なお買い物
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その後はとりあえず、皆、寮へ帰って一眠り。
その前に、
『パーティ用にマグロを捕りに行きませんか』
なんて念話が三郷先輩から全員にあったり。
苦労させられた女子陣中心に、それを押しとどめたりする一幕があったり。
結局、パーティに関しては、出来合いの物中心に買い集めよう。皆疲れているので、無理はしない。
そういう結論になった。
なのでパーティ参加者全員、三郷先輩を含めて6人でお買い物だ。
店はいつものラルフスではなく、ゲルソンズというスーパー。
「今日はスポンサーのおごりだから、予算気にしなくていいですよ」
そう三郷先輩が言った事に松戸が反応して、店が決まった。
松戸曰く、かなり高級なスーパーとのことだ。
松戸は家は金持ちの癖に、貧乏性なところもある。
金があるからこそ、使い過ぎないように徹底しているのかもしれないが。
例によって空間移動で、アメリカは西海岸に移動。
外を見回して、中に入って、そしてみらいが感想を一言。
「うーん、いつものスーパーと雰囲気違うです。何か高級感あるです」
その意見には、俺も同感だ。確かに高級感がある。
所々に店員がいて、客が取った物をすぐ補充したりしている。
ついている値札も強気だ。
最近はドル表示の値札になれたので、見ただけでだいたいわかる。
「いつものスーパーより、ずっとお高いスーパーだからね。日本で言うと成城石井か紀ノ国屋かな。値段は高いけれど、味は保証するわ」
松戸から解説が入った。
ちなみにいつものスーパーとは、ラルフスのダウンタウン店だ。
基準が何か間違っている。
普通なら、エコスとかヤオコーといった、学校から近い日本のスーパーだろうと思うのだけれど。
時差と松戸のせいなのだが。
三郷先輩が精力的に動き回っている。
金属のショーケースに入った総菜を片っ端から見て回り、店員に質問しては色々買い漁っている。
本人によると、
『英語は苦手で単語しかわからないですが、情報収集能力で相手の言っている意味は理解できるです』
との事だ。
ちなみに三郷先輩は、本当に腕力がないらしい。握力も10kg無いとのことだ。
だからみらいが付き添っている。
なお三郷先輩の義足は、事案発生時に調整中だった例の新しい義足。
完全に普通の脚にしか見えないが、異空間移動機能や飛行機能もついている。
さすがに戦闘機動が出来る程の性能ではないらしいが。
松戸は松戸で色々なコーナーから、独特の情報網で厳選された逸品を探してくる。
さっきは1瓶で9ドル近くする高いジャムを、3つカートに入れていた。
「これは日本で買うと倍近くするの!ここは全種類揃っていておすすめよ」
いやお前、日本以外も移動自由自在だし、金持ちだし。その気なら、いつでもここで買い物できるだろう!
そう思ったけれど、それを言うのも無粋だと思って口には出さない。
綾瀬は、調味料やドレッシング、ソースのコーナーを延々と周回している。
残されたのは、カート担当の俺と委員長。他の連中程食にこだわらない2人だ。
「……他の連中の買い物を見て、バランス良くなるように買い物をしようか」
「ん、そうだね。何かみんなこだわり強そうだし」
という訳で、俺は委員長と、ゆっくり各コーナー見ながら歩き出す。
しかし俺も委員長も、残念ながら買う物を自分で選べなかった。
たとえば、パーティ用のクラッカーを買おうと、それらしいコーナーへ行ったりするとだ。
だだだだっと松戸がやって来て、お勧めクラッカー箱2つをカートに入れて消えるとか。
パンのコーナーへ行ったら、松戸と綾瀬が突如出現。
お勧めらしいパン数種を2人で選んでカートに入れて姿を消すとか。
そして総菜は、既に選ぶ必要が無い程、三郷先輩とみらい組が取って来ている。
総菜コーナー以外の場所にあった、ローストビーフや刺身類も、松戸によって追加済。
せめてドリンクはと思ったが、これもコーナーへ行った途端に、松戸がお勧めを数本入れて去って行った。
とどめとして、綾瀬が厳選した調味料に、ソースや缶詰やドレッシングを突っ込む。
おかげでカートは、怒涛の山積み。セレブなマーケットなのにセレブじゃない買い漁り状態だ。
俺と委員長が選んだものは、ただの一品もない。
レジで清算中、金額が400ドルを超えた時点で俺は見るのを止めた。
いくら高いスーパーとはいえ、どんだけ買っているんだお前ら。
主な戦犯は三郷みらい組だ。
何せポンドあたり10ドル以上する総菜を、これでもかという位に大量に買っている。
松戸ももちろん有罪だ。
いつも買わない高級食材、ジャムとかジュースとか箱入りお菓子とかを、やっぱりこれでもかという位に買っている。
綾瀬も共犯とみていいだろう。
最後に追加した、高級缶詰十数個の罪は重い。
あと入れた調味料、特にハーブとか香辛料系に、とんでもない値段のものが混じっている。
いくらかかったかは、残念ながら俺には見る勇気は無かった。
それでも代金は、三郷先輩がカードで払ってくれた。
大丈夫なのだろうか、こんな無駄遣いをして。
その前に、
『パーティ用にマグロを捕りに行きませんか』
なんて念話が三郷先輩から全員にあったり。
苦労させられた女子陣中心に、それを押しとどめたりする一幕があったり。
結局、パーティに関しては、出来合いの物中心に買い集めよう。皆疲れているので、無理はしない。
そういう結論になった。
なのでパーティ参加者全員、三郷先輩を含めて6人でお買い物だ。
店はいつものラルフスではなく、ゲルソンズというスーパー。
「今日はスポンサーのおごりだから、予算気にしなくていいですよ」
そう三郷先輩が言った事に松戸が反応して、店が決まった。
松戸曰く、かなり高級なスーパーとのことだ。
松戸は家は金持ちの癖に、貧乏性なところもある。
金があるからこそ、使い過ぎないように徹底しているのかもしれないが。
例によって空間移動で、アメリカは西海岸に移動。
外を見回して、中に入って、そしてみらいが感想を一言。
「うーん、いつものスーパーと雰囲気違うです。何か高級感あるです」
その意見には、俺も同感だ。確かに高級感がある。
所々に店員がいて、客が取った物をすぐ補充したりしている。
ついている値札も強気だ。
最近はドル表示の値札になれたので、見ただけでだいたいわかる。
「いつものスーパーより、ずっとお高いスーパーだからね。日本で言うと成城石井か紀ノ国屋かな。値段は高いけれど、味は保証するわ」
松戸から解説が入った。
ちなみにいつものスーパーとは、ラルフスのダウンタウン店だ。
基準が何か間違っている。
普通なら、エコスとかヤオコーといった、学校から近い日本のスーパーだろうと思うのだけれど。
時差と松戸のせいなのだが。
三郷先輩が精力的に動き回っている。
金属のショーケースに入った総菜を片っ端から見て回り、店員に質問しては色々買い漁っている。
本人によると、
『英語は苦手で単語しかわからないですが、情報収集能力で相手の言っている意味は理解できるです』
との事だ。
ちなみに三郷先輩は、本当に腕力がないらしい。握力も10kg無いとのことだ。
だからみらいが付き添っている。
なお三郷先輩の義足は、事案発生時に調整中だった例の新しい義足。
完全に普通の脚にしか見えないが、異空間移動機能や飛行機能もついている。
さすがに戦闘機動が出来る程の性能ではないらしいが。
松戸は松戸で色々なコーナーから、独特の情報網で厳選された逸品を探してくる。
さっきは1瓶で9ドル近くする高いジャムを、3つカートに入れていた。
「これは日本で買うと倍近くするの!ここは全種類揃っていておすすめよ」
いやお前、日本以外も移動自由自在だし、金持ちだし。その気なら、いつでもここで買い物できるだろう!
そう思ったけれど、それを言うのも無粋だと思って口には出さない。
綾瀬は、調味料やドレッシング、ソースのコーナーを延々と周回している。
残されたのは、カート担当の俺と委員長。他の連中程食にこだわらない2人だ。
「……他の連中の買い物を見て、バランス良くなるように買い物をしようか」
「ん、そうだね。何かみんなこだわり強そうだし」
という訳で、俺は委員長と、ゆっくり各コーナー見ながら歩き出す。
しかし俺も委員長も、残念ながら買う物を自分で選べなかった。
たとえば、パーティ用のクラッカーを買おうと、それらしいコーナーへ行ったりするとだ。
だだだだっと松戸がやって来て、お勧めクラッカー箱2つをカートに入れて消えるとか。
パンのコーナーへ行ったら、松戸と綾瀬が突如出現。
お勧めらしいパン数種を2人で選んでカートに入れて姿を消すとか。
そして総菜は、既に選ぶ必要が無い程、三郷先輩とみらい組が取って来ている。
総菜コーナー以外の場所にあった、ローストビーフや刺身類も、松戸によって追加済。
せめてドリンクはと思ったが、これもコーナーへ行った途端に、松戸がお勧めを数本入れて去って行った。
とどめとして、綾瀬が厳選した調味料に、ソースや缶詰やドレッシングを突っ込む。
おかげでカートは、怒涛の山積み。セレブなマーケットなのにセレブじゃない買い漁り状態だ。
俺と委員長が選んだものは、ただの一品もない。
レジで清算中、金額が400ドルを超えた時点で俺は見るのを止めた。
いくら高いスーパーとはいえ、どんだけ買っているんだお前ら。
主な戦犯は三郷みらい組だ。
何せポンドあたり10ドル以上する総菜を、これでもかという位に大量に買っている。
松戸ももちろん有罪だ。
いつも買わない高級食材、ジャムとかジュースとか箱入りお菓子とかを、やっぱりこれでもかという位に買っている。
綾瀬も共犯とみていいだろう。
最後に追加した、高級缶詰十数個の罪は重い。
あと入れた調味料、特にハーブとか香辛料系に、とんでもない値段のものが混じっている。
いくらかかったかは、残念ながら俺には見る勇気は無かった。
それでも代金は、三郷先輩がカードで払ってくれた。
大丈夫なのだろうか、こんな無駄遣いをして。
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