55 / 78
第7章 勝ち抜け、武闘大会!
55 対、TRICKSTERS戦
しおりを挟む
朝食はなかなか美味しいバゲットサンド。
洗面その他も済ませて準備完了。
20時ちょうどにエアストリームを学校の元の場所に移動する。
なお外には新聞部員が張っていたようだが無視だ。
一応扉付近等は用心のためちょこっと空間を歪ませているけれど。
今夜は21時から準決勝2試合。
明日の早朝というか午前1時から決勝と3位決定戦が行われる。
そしてまずは本日の第1試合。
TRICKSTERS戦だ。
でもまあ、のんびりとティータイム。
「今日のお昼過ぎ、南米で地震があったみたいね」
どこから取り寄せたか不明だが、英字新聞を読みながら松戸が言う。
「被害の全貌はまだ不明、でも相当に酷いみたい」
「ん、日本のニュースでもやっているよ。日本への津波等の影響は無い模様。詳細は大使館確認中って」
そんな会話後、準備をして、第1試合参加の3人が試合会場へ直接移動。
取材陣除けにちょっとだけ複雑化した異空間を使って、軽くウォームアップ。
ちょうどいい位の所で試合5分前だ。
異空間移動を使って指定の位置へ。
グラウンドの一塁側に引かれた試合開始線。
横一列で俺、委員長、綾瀬だ。
三塁側にもTRICKSTERSの先輩達が並んだ。
俺の前が稲田先輩、中央が友部先輩、綾瀬の前が笠間先輩。
今回はまずは目の前の相手と一対一で戦う予定だ。
甲高い電子音が試合開始を告げる。
俺と稲田先輩は空へ向かい、笠間先輩と綾瀬は異空間へ姿を消した。
稲田先輩は視線で、友部先輩と委員長の方を指して合図する。
ちょっと向こうの様子を見ようという事らしい。
俺も気になるので、稲田先輩の提案に乗ることにする。
「友部先輩、確かに私はあなたの幼馴染の柏秀美ではありません」
委員長の声がかすかに聞こえる。
「それでも私は柏秀美です。そしてこれから、今の私の全能力を使ってあなたと戦います」
「了承した。私も私の全能力を持って立ち向かう事を誓おう」
そして二人で頷き合い、次の瞬間二人とも猛速度で相手に駆け寄る。
稲田先輩がこっちを見て頷いた。
こっちも戦闘開始、という事だろう。
稲田先輩は急上昇し、俺はあえてこの場で留まる。
稲田先輩は高高度からの急下降による加速で空中戦を有利に進めるつもりだし、俺は異空間移動があるのであえて余分な慣性がつかない低速を使いたい。
それゆえの位置取りだ。
予想通り稲田先輩は急下降して速度を増し、俺に襲い掛かる。
薙刀の刃が振り下ろされ俺の胴を突こうとする。
教科書通りの動きだが悪くない。
しかし委員長と松戸による極悪特訓から見れば、かなり甘い。
俺は左の剣で稲田先輩の長刀を横薙ぎし、そのまま右剣で稲田先輩の胴を狙う。
だが稲田先輩は俺が払った槍に力をいれることで空中で体勢を変えで俺の剣を回避、そのまま水平に逃れた。
速度差があるので俺は追わない。
今度は水平で距離を取ってにらみ合い。
しかしそれは稲田先輩にとっては悪手だ。
速度差が無ければ、異空間移動で狙い打ちが出来る。
俺は異空間移動を使って稲田先輩の真上へ移動。
気付いた稲田先輩が繰り出した薙刀を右剣で弾く。
重力を味方につけている分、俺の攻撃の方が重い。
俺は重力を味方につけて更に加速。
稲田先輩は回避しようとするが速度が足りない。
背中側から横薙ぎに狙った胴が決まった。
規程ダメージ超過を俺の神眼が告げる。
無事俺は自分の役目を終えた。
ちょっと安心して下を見ると、綾瀬も既に勝負が終わったらしい。
相手のダメージが規定を超過している。
綾瀬独特の異空間移動にやられたのだろう。
あれは異空間戦闘に慣れている程ひっかかりやすいと、以前松戸も言っていたしな。
そして委員長対友部先輩の戦いは、まだ続いていた。
異空間移動も使い、途切れ途切れに見える委員長。
姿がしっかり見える状態なのに凄まじい速さの友部先輩。
攻防が速くかつ複雑すぎて、俺にもよくわからない。
ダメージ表示はどちらも規定値の3割以下。
表示が少しずつ増えている。
でもどちらも決定打には程遠い。
様子がよく見えないのがもどかしい。
