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第1章 高校生活は暗闇で
10 シスコン兄貴のお詫びの品
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なるほど。
さっきまでの訓練は強化なしの、普通の状態の体力でやっているという事か。
恐るべし、委員長。
でも同時に、納得をしている俺自身がいる。
委員長に色々付き合わされて、何となく理解した。
こいつは恐ろしい程に、くそ真面目だ。
俺だけで無く、自分自身にも妥協を許さない。
今日の訓練も、きっと特殊なものではないのだろう。
委員長にとっては、ごく普通の日課。
俺にとっては地獄だったけれども。
だからきっと今の俺と委員長の実力差は、先程彼女がさらっと言ったとおりの原因。
積み重ねた時間の差、それだけだ。
元ヒキニートから見ればまぶしいなと感じる、本当に。
少しでも追いつく為にも、もう少し色々聞いてみよう。
「そういう特殊能力を訓練するのって、どうすればいいんだ」
彼女は少し考えるような素振りをした後、口を開く。
「ん、一概には言えないな。私みたいな種族的な特殊能力なら、普通に体力や他の技術を訓練しているうちに自然に身につくけれどね。佐貫君の場合は、相当な訓練か何かのきっかけが必要だ、って言っていたからなあ。強いて言えば死にかける位の体験をすれば、何か起こるかもしれないけれど」
今日の訓練で十分死にかけた気がするのだけれど。
なんて事は勿論言わない。
「なら当分は、この調子で訓練して様子を見るしか無いか」
あ、失言。この調子で訓練したら死ぬかも、俺。
「ん、そうだね」
しかも委員長に肯定されてしまった。
まずい。
そして委員長は更に、少し小声でつぶやくように言う。
「ん、でも出来れば3ヶ月以内には、ある程度物にしたいかな」
何だろう。
「3ヶ月というのは?」
「最初の暴走車の到着時刻、私の能力で視た限りは、だけど」
そう言えば柿岡先輩にもそんな事を言っていたな。
そんな事を思い出す。
「3ヶ月後に何があるのか、委員長はわかるのか?」
「ん、そこまではまだ、私の能力ではわからない」
委員長はまずそう言って、そして続ける。
「ただきっと、今までこの学校を襲撃してきたのと同じ感じだろうと思う。この学校はちょくちょく襲撃を受けているから。ここ3年は割と平和だったけれど」
何かきな臭い話が出てきた。
「襲撃って、何処が、何故、襲ってくるんだ?」
「ん、多いのは一神教系の狂信者的な団体かな。十字軍時代の騎士団や修道会の後継を自認する、なんて感じの連中。その辺から見ると妖怪とか亜人って悪魔扱いだからね。神の名の下、存在を許さないなんて考えているみたい」
なるほど。
「でも何で佐貫君が狙われるのかは、わからないけれどね。だから今言ったのは、あくまで参考。それじゃそろそろ帰ろう。そろそろいい時間だし。ところで佐貫君は何処の男子寮?」
「エステート20号棟の301」
名前が寮らしくないのは、古い公団住宅らしき建物を寮として使っているから。
場所はここから南側へ300m位行ったところ、3階の端の部屋だ。
「ん、なら私と逆だね。私は北にあるディア中央公園だから。それじゃ私はこのまま走って帰るから。また、明日」
委員長は小さく手を振って、そのままの速度でグラウンドを北側に向かって走って行った
さて、委員長と別れたから、ランニングは終了だ。
そう思って立ち止まった途端、俺は気がついた。
思った以上に全身に疲れが来ている。
足も腕も鉛のように重くて、動かない。
しまったと思ったが、どうしようもない。
取り敢えず部屋に帰らないと休めない。
だから言う事を聞かない足を持ち上げ、前に運びと、だましだまし動かして、何とか進む。
さいわい寮はそう遠くない。
ふらふら、ゆっくり歩いても、10分歩けば建物が見える。
何とか階段前までたどり着いた。
しかし部屋は3階、そしてエレベーターはない。
だから階段を、残りの力を振り絞って一歩ずつのぼる。
踊り場で一休み、そして2階へ、そして2階と3階の間の踊り場へ。
踊り場を曲がりかけたところで、俺の部屋の前に誰か立っているのが見えた。
その縦横厚みともにでっかい姿に見覚えがある。
俺のこの特訓の原因を作った元凶だ。
「すまない、転入1日目から」
柿岡先輩は俺を見ると、そう言って頭を下げた。
俺の身に何が起こったか、わかっているようだ。
「いや、流石にきつかったです」
何なんですか貴方の妹分は、とは言わない。
言いたいけれど。
「それも含めて色々申し訳ない。いやね、正直やり過ぎたとは反省しているんだ」
それを聞いてふと俺は気づく。
柿岡先輩は此処で、わざわざ俺の事を待っていたのだという事に。
今日の事を謝る為に。
そう思うとちょっと印象が変わる。
「気にしないで下さい。大丈夫ですから」
「大丈夫でも無いだろう。ちょっと待ってくれ」
彼の背中から何かが瞬いた気配。
その直後、俺は自分の変化に気づいた。
何か体が無茶苦茶軽くなったのだ。
「少しだけだが疲労をとり除いておいた。あとこれは、今日のおわびという事で受け取って欲しい」
紙袋を半ば強引に渡された。
北海道土産とか書いてあるけれど,何だろう。
「大した物じゃ無いから気にしないでくれ。今この時間に空いているそれらしい店は、北海道千歳空港の売店くらいしか思い浮かばなかったんだ。あそこは朝6時45分開店だから」
此処は東京の多摩だ。
間違っても、千歳空港にすんなり行けるような場所では無い。
ならこの人は瞬間移動能力持ちか。
というのはともかくとして、この紙袋はどうしよう。
「よして下さい。そんな」
「いや、秀美の事で今後とも迷惑をかけると思うしさ。あいつはまあ、ああいう奴だし」
どういう意味かはよくわかる。
そして別の事にも気づく。
この人、きっとシスコンだ。
ああいう態度を取っている癖に、妹分の行動が気になって仕方無いのだろう。
ここへ来た理由も、きっとそれがメインだ。
「もし耐えられそうになかったら僕に苦情を言ってくれ。何とかするから」
「大丈夫ですよ。委員長はいい奴ですから」
「すまない。でもまあ、よろしく頼む」
柿岡先輩はそう言ってまた頭を下げ、そうしてようやく帰って行った。
というかその場から姿を消した。
やはり瞬間移動能力持ちのようだ。
何とか部屋の前まで到着した。
俺は震える手で、何とか部屋の鍵を開ける。
中へ入り、後ろ手で鍵を閉め、靴を脱ぎ、そのままよろよろ歩いてベッドに倒れ込む。
服は汚れているが、着替えたりシャワーを浴びる気力は残っていない。
あとで起きたら何とかしよう。
ふと気になったので、先輩からもらった紙袋の中を確認する。
中に入っていたお詫びの品とは、『マ●セイバターサンド』だった。
なるほど、いかにもデブセレクトな逸品だ。
それだけ確認して、そして俺の意識は薄れていく……
さっきまでの訓練は強化なしの、普通の状態の体力でやっているという事か。
恐るべし、委員長。
でも同時に、納得をしている俺自身がいる。
委員長に色々付き合わされて、何となく理解した。
こいつは恐ろしい程に、くそ真面目だ。
俺だけで無く、自分自身にも妥協を許さない。
今日の訓練も、きっと特殊なものではないのだろう。
委員長にとっては、ごく普通の日課。
俺にとっては地獄だったけれども。
だからきっと今の俺と委員長の実力差は、先程彼女がさらっと言ったとおりの原因。
積み重ねた時間の差、それだけだ。
元ヒキニートから見ればまぶしいなと感じる、本当に。
少しでも追いつく為にも、もう少し色々聞いてみよう。
「そういう特殊能力を訓練するのって、どうすればいいんだ」
彼女は少し考えるような素振りをした後、口を開く。
「ん、一概には言えないな。私みたいな種族的な特殊能力なら、普通に体力や他の技術を訓練しているうちに自然に身につくけれどね。佐貫君の場合は、相当な訓練か何かのきっかけが必要だ、って言っていたからなあ。強いて言えば死にかける位の体験をすれば、何か起こるかもしれないけれど」
今日の訓練で十分死にかけた気がするのだけれど。
なんて事は勿論言わない。
「なら当分は、この調子で訓練して様子を見るしか無いか」
あ、失言。この調子で訓練したら死ぬかも、俺。
「ん、そうだね」
しかも委員長に肯定されてしまった。
まずい。
そして委員長は更に、少し小声でつぶやくように言う。
「ん、でも出来れば3ヶ月以内には、ある程度物にしたいかな」
何だろう。
「3ヶ月というのは?」
「最初の暴走車の到着時刻、私の能力で視た限りは、だけど」
そう言えば柿岡先輩にもそんな事を言っていたな。
そんな事を思い出す。
「3ヶ月後に何があるのか、委員長はわかるのか?」
「ん、そこまではまだ、私の能力ではわからない」
委員長はまずそう言って、そして続ける。
「ただきっと、今までこの学校を襲撃してきたのと同じ感じだろうと思う。この学校はちょくちょく襲撃を受けているから。ここ3年は割と平和だったけれど」
