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3章
街の外へ
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「さて!授業も終わったし、さっさと行こうぜ!!」
授業が終わったと同時に、エドは立ち上がりながら俺に話しかけてくる
そんなに行きたかったのだろうか、いや、俺も多少は楽しみにしていたけどさ。
「まあ落ち着けって。門の前に集合だったよな?」
「そうだぜ!だから早く行こうぜ!」
「そんな焦らすなって・・・」
俺達は装備を整える。
俺の装備はいわゆる軽装備といわれるやつだ。
あまり重いと動きが悪くなるので重い装備はしたくない。
エドも俺と同じような装備だ。
さて、準備も終わったし、門へ向かいますかね。
☆☆☆
門の前で待っていると、一番最初に来たのはアリスとパステルだった。
アリスは足元まである長いローブを身に着けており、
碧く煌めく大きな石が付けられている杖を持っている。
不思議とローブに視線が引き寄せられる、なにか特別な素材でできているのだろうか。
(あれは恐らく水龍の皮で出来ているわね)
(そうなのか?)
(えぇ、感じたことのある魔力だから間違いないわ)
シルヴィがローブの素材を教えてくれた。
水龍というのは、Aランクの魔物でとある森にある聖なる泉に住んでいる。
普段はこちらから仕掛けなければ何もしてこないのだが、産卵期に入ると暴れまわる習性がある。
なので、産卵期に限りSランクに指定される非常に危険な魔物だ。
水龍というだけあって、素材は水属性の魔力との親和性が非常に高い。
その水龍の皮を使っているのだ、魔法が発動しやすいなどの効果があるのかな?
「アリスさん、そのローブは高ランクの魔物の素材でできてます?」
「そうです、これは水龍の皮からできているの。中には鱗も仕込まれているから防御も問題ないわ」
「水龍!さすが王女様ですね・・・」
エドがアリスに尋ねているが、なるほど、やはり水龍の皮だったか。
それに中に鱗も仕込まれているのか。
水龍の鱗はランクに見合った硬さを誇っており、普通の攻撃ではダメージにはならないだろう。
まあ、それより俺が気になっているのはパステルの格好だ。
なぜなら・・・。
「なあ、なんでメイド服なんだ・・・?」
「これが私の正装だ」
「正装って・・・」
そう、メイド服なのだ。
どこからどう見てもメイド服で、他に防具を付けている様子もない。
それどころか武器すらどこにあるのかわからない。
「いや、正装なのは本当だ。ただこれは普通のメイド服などではなく、タイラント・スパイダーの糸で編まれた戦闘用の衣装なんだよ」
タイラント・スパイダーというのは非常に大きな蜘蛛の魔物で、ランクはBだ。
コイツが出す糸というのは非常に頑丈で、それを使って編まれた服というのは、
衝撃を受けると、瞬間的に鉄よりも固くなる。
それでいて、普段は非常に滑らかな肌触りなのだ。
「なるほど、それなら納得だ。だけどパステル、武器はどうした?」
「武器なら・・・ほら」
突然スカートをまくったかと思うと、両足にはナイフが1本ずつついていた。
「これだけではない、ほら」
と、言うとパステルは何本ものナイフを取り出した。
ふむ、パステルは斥候に近い立ち回りになるのか・・・。
アリスは遠距離支援だし・・・あれ、このパーティ結構バランス良い?
と、話しているとリリーが来た。
リリーも俺達と同じ軽装備で、腰には以前にあげたアクアウィップを付けている。
「お、お待たせしました~・・・」
「リリー、遅かったな。どうした?」
「どうしたもこうしたも、エド君一緒に行こうって話したのに・・・」
そんな話をしていたのか。
俺はエドの顔を見ると、明らかにやっちまった・・・みたいな顔をしていた。
「わ、悪い!つい楽しみで・・・」
「全く・・・、次は嫌だからね?」
「あぁ、ホント悪い・・・」
あんまり気が強いわけではないリリーがはっきりとエドに文句を言っている。
これが彼氏とそうじゃない人との差なのだろうか。
そんなことを考えていると、カーティスも続いてやってきた。
カーティスの格好は、冒険者というよりかは騎士に近い格好だ。
ショートソードに片手盾、そして鎧を身に着けている。
「あ、待たせちゃった?」
「いや、大丈夫だ。全員そろったし、そろそろ向かいますか」
俺達は門をくぐり、街の外で向かっていく・・・
授業が終わったと同時に、エドは立ち上がりながら俺に話しかけてくる
そんなに行きたかったのだろうか、いや、俺も多少は楽しみにしていたけどさ。
「まあ落ち着けって。門の前に集合だったよな?」
「そうだぜ!だから早く行こうぜ!」
「そんな焦らすなって・・・」
俺達は装備を整える。
俺の装備はいわゆる軽装備といわれるやつだ。
あまり重いと動きが悪くなるので重い装備はしたくない。
エドも俺と同じような装備だ。
さて、準備も終わったし、門へ向かいますかね。
☆☆☆
門の前で待っていると、一番最初に来たのはアリスとパステルだった。
アリスは足元まである長いローブを身に着けており、
碧く煌めく大きな石が付けられている杖を持っている。
不思議とローブに視線が引き寄せられる、なにか特別な素材でできているのだろうか。
(あれは恐らく水龍の皮で出来ているわね)
(そうなのか?)
(えぇ、感じたことのある魔力だから間違いないわ)
シルヴィがローブの素材を教えてくれた。
水龍というのは、Aランクの魔物でとある森にある聖なる泉に住んでいる。
普段はこちらから仕掛けなければ何もしてこないのだが、産卵期に入ると暴れまわる習性がある。
なので、産卵期に限りSランクに指定される非常に危険な魔物だ。
水龍というだけあって、素材は水属性の魔力との親和性が非常に高い。
その水龍の皮を使っているのだ、魔法が発動しやすいなどの効果があるのかな?
「アリスさん、そのローブは高ランクの魔物の素材でできてます?」
「そうです、これは水龍の皮からできているの。中には鱗も仕込まれているから防御も問題ないわ」
「水龍!さすが王女様ですね・・・」
エドがアリスに尋ねているが、なるほど、やはり水龍の皮だったか。
それに中に鱗も仕込まれているのか。
水龍の鱗はランクに見合った硬さを誇っており、普通の攻撃ではダメージにはならないだろう。
まあ、それより俺が気になっているのはパステルの格好だ。
なぜなら・・・。
「なあ、なんでメイド服なんだ・・・?」
「これが私の正装だ」
「正装って・・・」
そう、メイド服なのだ。
どこからどう見てもメイド服で、他に防具を付けている様子もない。
それどころか武器すらどこにあるのかわからない。
「いや、正装なのは本当だ。ただこれは普通のメイド服などではなく、タイラント・スパイダーの糸で編まれた戦闘用の衣装なんだよ」
タイラント・スパイダーというのは非常に大きな蜘蛛の魔物で、ランクはBだ。
コイツが出す糸というのは非常に頑丈で、それを使って編まれた服というのは、
衝撃を受けると、瞬間的に鉄よりも固くなる。
それでいて、普段は非常に滑らかな肌触りなのだ。
「なるほど、それなら納得だ。だけどパステル、武器はどうした?」
「武器なら・・・ほら」
突然スカートをまくったかと思うと、両足にはナイフが1本ずつついていた。
「これだけではない、ほら」
と、言うとパステルは何本ものナイフを取り出した。
ふむ、パステルは斥候に近い立ち回りになるのか・・・。
アリスは遠距離支援だし・・・あれ、このパーティ結構バランス良い?
と、話しているとリリーが来た。
リリーも俺達と同じ軽装備で、腰には以前にあげたアクアウィップを付けている。
「お、お待たせしました~・・・」
「リリー、遅かったな。どうした?」
「どうしたもこうしたも、エド君一緒に行こうって話したのに・・・」
そんな話をしていたのか。
俺はエドの顔を見ると、明らかにやっちまった・・・みたいな顔をしていた。
「わ、悪い!つい楽しみで・・・」
「全く・・・、次は嫌だからね?」
「あぁ、ホント悪い・・・」
あんまり気が強いわけではないリリーがはっきりとエドに文句を言っている。
これが彼氏とそうじゃない人との差なのだろうか。
そんなことを考えていると、カーティスも続いてやってきた。
カーティスの格好は、冒険者というよりかは騎士に近い格好だ。
ショートソードに片手盾、そして鎧を身に着けている。
「あ、待たせちゃった?」
「いや、大丈夫だ。全員そろったし、そろそろ向かいますか」
俺達は門をくぐり、街の外で向かっていく・・・
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