守谷がいれば詳細な状態がわかるのだろうが。
不意に委員長のダメージが一気に跳ね上がる。
規定値まであとほんの少しだ。
慌ててた俺が見たのは意外にも、明らかにしまったという顔をした友部先輩。
両腕で前をブロックして、半ば跳ね飛ばされつつも友部先輩を襲う委員長の右脚。
一瞬後、ダメージの値が逆転する。
友部先輩のダメージ値が規定超過。
試合終了の電子音。
委員長の、そして混合術式研究会の勝利だ。
まだ空中にいた俺も着地する。
「やられたな。まさかあんな無茶なフェイントをかけるとは」
「これくらいしないと先輩は捕まりませんから」
委員長と友部先輩との会話。
委員長の言葉はやや固い。
「先輩はやめてくれ。昔通りユカでいい」
友部先輩がそう言って笑みを浮かべる。
「でもそう呼んでいたのは私じゃ……」
友部先輩は頷く。
「でも君も秀美だ。今ので良くわかった。本当はずっとわかっていたんだけれどな。意地っ張りで負けず嫌いで誰より一途で勉強熱心で」
委員長の動きが凍り付いた様に止まる。
「シスコンで独りが好きでそのくせ寂しがり屋で。悪かったな、今まで」
委員長の目に涙が浮かぶ。
次の瞬間、委員長は友部先輩に抱き着いて泣き出した。
そして友部先輩は委員長をかかえて背中をなでている。
放送委員会のアナウンスが遠くで聞こえた。
洗面その他も済ませて準備完了。
20時ちょうどにエアストリームを学校の元の場所に移動する。
なお外には新聞部員が張っていたようだが無視だ。
一応扉付近等は用心のためちょこっと空間を歪ませているけれど。
今夜は21時から準決勝2試合。
明日の早朝というか午前1時から決勝と3位決定戦が行われる。
そしてまずは本日の第1試合。
TRICKSTERS戦だ。
でもまあ、のんびりとティータイム。
「今日のお昼過ぎ、南米で地震があったみたいね」
どこから取り寄せたか不明だが、英字新聞を読みながら松戸が言う。
「被害の全貌はまだ不明、でも相当に酷いみたい」
「ん、日本のニュースでもやっているよ。日本への津波等の影響は無い模様。詳細は大使館確認中って」
そんな会話後、準備をして、第1試合参加の3人が試合会場へ直接移動。
取材陣除けにちょっとだけ複雑化した異空間を使って、軽くウォームアップ。
ちょうどいい位の所で試合5分前だ。
異空間移動を使って指定の位置へ。
グラウンドの一塁側に引かれた試合開始線。
横一列で俺、委員長、綾瀬だ。
三塁側にもTRICKSTERSの先輩達が並んだ。
俺の前が稲田先輩、中央が友部先輩、綾瀬の前が笠間先輩。
今回はまずは目の前の相手と一対一で戦う予定だ。
甲高い電子音が試合開始を告げる。
俺と稲田先輩は空へ向かい、笠間先輩と綾瀬は異空間へ姿を消した。
稲田先輩は視線で、友部先輩と委員長の方を指して合図する。
ちょっと向こうの様子を見ようという事らしい。
俺も気になるので、稲田先輩の提案に乗ることにする。
「友部先輩、確かに私はあなたの幼馴染の柏秀美ではありません」
委員長の声がかすかに聞こえる。
「それでも私は柏秀美です。そしてこれから、今の私の全能力を使ってあなたと戦います」
「了承した。私も私の全能力を持って立ち向かう事を誓おう」
そして二人で頷き合い、次の瞬間二人とも猛速度で相手に駆け寄る。
稲田先輩がこっちを見て頷いた。
こっちも戦闘開始、という事だろう。
稲田先輩は急上昇し、俺はあえてこの場で留まる。
稲田先輩は高高度からの急下降による加速で空中戦を有利に進めるつもりだし、俺は異空間移動があるのであえて余分な慣性がつかない低速を使いたい。
それゆえの位置取りだ。
予想通り稲田先輩は急下降して速度を増し、俺に襲い掛かる。
薙刀の刃が振り下ろされ俺の胴を突こうとする。
教科書通りの動きだが悪くない。
しかし委員長と松戸による極悪特訓から見れば、かなり甘い。
俺は左の剣で稲田先輩の長刀を横薙ぎし、そのまま右剣で稲田先輩の胴を狙う。
だが稲田先輩は俺が払った槍に力をいれることで空中で体勢を変えで俺の剣を回避、そのまま水平に逃れた。
速度差があるので俺は追わない。