何かきな臭い話が出てきた。
「襲撃って、何処が、何故、襲ってくるんだ?」
「ん、多いのは一神教系の狂信者的な団体かな。十字軍時代の騎士団や修道会の後継を自認する、なんて感じの連中。その辺から見ると妖怪とか亜人って悪魔扱いだからね。神の名の下、存在を許さないなんて考えているみたい」
なるほど。
「でも何で佐貫君が狙われるのかは、わからないけれどね。だから今言ったのは、あくまで参考。それじゃそろそろ帰ろう。そろそろいい時間だし。ところで佐貫君は何処の男子寮?」
「エステート20号棟の301」
名前が寮らしくないのは、古い公団住宅らしき建物を寮として使っているから。
場所はここから南側へ300m位行ったところ、3階の端の部屋だ。
「ん、なら私と逆だね。私は北にあるディア中央公園だから。それじゃ私はこのまま走って帰るから。また、明日」
委員長は小さく手を振って、そのままの速度でグラウンドを北側に向かって走って行った
さて、委員長と別れたから、ランニングは終了だ。
そう思って立ち止まった途端、俺は気がついた。
思った以上に全身に疲れが来ている。
足も腕も鉛のように重くて、動かない。
しまったと思ったが、どうしようもない。
取り敢えず部屋に帰らないと休めない。
だから言う事を聞かない足を持ち上げ、前に運びと、だましだまし動かして、何とか進む。
さいわい寮はそう遠くない。
ふらふら、ゆっくり歩いても、10分歩けば建物が見える。
何とか階段前までたどり着いた。
しかし部屋は3階、そしてエレベーターはない。
だから階段を、残りの力を振り絞って一歩ずつのぼる。
踊り場で一休み、そして2階へ、そして2階と3階の間の踊り場へ。
踊り場を曲がりかけたところで、俺の部屋の前に誰か立っているのが見えた。
その縦横厚みともにでっかい姿に見覚えがある。
俺のこの特訓の原因を作った元凶だ。
「すまない、転入1日目から」
柿岡先輩は俺を見ると、そう言って頭を下げた。
俺の身に何が起こったか、わかっているようだ。
「いや、流石にきつかったです」
何なんですか貴方の妹分は、とは言わない。
言いたいけれど。
「それも含めて色々申し訳ない。いやね、正直やり過ぎたとは反省しているんだ」
それを聞いてふと俺は気づく。
柿岡先輩は此処で、わざわざ俺の事を待っていたのだという事に。
今日の事を謝る為に。
そう思うとちょっと印象が変わる。
「気にしないで下さい。大丈夫ですから」
「大丈夫でも無いだろう。ちょっと待ってくれ」
彼の背中から何かが瞬いた気配。
その直後、俺は自分の変化に気づいた。
何か体が無茶苦茶軽くなったのだ。
「少しだけだが疲労をとり除いておいた。あとこれは、今日のおわびという事で受け取って欲しい」
紙袋を半ば強引に渡された。
北海道土産とか書いてあるけれど,何だろう。
「大した物じゃ無いから気にしないでくれ。今この時間に空いているそれらしい店は、北海道千歳空港の売店くらいしか思い浮かばなかったんだ。あそこは朝6時45分開店だから」
此処は東京の多摩だ。
間違っても、千歳空港にすんなり行けるような場所では無い。
ならこの人は瞬間移動能力持ちか。
というのはともかくとして、この紙袋はどうしよう。
「よして下さい。そんな」
「いや、秀美の事で今後とも迷惑をかけると思うしさ。あいつはまあ、ああいう奴だし」
どういう意味かはよくわかる。
そして別の事にも気づく。
この人、きっとシスコンだ。
ああいう態度を取っている癖に、妹分の行動が気になって仕方無いのだろう。
ここへ来た理由も、きっとそれがメインだ。
「もし耐えられそうになかったら僕に苦情を言ってくれ。何とかするから」
「大丈夫ですよ。委員長はいい奴ですから」
「すまない。でもまあ、よろしく頼む」
柿岡先輩はそう言ってまた頭を下げ、そうしてようやく帰って行った。
というかその場から姿を消した。
やはり瞬間移動能力持ちのようだ。
何とか部屋の前まで到着した。
俺は震える手で、何とか部屋の鍵を開ける。
中へ入り、後ろ手で鍵を閉め、靴を脱ぎ、そのままよろよろ歩いてベッドに倒れ込む。
服は汚れているが、着替えたりシャワーを浴びる気力は残っていない。
あとで起きたら何とかしよう。
ふと気になったので、先輩からもらった紙袋の中を確認する。
中に入っていたお詫びの品とは、『マ●セイバターサンド』だった。
なるほど、いかにもデブセレクトな逸品だ。
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