裏切られた人生に

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第2章

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 エトムントに言われたトレーニングをこなすこと1ヶ月、ついに魔法の授業が始まった。

(やっぱり今回もこの人だよな)

 ラウルの前に立っていたのは、白髭をたっぷりと生やし大きなローブを纏った60代くらいの初老だった。

「初めまして。ラウル=ベッケラートといいます。これからよろしくお願いします」

 ラウルが頭を下げ挨拶すると、その初老はラウルをじっと見ていた。

「あぁ。儂はハインツ=ウェーバーだ。・・・・・・・・君闇属性も使えるだろ。どうして2属性と周りに伝えている」

(会ってすぐ俺が3属性だと気づくのか。流石元宮廷魔法師団長だな。今思えば俺に教えている人全員豪華すぎないか?お父様の人脈広すぎだろ・・・・・・」

「単純に注目されたくないからです」

 ハインツは深く息をついてラウルへと問うた。

「まぁいい。儂は君の父上のために黙っておくとしよう。その代わり闇属性についての魔法を教えることができないがいいな?」

「お心遣いありがとうございます。大丈夫です」 

 ハインツは軽く頷いてから手の上に水の球体を浮かべた。
 
「じゃあまずは水属性の下位魔法からだ。体の中の魔力を感じ取って手のひらに水の球体を浮かべるんだ」

 ラウルはそう言われて手を出しすっと水の球体を浮かべた。

(あれ?最初って普通は魔力を体内に循環させることから行った気がするんだが・・・・・・・・)


「・・・・・君はすでに魔法の仕組みを理解しているようだ。魔法の操作に慣れていないと完璧な球体は作れないからな。」

「あの・・・・・・・どうして最初の訓練である体内の魔力循環を飛ばしたのですか?」

「儂は魔力感知がつかえて、その者の魔力の循環を見ることができる。魔力を常に全身満たそうと思うと大体5年はかかるが、君は最初からすでに体内を魔力で満たしていたからな。もう魔法くらい操作できるだろうと思って」

(魔力探知が使えるなんて初めて聞いた。だから前の時も毎回魔力切れが起こる寸前まで訓練させられてたのか。そのおかげで魔力は桁違いに増えたけど) 

 するとハインツはラウルが浮かべた球体を覗き込んだ。

「だが、魔法の細かい操作が苦手なようだ。その球体の中に少し気泡が混じっているのが見えるか?」

 そう言われてラウルは浮かべた球体を見てみると気泡が少し入っていることに気がついた。
 
「はい。見えます」

(スペンサーと違って、元々細かい魔力操作苦手なんだよな)

「しばらくの目標は気泡を1つも作らずに球体を作ることだ。それができれば他の細かい魔法操作もできるようになる」

(1番得意だった闇魔法を使わないためにも、水と雷の両方を極めないといけない・・・・・・・・前に魔法学校を5番以内に卒業できたのも闇魔法のおかげだし。はぁ。地道に頑張るか)

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