今度は水平で距離を取ってにらみ合い。
しかしそれは稲田先輩にとっては悪手だ。
速度差が無ければ、異空間移動で狙い打ちが出来る。
俺は異空間移動を使って稲田先輩の真上へ移動。
気付いた稲田先輩が繰り出した薙刀を右剣で弾く。
重力を味方につけている分、俺の攻撃の方が重い。
俺は重力を味方につけて更に加速。
稲田先輩は回避しようとするが速度が足りない。
背中側から横薙ぎに狙った胴が決まった。
規程ダメージ超過を俺の神眼が告げる。
無事俺は自分の役目を終えた。
ちょっと安心して下を見ると、綾瀬も既に勝負が終わったらしい。
相手のダメージが規定を超過している。
綾瀬独特の異空間移動にやられたのだろう。
あれは異空間戦闘に慣れている程ひっかかりやすいと、以前松戸も言っていたしな。
そして委員長対友部先輩の戦いは、まだ続いていた。
異空間移動も使い、途切れ途切れに見える委員長。
姿がしっかり見える状態なのに凄まじい速さの友部先輩。
攻防が速くかつ複雑すぎて、俺にもよくわからない。
ダメージ表示はどちらも規定値の3割以下。
表示が少しずつ増えている。
でもどちらも決定打には程遠い。
様子がよく見えないのがもどかしい。
守谷がいれば詳細な状態がわかるのだろうが。
不意に委員長のダメージが一気に跳ね上がる。
規定値まであとほんの少しだ。
慌ててた俺が見たのは意外にも、明らかにしまったという顔をした友部先輩。
両腕で前をブロックして、半ば跳ね飛ばされつつも友部先輩を襲う委員長の右脚。
一瞬後、ダメージの値が逆転する。
友部先輩のダメージ値が規定超過。
試合終了の電子音。
委員長の、そして混合術式研究会の勝利だ。
まだ空中にいた俺も着地する。
「やられたな。まさかあんな無茶なフェイントをかけるとは」
「これくらいしないと先輩は捕まりませんから」
委員長と友部先輩との会話。
委員長の言葉はやや固い。
「先輩はやめてくれ。昔通りユカでいい」
友部先輩がそう言って笑みを浮かべる。
「でもそう呼んでいたのは私じゃ……」
友部先輩は頷く。
「でも君も秀美だ。今ので良くわかった。本当はずっとわかっていたんだけれどな。意地っ張りで負けず嫌いで誰より一途で勉強熱心で」
委員長の動きが凍り付いた様に止まる。
「シスコンで独りが好きでそのくせ寂しがり屋で。悪かったな、今まで」
委員長の目に涙が浮かぶ。
次の瞬間、委員長は友部先輩に抱き着いて泣き出した。
そして友部先輩は委員長をかかえて背中をなでている。
放送委員会のアナウンスが遠くで聞こえた。
28
お気に入りに追加
22
あなたにおすすめの小説
悠久の機甲歩兵
竹氏
ファンタジー
文明が崩壊してから800年。文化や技術がリセットされた世界に、その理由を知っている人間は居なくなっていた。 彼はその世界で目覚めた。綻びだらけの太古の文明の記憶と機甲歩兵マキナを操る技術を持って。 文明が崩壊し変わり果てた世界で彼は生きる。今は放浪者として。
※現在毎日更新中
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ユウ
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
実はスライムって最強なんだよ?初期ステータスが低すぎてレベルアップが出来ないだけ…
小桃
ファンタジー
商業高校へ通う女子高校生一条 遥は通学時に仔犬が車に轢かれそうになった所を助けようとして車に轢かれ死亡する。この行動に獣の神は心を打たれ、彼女を転生させようとする。遥は獣の神より転生を打診され5つの希望を叶えると言われたので、希望を伝える。
1.最強になれる種族
2.無限収納
3.変幻自在
4.並列思考
5.スキルコピー
5つの希望を叶えられ遥は新たな世界へ転生する、その姿はスライムだった…最強になる種族で転生したはずなのにスライムに…遥はスライムとしてどう生きていくのか?スライムに転生した少女の物語が始まるのであった。
実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる