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第6章 みんなで強化しよう!
37 いつも以上に気恥ずかしい相手
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さて、本日もこの時間が来てしまった。
「今日は秀美がお相手よ。優しくしてあげてね」
松戸達はそう言い残すと、水着に着替えて釣り道具も抱えて、3人で出て行った。
特訓と聞いていたけれど、遊びに行くようにしか見えないのは気のせいだろうか。
まあそっち側を気にしてもしょうがない。
問題は俺達残され組だ。
具体的には、固定ベッドに取り残された俺と委員長。
委員長とは、4人の間で一番付き合いが多い。
しかも襲撃事件の時、お互い恥ずかしい台詞を色々言ってしまっている。
なので2人と違い、俺から声をかけられない。
何か妙に気恥ずかしい。
やっぱり前の2人とは違う感じで。
「ん、ごめんね佐貫。何か変なことさせちゃって」
委員長の方から声をかけてくれた。
でも、それを言うなら……
「むしろ変なことしているのは、俺の方だろ。正直嫌じゃないか」
委員長はちょっと考えるように間を置いて、そして口を開く。
「ん、本音を言うとね。佐貫が他の子とこういう事をしているのは、ちょっと嫌かな。彼女でもないのに嫉妬ってのも余計な事だけど」
え、ちょっと待て。
その言葉はどういう意味だ。
「私が佐貫に命をもらった時の事、憶えているよね」
忘れる筈がない。最初に血を吸うきっかけになったあの事件。
「委員長が俺を助けてくれたんだろ、あの時は」
その結果委員長は死にかけた。
今でもその時感じた色々は忘れない。
「ん、それでもね。私は佐貫にだけは助かって欲しかったんだよ。私以上に」
おい待て。この場でその台詞は不味い。
委員長、ちょっと顔を赤くしている。
きっと俺も同じだろう。
委員長はそのまま、ちょっと窓の外に目をやってから口を開く。
「でもね、あの3人の気持ちもそれぞれ何となくわかるんだ。みんな佐貫に、それぞれの形で好意を持っている」
おいおいちょっと待て。
「俺にそんなモエる要素なんて無いぞ」
少なくとも俺の人生要素にモテは無かった。
委員長は頷く。
「佐貫は意識していないだろうけれどね。その意識しないという事が、普通は出来ないんだよ。皆、この学校でも特殊過ぎる子ばかりだから」
とんでもない話に、俺の思考が追いついていない。
そして委員長は更に続ける。
「あの子達の気持ちも私と同じ。だからきっと同じ位わかるんだ。皆、特殊な人だけが通っているうちの学校の中でも更に特殊だから。情報収集能力と指揮能力というこの学校の中でも特殊な能力故に特別扱のみらい。普通の人間なのに、想いと意思だけで全部超えてこの学校に辿り着いたユーノ。普通の暮らしからある日突然、特殊な世界へと迷い込んでしまった美久。皆この学校の生徒にさえ馴染めずに、浮いてしまった存在。だからその辺を一切気にしない佐貫に引き寄せられたのは必然なんだよ、きっと。事件とかが起こらなかったとしてもね」
ちょっと勘弁して下さい。
頭と感情がいっぱいいっぱいだ。
「俺はそれほどの人間じゃ無いぞ」
委員長は首を横に振る。
そのせいでベッドが少し揺れた。
「ん、逆だよ。佐貫は色々能力が増えても、きっとそのまま。相手が私達であろうと、他の女の子だろうと、きっとそのまま。それでいいんだしそれがいいんだよ。だからこれからも、そんな感じで普通に接して欲しいな。でも……」
委員長が微妙に何か、言い淀んだ。
しかも顔色が更に赤くなっている。
「ん、でも、今だけはちょっと私を見てくれると嬉しいな」
うわああっ。委員長が可愛い。
いかんいかん、でも本当に可愛い。
委員長が可愛いついでに、ちょっと前に思った事を思い出す。
うん、このチャンスに挑戦だ。
「委員長、眼鏡取ってもらっていい」
委員長は頷く。
「ん、佐貫にならいいよ。あと今だけは、秀美と呼んでくれると嬉しいな」
委員長、いや秀美は眼鏡を外してベッド横に置く。
「やっぱり伊達眼鏡だったんだ」
何となくそんな気はしていた。
秀美は頷く。
「ん、私の能力のせいでね。私と目を合わせると思っていることを読み取られる、って噂が流れた時があったの。それでみんな目を合わせてくれなくなって。なら目をあわせなくても顔を見る、そんな基準みたいなのがあれば相手が楽かなって」
そう言って秀美は俺の方を見る。
「佐貫は平気? そんな私で」
「何を今更。それに前も言ったよな。見られて傷つくより見えて傷つく方が苦しいだろうって」
「ん、だから佐貫とだと安心できる」
秀美はそう言って、ちょっと体をくっつけてきた。
「さて、そろそろお願い。今の私を吸って感じて欲しいけれど、いいかな」
間近に感じる秀美の体温。感じる女の子の香り。
やばい、俺も秀美が欲しくてたまらない。
委員長は目を閉じて、俺が吸いやすいように首を傾ける。
眼鏡を取って美人度が上がった秀美にちょっとくらくらしながら、俺は首筋に口を近づける……
◇◇◇
何となく意識が戻る。
いつもと違う感覚。
そうだ、ここはエアストリームのベッドだった。
そして更にいつもと違う感触。
何か温かい柔らかいものが、俺の腕にくっついている。
まさか。
薄目で見てみると間違いない。委員長だ。
委員長が俺の左腕を抱き寄せて寝ている。
左腕に感じる温かさと柔らかい感触。思い切り胸の感触だな、これは。
しかも委員長、俺の左腕を左腕で掴んでうつ伏せで寝ていやがる。
手を抜こうとしても動かない。
下手に引っ張れば委員長ごと動きそうだ。
これでは手を外せない。
俺は悶々としつつも、必死に耐える。
その我慢大会は体感時間で1時間。
委員長が気づいて、慌てて腕を戻すまで続いたのだった……
「今日は秀美がお相手よ。優しくしてあげてね」
松戸達はそう言い残すと、水着に着替えて釣り道具も抱えて、3人で出て行った。
特訓と聞いていたけれど、遊びに行くようにしか見えないのは気のせいだろうか。
まあそっち側を気にしてもしょうがない。
問題は俺達残され組だ。
具体的には、固定ベッドに取り残された俺と委員長。
委員長とは、4人の間で一番付き合いが多い。
しかも襲撃事件の時、お互い恥ずかしい台詞を色々言ってしまっている。
なので2人と違い、俺から声をかけられない。
何か妙に気恥ずかしい。
やっぱり前の2人とは違う感じで。
「ん、ごめんね佐貫。何か変なことさせちゃって」
委員長の方から声をかけてくれた。
でも、それを言うなら……
「むしろ変なことしているのは、俺の方だろ。正直嫌じゃないか」
委員長はちょっと考えるように間を置いて、そして口を開く。
「ん、本音を言うとね。佐貫が他の子とこういう事をしているのは、ちょっと嫌かな。彼女でもないのに嫉妬ってのも余計な事だけど」
え、ちょっと待て。
その言葉はどういう意味だ。
「私が佐貫に命をもらった時の事、憶えているよね」
忘れる筈がない。最初に血を吸うきっかけになったあの事件。
「委員長が俺を助けてくれたんだろ、あの時は」
その結果委員長は死にかけた。
今でもその時感じた色々は忘れない。
「ん、それでもね。私は佐貫にだけは助かって欲しかったんだよ。私以上に」
おい待て。この場でその台詞は不味い。
委員長、ちょっと顔を赤くしている。
きっと俺も同じだろう。
委員長はそのまま、ちょっと窓の外に目をやってから口を開く。
