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第7章 勝ち抜け、武闘大会!
54 委員長の昔話
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そういう訳で、しばらく時間つぶし。
4人で砂浜に座って、のんびりと会話。
「次の試合は委員長が友部先輩、俺が笠間先輩、綾瀬が稲田先輩相手でいいんだよな」
「ん、それでお願い」
「確かに委員長は強いけれど、友部先輩も相当だろ。1オン1じゃなくて3対3で戦ってもいいんじゃないか」
「ん、そうなんだけれどね、多分友部先輩は私と1対1で戦いたがっている。だからあえて1対1でやろうと思ってね。将来の敵対策というんじゃなくて、私と紫、友部先輩の個人的な因縁みたいなもの」
聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「将来の敵対策って、何だ」
「ん、ごめん。ユーノから聞いた」
「ごめんね。佐貫に前に言った、この大会後に現れる敵についても皆には言ってあるの」
松戸がそう説明してくれる。
「そうか、俺は大会に夢中で忘れていたな」
「佐貫はそれでいい。悩んでも無駄なら考える必要は無い」
綾瀬にそんな事を言われるが、これは褒めているのかけなしているのか。
まあ綾瀬の事だから、単なる現状肯定以上の意味は無いのだろう、きっと。
「だから戦力として鍛えるため、わざと相手の土俵で戦って勝つというスタイルをやっていた訳。佐貫には言っていなかったけれどね」
「何か色々巻き込んじゃって申し訳ないな」
そう。
これは俺目がけてふりかかってくる災難だった筈だ。
「今更ね、皆わかっていてここにいる。みらいも含めてね」
「みらいもなのか」
他はそれぞれ個人的に聞いている。
でもみらいは例外だと思っていた。
松戸は頷く。
「うん、実は夏の合宿よりも前に話をして、それでもいいならって協力を求めたの。笑顔であっさり同意してくれたわ。『敵として不足は無いのです』って言って」
うーん、みらいの奴。
よく考えているのか考えていないのかわからん。
でも、まあ。
「わかった。なら……でも、安全第一でな。それで委員長の友部先輩との因縁って何なんだ」
「ん、まあ大した事じゃ無いけれどね。中等部の大会は高等部みたいなチーム戦じゃなくて個人戦なんだ。それで2年前、中学部の大会の個人戦で私と友部先輩が勝ち残って決勝になった。もともと同じ里の出身だしね。手の内もよくわかっている相手だった。
それで決勝の時、私は既にその時神眼と初歩の加速術式は使えたんだけれどね。素のままの自分の実力が知りたかったからあえて術式も能力も一切試合では使わなかった。結果は相打ちで、双方準優勝扱いになったんだけどね、友部先輩は私が術式を使わなかったことを手を抜いたみたいに感じたらしい。それで友部先輩は賞を辞退した。友部先輩が辞退したならと私も賞を辞退した。それが多分引っかかっているんだと思う」
「それだけではないですよ」
背後から声がした。
みらいだ。
「起き出したら誰もいなかったのです。仲間はずれはずるいのです」
いつものみらいと同じ感じだが、微妙に目が笑っていない。
「私だけ仲間はずれの罰という訳では無いですが、この際に全部話してしまった方が楽になれるです。私はそう思うです」
「みらい、何故知っているの」
「友部っちは指揮所の常連さんなのです。私のガードをしていた事もあるです」
狭い学校、色々な人間関係があるようだ。
委員長は軽くため息をつく。
「みらい、どこまで知っているのかな」
「友部先輩は、『秀美は確かに本物の秀美だけれど、私の幼馴染の秀美じゃない』そう言っていたです」
ふと松戸が体を一瞬震わした。
彼女はその言葉だけで何かに気づいたようだ。
俺には全く見当がつかない。
「ん、ひょっとしてユーノも、ひょっとしたら美久も気づいた?」
「私も同類だからね」
「私の友達は今の秀美」
あれ、気づいていないのは俺だけか?
ひょっとしたら神眼を使えばわかるのかもしれない。
そのつもりは無いけど。
今の流れのまま、委員長の言葉を待つ。
「ん、しょうがないね。本当は春のユーノの事件の時に言っておくのが良かったんだろうけれどね、何か言い出しにくくて」
そう言って委員長はため息を一つつき、続ける。
「長い話になるけれど、いい」
俺達は無言で頷く。
「お兄がお茶会の時、自分だけマグカップを使っていた理由。あれば別にがぶ飲みするからじゃ無い。昔のお兄は取っ手が細いティーカップを持ちにくかったから。つい最近まで左手しか使えなかったから。慧眼を使うようになって右手も動かせるようになったけれどね。そして右手を失ったのは私のせい」
いきなり強烈な告白が始まった。
「まだ私が4歳でお兄が6歳の時、住んでいた里が襲われた。私とお兄は小屋の中の隠し部屋に隠れた。でも最初の襲撃は陽動で、本命は里の奥に空間移動で出現した部隊だったらしい。この事は後で聞いたんだけれども」
既に話の不穏感はMAXだが、委員長は淡々と続ける。
「突然隠し部屋の入口が開かれて、男が現れた。男は私を見つけると嫌らしい笑いを浮かべて刀を振りかぶった。振り下ろす瞬間まで見えた。私は動けなかった。
その時私はちょっと記憶を失ったらしい。気が付いた時にはお兄に抱きかかえられていた。『さっきの男はやっつけたからもう心配ないし、隠し部屋の入口も家具を移動させて塞いだからもう大丈夫だよ』。お兄の言葉に安心してそのまま眠ってしまった。お兄が何故か右手を使っていなかったことの意味に気づかなかった。まもなく襲撃は撃退して、隠し部屋から私たちは助け出された。部屋の中には私達の他に折れた剣と、その折れた剣先が喉に刺さった状態で倒れている敵の死体があったと聞いた。剣には毒が塗ってあったとも。
私は無傷で助かった。お兄はその後3日毒の後遺症で高熱で寝込んだ。次に会った時は右肩から先が無かった。それが今での、里におけるあの襲撃事件の公式見解。でも私が経験した襲撃事件は、実は違うの」
そう言って委員長はいったん息をつく。
「そう、今話したのはきっとこの世界では正しい。けれど私の体験としては正確じゃない。私が最初にこの襲撃を経験した時にはね、お兄は死んだの。私をかばって必死になって敵に立ち向かっていって、それこそ全身ボロクズのようになって」
そこで委員長はちょっと間をあける。
俺達は何も言わない。
委員長は、話を再開する。
「私はその後、何とかしてお兄を助けようと思った。幸い私のいた狸の里には使えそうな物があった。過去を見ることが出来る祠。本当は長老等が過去に失われた知識や過去の出来事を知るために使う場所。でも、うまく使えばあの時のあの場所へ行ける。あのときの私はそう思った。長老の部屋にあった本を盗み読みしたりして祠の使い方を覚えた。敵を倒すための技も覚えた。
そして事件から1年後、私は祠にある過去の扉をくぐった」
委員長はそこで、また少しだけ間をあけ、そして続ける。
「出たのはまさに、お兄が敵に立ち向かっているあの現場だった。でも違うところが一つあった。もう一人の私がいて、もう死んでいた。刀で袈裟懸けに切られて大量に出血して既に動かなくなっていた。
私の出現で気を取られた隙をついて、お兄が折れた剣先を飛ばして敵を倒した。でも剣の毒でお兄も倒れて意識を失った。私はお兄の傷口から必死に毒を吸い出した。吸い出した毒で意識がかすれていく中、私の死体が消えていくのが見えた。何が起こったかわからないまま、私も毒で気を失った」
委員長が言葉を止め、軽く一呼吸する。
「次に意識を取り戻した時、全ては悪い夢だったと思った。お兄が死んだところから私の死体が消えるところまでの全ては夢だったんだと思った。
でもその後すぐに私は気づいた。里には過去の祠は無かった。木目が見える仕上げだった筈の神社の鳥居が真っ赤だった。他にも少しずつだけど私の記憶と世界が違っていた。
一緒に遊んでいた友達も、私が私じゃないことに何となく気づいたんだと思う。仲間外れにされたわけじゃないけれど、少しずつ私から遠のいていった。1歳違いで当時仲が良かった友部先輩もその一人。あとは大人たちのうち、私の母親は気づいたかな。
それで里の皆とはなんとなく疎遠になって。小学校でここに来たとき、里から離れて一人になれてほっとしたのを憶えている。
お兄と神立先輩は、きっと全部知っている。神立先輩は祈祷師の訓練をしていて昔から他人の心を読めたし。お兄は現場にいて全部見ている筈だし。どっちも怖くて確認できないけれど。あの2人だけはずっと同じ距離で接してくれるから。
だからオリジナルの秀美は既に死んでいる。私は別の世界からの異邦人」
松戸は頷き、そして凄く軽い感じで返す。
「うーん、それだけ?」
思わずええっ!という顔をする委員長。
松戸は苦笑する。
「だってここの面子、訳ありばっかりでしょ。私はここがいくつめの世界か既にわからない状態。自分が死んだ可能性を何度もこの目で見てきたわ。綾瀬は人間どころか生物やめかけているし。みらいもまあ、言わないけど色々あるでしょ。佐貫もついでだからカミングアウトしたら?」
うっ。俺にまで話が回ってきたか。
でもこの際だ。思い切って言ってしまおう。
「ごめん、俺も実年齢は35超えてる。高校は2回目」
「ん、知っていたよ」
委員長の簡単な反応。
そうだったのか。格好悪いから必死になって隠そうとしていたのに。
がっくりだ。
「そういうわけだから秀美、今後ともよろしくね」
「同意」
「よろしくですぅ」
「という訳で、夕食の準備をしましょ」
松戸の言葉で、俺達はエアストリームに向かった。
4人で砂浜に座って、のんびりと会話。
「次の試合は委員長が友部先輩、俺が笠間先輩、綾瀬が稲田先輩相手でいいんだよな」
「ん、それでお願い」
「確かに委員長は強いけれど、友部先輩も相当だろ。1オン1じゃなくて3対3で戦ってもいいんじゃないか」
「ん、そうなんだけれどね、多分友部先輩は私と1対1で戦いたがっている。だからあえて1対1でやろうと思ってね。将来の敵対策というんじゃなくて、私と紫、友部先輩の個人的な因縁みたいなもの」
聞き捨てならない言葉が聞こえた。
「将来の敵対策って、何だ」
「ん、ごめん。ユーノから聞いた」
「ごめんね。佐貫に前に言った、この大会後に現れる敵についても皆には言ってあるの」
松戸がそう説明してくれる。
「そうか、俺は大会に夢中で忘れていたな」
「佐貫はそれでいい。悩んでも無駄なら考える必要は無い」
綾瀬にそんな事を言われるが、これは褒めているのかけなしているのか。
まあ綾瀬の事だから、単なる現状肯定以上の意味は無いのだろう、きっと。
「だから戦力として鍛えるため、わざと相手の土俵で戦って勝つというスタイルをやっていた訳。佐貫には言っていなかったけれどね」
「何か色々巻き込んじゃって申し訳ないな」
そう。
これは俺目がけてふりかかってくる災難だった筈だ。
「今更ね、皆わかっていてここにいる。みらいも含めてね」
「みらいもなのか」
他はそれぞれ個人的に聞いている。
でもみらいは例外だと思っていた。
松戸は頷く。
「うん、実は夏の合宿よりも前に話をして、それでもいいならって協力を求めたの。笑顔であっさり同意してくれたわ。『敵として不足は無いのです』って言って」
うーん、みらいの奴。
よく考えているのか考えていないのかわからん。
でも、まあ。
「わかった。なら……でも、安全第一でな。それで委員長の友部先輩との因縁って何なんだ」
「ん、まあ大した事じゃ無いけれどね。中等部の大会は高等部みたいなチーム戦じゃなくて個人戦なんだ。それで2年前、中学部の大会の個人戦で私と友部先輩が勝ち残って決勝になった。もともと同じ里の出身だしね。手の内もよくわかっている相手だった。
それで決勝の時、私は既にその時神眼と初歩の加速術式は使えたんだけれどね。素のままの自分の実力が知りたかったからあえて術式も能力も一切試合では使わなかった。結果は相打ちで、双方準優勝扱いになったんだけどね、友部先輩は私が術式を使わなかったことを手を抜いたみたいに感じたらしい。それで友部先輩は賞を辞退した。友部先輩が辞退したならと私も賞を辞退した。それが多分引っかかっているんだと思う」
「それだけではないですよ」
背後から声がした。
みらいだ。
「起き出したら誰もいなかったのです。仲間はずれはずるいのです」
いつものみらいと同じ感じだが、微妙に目が笑っていない。
「私だけ仲間はずれの罰という訳では無いですが、この際に全部話してしまった方が楽になれるです。私はそう思うです」
「みらい、何故知っているの」
「友部っちは指揮所の常連さんなのです。私のガードをしていた事もあるです」
狭い学校、色々な人間関係があるようだ。
委員長は軽くため息をつく。
「みらい、どこまで知っているのかな」
「友部先輩は、『秀美は確かに本物の秀美だけれど、私の幼馴染の秀美じゃない』そう言っていたです」
ふと松戸が体を一瞬震わした。
彼女はその言葉だけで何かに気づいたようだ。
俺には全く見当がつかない。
「ん、ひょっとしてユーノも、ひょっとしたら美久も気づいた?」
「私も同類だからね」
「私の友達は今の秀美」
あれ、気づいていないのは俺だけか?
ひょっとしたら神眼を使えばわかるのかもしれない。
そのつもりは無いけど。
今の流れのまま、委員長の言葉を待つ。
「ん、しょうがないね。本当は春のユーノの事件の時に言っておくのが良かったんだろうけれどね、何か言い出しにくくて」
そう言って委員長はため息を一つつき、続ける。
「長い話になるけれど、いい」
俺達は無言で頷く。
「お兄がお茶会の時、自分だけマグカップを使っていた理由。あれば別にがぶ飲みするからじゃ無い。昔のお兄は取っ手が細いティーカップを持ちにくかったから。つい最近まで左手しか使えなかったから。慧眼を使うようになって右手も動かせるようになったけれどね。そして右手を失ったのは私のせい」
いきなり強烈な告白が始まった。
「まだ私が4歳でお兄が6歳の時、住んでいた里が襲われた。私とお兄は小屋の中の隠し部屋に隠れた。でも最初の襲撃は陽動で、本命は里の奥に空間移動で出現した部隊だったらしい。この事は後で聞いたんだけれども」
既に話の不穏感はMAXだが、委員長は淡々と続ける。
「突然隠し部屋の入口が開かれて、男が現れた。男は私を見つけると嫌らしい笑いを浮かべて刀を振りかぶった。振り下ろす瞬間まで見えた。私は動けなかった。
その時私はちょっと記憶を失ったらしい。気が付いた時にはお兄に抱きかかえられていた。『さっきの男はやっつけたからもう心配ないし、隠し部屋の入口も家具を移動させて塞いだからもう大丈夫だよ』。お兄の言葉に安心してそのまま眠ってしまった。お兄が何故か右手を使っていなかったことの意味に気づかなかった。まもなく襲撃は撃退して、隠し部屋から私たちは助け出された。部屋の中には私達の他に折れた剣と、その折れた剣先が喉に刺さった状態で倒れている敵の死体があったと聞いた。剣には毒が塗ってあったとも。
私は無傷で助かった。お兄はその後3日毒の後遺症で高熱で寝込んだ。次に会った時は右肩から先が無かった。それが今での、里におけるあの襲撃事件の公式見解。でも私が経験した襲撃事件は、実は違うの」
そう言って委員長はいったん息をつく。
「そう、今話したのはきっとこの世界では正しい。けれど私の体験としては正確じゃない。私が最初にこの襲撃を経験した時にはね、お兄は死んだの。私をかばって必死になって敵に立ち向かっていって、それこそ全身ボロクズのようになって」
そこで委員長はちょっと間をあける。
俺達は何も言わない。
委員長は、話を再開する。
「私はその後、何とかしてお兄を助けようと思った。幸い私のいた狸の里には使えそうな物があった。過去を見ることが出来る祠。本当は長老等が過去に失われた知識や過去の出来事を知るために使う場所。でも、うまく使えばあの時のあの場所へ行ける。あのときの私はそう思った。長老の部屋にあった本を盗み読みしたりして祠の使い方を覚えた。敵を倒すための技も覚えた。
そして事件から1年後、私は祠にある過去の扉をくぐった」
委員長はそこで、また少しだけ間をあけ、そして続ける。
「出たのはまさに、お兄が敵に立ち向かっているあの現場だった。でも違うところが一つあった。もう一人の私がいて、もう死んでいた。刀で袈裟懸けに切られて大量に出血して既に動かなくなっていた。
私の出現で気を取られた隙をついて、お兄が折れた剣先を飛ばして敵を倒した。でも剣の毒でお兄も倒れて意識を失った。私はお兄の傷口から必死に毒を吸い出した。吸い出した毒で意識がかすれていく中、私の死体が消えていくのが見えた。何が起こったかわからないまま、私も毒で気を失った」
委員長が言葉を止め、軽く一呼吸する。
「次に意識を取り戻した時、全ては悪い夢だったと思った。お兄が死んだところから私の死体が消えるところまでの全ては夢だったんだと思った。
でもその後すぐに私は気づいた。里には過去の祠は無かった。木目が見える仕上げだった筈の神社の鳥居が真っ赤だった。他にも少しずつだけど私の記憶と世界が違っていた。
一緒に遊んでいた友達も、私が私じゃないことに何となく気づいたんだと思う。仲間外れにされたわけじゃないけれど、少しずつ私から遠のいていった。1歳違いで当時仲が良かった友部先輩もその一人。あとは大人たちのうち、私の母親は気づいたかな。
それで里の皆とはなんとなく疎遠になって。小学校でここに来たとき、里から離れて一人になれてほっとしたのを憶えている。
お兄と神立先輩は、きっと全部知っている。神立先輩は祈祷師の訓練をしていて昔から他人の心を読めたし。お兄は現場にいて全部見ている筈だし。どっちも怖くて確認できないけれど。あの2人だけはずっと同じ距離で接してくれるから。
だからオリジナルの秀美は既に死んでいる。私は別の世界からの異邦人」
松戸は頷き、そして凄く軽い感じで返す。
「うーん、それだけ?」
思わずええっ!という顔をする委員長。
松戸は苦笑する。
「だってここの面子、訳ありばっかりでしょ。私はここがいくつめの世界か既にわからない状態。自分が死んだ可能性を何度もこの目で見てきたわ。綾瀬は人間どころか生物やめかけているし。みらいもまあ、言わないけど色々あるでしょ。佐貫もついでだからカミングアウトしたら?」
うっ。俺にまで話が回ってきたか。
でもこの際だ。思い切って言ってしまおう。
「ごめん、俺も実年齢は35超えてる。高校は2回目」
「ん、知っていたよ」
委員長の簡単な反応。
そうだったのか。格好悪いから必死になって隠そうとしていたのに。
がっくりだ。
「そういうわけだから秀美、今後ともよろしくね」
「同意」
「よろしくですぅ」
「という訳で、夕食の準備をしましょ」
松戸の言葉で、俺達はエアストリームに向かった。
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