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第9章 激闘冬合宿!~新型猛獣女子、襲来~
66 やっぱり俺は殺される?
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今日の訓練から、使用する武器が変わった。
「やっぱり実際に現場で使う可能性が高い武器で練習した方がいいよね」
そんな理由で、松戸が頼んで作ってもらった練習用の武器を持ち込んだそうである。
実際に使う武器とほぼ同じ大きさと重量バランスとの事だが、その武器の名前とか云われとか効用とかは、
「言わぬが花ですわ」
という事で教えてもらっていない。
ちなみに俺のは太刀で、委員長が槍、綾瀬が短剣で松戸が太刀だ。
松戸の太刀は、この前の敵に構えていたのと同じ刀だろう。
あの異常な長さは、多分間違いない。
俺のもあの時に使った太刀のようだ。
委員長のは、穂の部分が太い槍。
綾瀬のは、三日月形の独特な形をした片手剣だ。
「それぞれの戦闘スタイルと腕力にあわせて、神殺しの実績があって私が借りてくることが出来る武器を選んでみたの。どうしても使いにくかったら言ってね。別の在庫を探してくるから」
この場合の在庫とは、松戸の家にあるとか店にあるという意味ではない。
宗教施設だの博物館だの研究施設にあるものを、無断で借りてくるという意味だ。
しかも因果律に反しなければ、過去や未来からも調達可能らしい。
この前高浜先輩と魔術の話をしていた時にそんな事を言っていた。
俺は渡された模擬刀を抜いて軽く振る。
バランスは悪くない。
ある程度刀の取り扱いに慣れれば、使いこなすのもそう難しくは無さそうだ。
「あ、模擬戦をする時は佐貫はその模擬刀じゃなくてこっちを使って」
松戸はいかにもおもちゃです、という感じの黄色いプラスチックの柄の黒い刀みたいなものをよこす。
何だこのちゃちいのは。
「スポーツチャンバラ用のエアーソフト剣よ。それなら思い切り叩いたり突いたりしても、怪我しないでしょ。みんな佐貫ほど頑丈でも回復早くもないから、模擬戦の時はそれ使ってね。一応あちこちに錘を仕込んでおいたから、それなりの重さはある筈よ」
何か納得いかないが、確かに俺が模擬刀で女性陣相手に本気で打って当たってしまったら、間違いなく骨折ものだ。
だから俺は仕方なく受け入れる。
でも俺は、骨折しても打撲しても無視という事なのだろうか。
納得いかない。
「佐貫なら全身打撲で内臓まで被害あっても、1日寝れば治るしね。だから女性陣は武器に慣れる事も重視して、本物に近い模擬武器を使ってもらうわよ」
男女差別だ! と言ってもこの場は圧倒的に女子多数。
勝ち目は無い。
「では早速訓練するです。チーム分けは前と同じ。私と佐貫君のペア対他全員。佐貫君と秀美ちゃんは、神眼を対象敵全体で使うです。みらいは3人を指揮しながら、私がどう佐貫君を指揮しているかモニタして参考にするです」
三郷先輩の指示で、午前中の訓練が始まる。
◇◇◇
模擬戦5分を2本やると、それだけで汗だくだ。
既に女性陣は水着にTシャツという、いい加減なスタイルになっている。
松戸のちょっとえぐい角度のV字ゾーンが、動くたびにずれそうでやばい感じ。
紳士の俺は見て見ぬふりだけれども。
なお俺が長袖長ズボンなのは、別に紳士だからではない。
模擬武器が当った時のダメージが少しでも軽くなるようにだ。
でもいい加減、この恰好が暑さに耐えられなくなってきた。
まだ一撃も相手の攻撃を受けていないし、もうちょい軽装でもいいかな。
「悪い、ちょっと着替えてくる」
「じゃあその間休憩です」
女子全員海へと歩いて行って、海に漬かってクールダウンする。
動いていない筈のみらいと三郷先輩まで……って。
「三郷先輩、義足は海に漬けて大丈夫なんですか?」
「ヒサシゲが、後でオーバーホールするから気にせず使え、って言ってたです」
「電気使っていれば、やめたほうがいいと思うけれど」
「完全魔力駆動です。魔力はヒサシゲに充填してもらったです。1週間持つです」
成程。なら心配無用か。というか動力まで後台先輩依存なのかこの機械。
1週間分持つ程の魔力を注入しておいて、後台先輩自身は大丈夫なのだろうか。
魔族だけれど、結構厳しいような気がするだけれど。
色々疑問はあるが、考えてもしょうがない。
俺はエアストリームに戻り、短パンとTシャツに着替える。
脱いだ衣類一式は、異空間を使って寮の俺の部屋へとぶん投げた。
これならさっきより遥かに涼しい。
このまま泳いでも大丈夫だ。
戻ったところで訓練は再開となる。
「では今度はみらいが佐貫君を指揮、私が他の3人を指揮で模擬試合をするです」
えっ、俺は聞いていないぞ。
「佐貫君の性能は、いままでの模擬戦でわかってるですよね。神眼の近未来予知機能も使えば、3人と互角以上に戦えるのも実証済みです。まあ万が一瀕死の重傷を負っても、佐貫君なら今年中には復活するし、気にせずやってみるです」
「了解なのです」
おいおい大丈夫か。
というかコレ、俺の死亡フラグ確定?