「でもね、あの3人の気持ちもそれぞれ何となくわかるんだ。みんな佐貫に、それぞれの形で好意を持っている」
おいおいちょっと待て。
「俺にそんなモエる要素なんて無いぞ」
少なくとも俺の人生要素にモテは無かった。
委員長は頷く。
「佐貫は意識していないだろうけれどね。その意識しないという事が、普通は出来ないんだよ。皆、この学校でも特殊過ぎる子ばかりだから」
とんでもない話に、俺の思考が追いついていない。
そして委員長は更に続ける。
「あの子達の気持ちも私と同じ。だからきっと同じ位わかるんだ。皆、特殊な人だけが通っているうちの学校の中でも更に特殊だから。情報収集能力と指揮能力というこの学校の中でも特殊な能力故に特別扱のみらい。普通の人間なのに、想いと意思だけで全部超えてこの学校に辿り着いたユーノ。普通の暮らしからある日突然、特殊な世界へと迷い込んでしまった美久。皆この学校の生徒にさえ馴染めずに、浮いてしまった存在。だからその辺を一切気にしない佐貫に引き寄せられたのは必然なんだよ、きっと。事件とかが起こらなかったとしてもね」
ちょっと勘弁して下さい。
頭と感情がいっぱいいっぱいだ。
「俺はそれほどの人間じゃ無いぞ」
委員長は首を横に振る。
そのせいでベッドが少し揺れた。
「ん、逆だよ。佐貫は色々能力が増えても、きっとそのまま。相手が私達であろうと、他の女の子だろうと、きっとそのまま。それでいいんだしそれがいいんだよ。だからこれからも、そんな感じで普通に接して欲しいな。でも……」
委員長が微妙に何か、言い淀んだ。
しかも顔色が更に赤くなっている。
「ん、でも、今だけはちょっと私を見てくれると嬉しいな」
うわああっ。委員長が可愛い。
いかんいかん、でも本当に可愛い。
委員長が可愛いついでに、ちょっと前に思った事を思い出す。
うん、このチャンスに挑戦だ。
「委員長、眼鏡取ってもらっていい」
委員長は頷く。
「ん、佐貫にならいいよ。あと今だけは、秀美と呼んでくれると嬉しいな」
委員長、いや秀美は眼鏡を外してベッド横に置く。
「やっぱり伊達眼鏡だったんだ」
何となくそんな気はしていた。
秀美は頷く。
「ん、私の能力のせいでね。私と目を合わせると思っていることを読み取られる、って噂が流れた時があったの。それでみんな目を合わせてくれなくなって。なら目をあわせなくても顔を見る、そんな基準みたいなのがあれば相手が楽かなって」
そう言って秀美は俺の方を見る。
「佐貫は平気? そんな私で」
「何を今更。それに前も言ったよな。見られて傷つくより見えて傷つく方が苦しいだろうって」
「ん、だから佐貫とだと安心できる」
秀美はそう言って、ちょっと体をくっつけてきた。
「さて、そろそろお願い。今の私を吸って感じて欲しいけれど、いいかな」
間近に感じる秀美の体温。感じる女の子の香り。
やばい、俺も秀美が欲しくてたまらない。
委員長は目を閉じて、俺が吸いやすいように首を傾ける。
眼鏡を取って美人度が上がった秀美にちょっとくらくらしながら、俺は首筋に口を近づける……
◇◇◇
何となく意識が戻る。
いつもと違う感覚。
そうだ、ここはエアストリームのベッドだった。
そして更にいつもと違う感触。
何か温かい柔らかいものが、俺の腕にくっついている。
まさか。
薄目で見てみると間違いない。委員長だ。
委員長が俺の左腕を抱き寄せて寝ている。
左腕に感じる温かさと柔らかい感触。思い切り胸の感触だな、これは。
しかも委員長、俺の左腕を左腕で掴んでうつ伏せで寝ていやがる。
手を抜こうとしても動かない。
下手に引っ張れば委員長ごと動きそうだ。
これでは手を外せない。
俺は悶々としつつも、必死に耐える。
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