長袖長ズボン脱ぐのは早すぎた?
「それではそろそろ始めるです」
三郷先輩の無情な宣告。
俺は武器としてはあまりに頼りないエアーソフト剣を構える。
開始とともに、みらいの指示が飛んだ。
『秀美が来たです。Z3-3へ下がるです』
俺は言われた通り下がる。
『秀美方向変えたです。Z2-3下がるです』
言われたように避ける。
『更に秀美とユーノも来るです。ここはむしろX1+5X2+2全速前進で左のユーノ打つです』
思ったよりも確かで確実な指揮。
みらいの指揮管制、大分上達したようだ。
俺は言われた通り前進。
長物扱い故にすぐに体勢を変えられない松戸の懐に入る。
その途端。
『まずいです逃げるです!』
そう言われた時には遅かった。
松戸の体と長剣で逃げる方向をふさがれた状態で、綾瀬がすぐ背後に出現する。
他の異空間への移動も間に合わない。
綾瀬の短剣が俺の背を突く。
綾瀬が手加減してくれていたのがせめてもの救いか。
「まずはこれで1本です。ちょっと甘いですね」
「うー、まだまだなのです。佐貫が動けなくなるまでやるです」
おいみらい、やっぱり俺を殺す気か。
そんなこんなで訓練は続く。
「やっぱり実際に現場で使う可能性が高い武器で練習した方がいいよね」
そんな理由で、松戸が頼んで作ってもらった練習用の武器を持ち込んだそうである。
実際に使う武器とほぼ同じ大きさと重量バランスとの事だが、その武器の名前とか云われとか効用とかは、
「言わぬが花ですわ」
という事で教えてもらっていない。
ちなみに俺のは太刀で、委員長が槍、綾瀬が短剣で松戸が太刀だ。
松戸の太刀は、この前の敵に構えていたのと同じ刀だろう。
あの異常な長さは、多分間違いない。
俺のもあの時に使った太刀のようだ。
委員長のは、穂の部分が太い槍。
綾瀬のは、三日月形の独特な形をした片手剣だ。
「それぞれの戦闘スタイルと腕力にあわせて、神殺しの実績があって私が借りてくることが出来る武器を選んでみたの。どうしても使いにくかったら言ってね。別の在庫を探してくるから」
この場合の在庫とは、松戸の家にあるとか店にあるという意味ではない。
宗教施設だの博物館だの研究施設にあるものを、無断で借りてくるという意味だ。
しかも因果律に反しなければ、過去や未来からも調達可能らしい。
この前高浜先輩と魔術の話をしていた時にそんな事を言っていた。
俺は渡された模擬刀を抜いて軽く振る。
バランスは悪くない。
ある程度刀の取り扱いに慣れれば、使いこなすのもそう難しくは無さそうだ。
「あ、模擬戦をする時は佐貫はその模擬刀じゃなくてこっちを使って」
松戸はいかにもおもちゃです、という感じの黄色いプラスチックの柄の黒い刀みたいなものをよこす。
何だこのちゃちいのは。
「スポーツチャンバラ用のエアーソフト剣よ。それなら思い切り叩いたり突いたりしても、怪我しないでしょ。みんな佐貫ほど頑丈でも回復早くもないから、模擬戦の時はそれ使ってね。一応あちこちに錘を仕込んでおいたから、それなりの重さはある筈よ」
何か納得いかないが、確かに俺が模擬刀で女性陣相手に本気で打って当たってしまったら、間違いなく骨折ものだ。
だから俺は仕方なく受け入れる。
でも俺は、骨折しても打撲しても無視という事なのだろうか。
納得いかない。
「佐貫なら全身打撲で内臓まで被害あっても、1日寝れば治るしね。だから女性陣は武器に慣れる事も重視して、本物に近い模擬武器を使ってもらうわよ」
男女差別だ! と言ってもこの場は圧倒的に女子多数。
勝ち目は無い。
「では早速訓練するです。チーム分けは前と同じ。私と佐貫君のペア対他全員。佐貫君と秀美ちゃんは、神眼を対象敵全体で使うです。みらいは3人を指揮しながら、私がどう佐貫君を指揮しているかモニタして参考にするです」
三郷先輩の指示で、午前中の訓練が始まる。
◇◇◇
模擬戦5分を2本やると、それだけで汗だくだ。
既に女性陣は水着にTシャツという、いい加減なスタイルになっている。
松戸のちょっとえぐい角度のV字ゾーンが、動くたびにずれそうでやばい感じ。
紳士の俺は見て見ぬふりだけれども。
なお俺が長袖長ズボンなのは、別に紳士だからではない。
模擬武器が当った時のダメージが少しでも軽くなるようにだ。
でもいい加減、この恰好が暑さに耐えられなくなってきた。
まだ一撃も相手の攻撃を受けていないし、もうちょい軽装でもいいかな。
「悪い、ちょっと着替えてくる」
「じゃあその間休憩です」
女子全員海へと歩いて行って、海に漬かってクールダウンする。
動いていない筈のみらいと三郷先輩まで……って。
「三郷先輩、義足は海に漬けて大丈夫なんですか?」
「ヒサシゲが、後でオーバーホールするから気にせず使え、って言ってたです」
「電気使っていれば、やめたほうがいいと思うけれど」
「完全魔力駆動です。魔力はヒサシゲに充填してもらったです。1週間持つです」
成程。なら心配無用か。というか動力まで後台先輩依存なのかこの機械。
1週間分持つ程の魔力を注入しておいて、後台先輩自身は大丈夫なのだろうか。
魔族だけれど、結構厳しいような気がするだけれど。
色々疑問はあるが、考えてもしょうがない。
俺はエアストリームに戻り、短パンとTシャツに着替える。
脱いだ衣類一式は、異空間を使って寮の俺の部屋へとぶん投げた。
これならさっきより遥かに涼しい。
このまま泳いでも大丈夫だ。
戻ったところで訓練は再開となる。
「では今度はみらいが佐貫君を指揮、私が他の3人を指揮で模擬試合をするです」
えっ、俺は聞いていないぞ。
「佐貫君の性能は、いままでの模擬戦でわかってるですよね。神眼の近未来予知機能も使えば、3人と互角以上に戦えるのも実証済みです。まあ万が一瀕死の重傷を負っても、佐貫君なら今年中には復活するし、気にせずやってみるです」
「了解なのです」
おいおい大丈夫か。
というかコレ、俺の死亡フラグ確定?
長袖長ズボン脱ぐのは早すぎた?
「それではそろそろ始めるです」
三郷先輩の無情な宣告。
俺は武器としてはあまりに頼りないエアーソフト剣を構える。
開始とともに、みらいの指示が飛んだ。
『秀美が来たです。Z3-3へ下がるです』
俺は言われた通り下がる。
『秀美方向変えたです。Z2-3下がるです』
言われたように避ける。
『更に秀美とユーノも来るです。ここはむしろX1+5X2+2全速前進で左のユーノ打つです』
思ったよりも確かで確実な指揮。
みらいの指揮管制、大分上達したようだ。
俺は言われた通り前進。
長物扱い故にすぐに体勢を変えられない松戸の懐に入る。
その途端。
『まずいです逃げるです!』
そう言われた時には遅かった。
松戸の体と長剣で逃げる方向をふさがれた状態で、綾瀬がすぐ背後に出現する。
他の異空間への移動も間に合わない。
綾瀬の短剣が俺の背を突く。
綾瀬が手加減してくれていたのがせめてもの救いか。
「まずはこれで1本です。ちょっと甘いですね」
「うー、まだまだなのです。佐貫が動けなくなるまでやるです」
おいみらい、やっぱり俺を殺す気か。
そんなこんなで訓練は続く。
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