裏切られた人生に

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第2章

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 トレーニングや勉強を日々こなしているうちに1週間が経ち、魔力検査の日が訪れた。  

「坊ちゃんおはようございます。本日魔力検査の日でございますが準備は整いましたでしょうか?お父様が下でお待ちになられております」

「わかった。すぐに行く」

 フリードリッヒが下で待っていると聞いてすぐに部屋を飛び出し、階段を駆け降りる。

「お父様おはようございます。どうかされましたか?」

「あぁおはよう。今日の魔力検査には私も一緒に行く」

「あ、そうなんですね。・・・・・・よろしくお願いします」

(そういえば前のときも一緒に魔力検査に行ったか)

 そう言って2人は屋敷を出てから馬車に乗り込んだ。 




 馬車に揺られながら何の話もない空間にラウルは心苦しく、ずっと外の景色をみていた。

(気まずい・・・・・・・・前もそんなにお父様と話したことなかったら何を話せばいいのか・・・・・・・)   

 するとその沈黙を最初に破ったのはフリードリッヒだった。

「・・・・・冒険者になって何かしたいことなどは見つけたのか?」

「え?あ・・・・・はい。この前の食事の時にも言ったんですけど、外のいろんな景色や食事、そこに住む人々の文化などを実際に見て知りたいし、そこで色々なことに挑戦をして毎日が自分の成長になれば良いなって思ったんです」


「そうか。・・・・・・お前はとても5歳だとは思えない考え方をするんだな」  

それを聞いてラウルはぎくっとする

(そりゃ元々の年齢25歳だからな。言えるはずないけど・・・・・・・
 5歳って普段どんなこと喋ってたっけ?俺が前に子供達に魔法を教えていたときも大体8歳以上だったしな)

「あはは・・・・お父様やお母様の教えのおかげです」

「そうか。・・・・・あまり無理はするな」

「はい。ありがとうございます」

 そう言ってラウルはまた外の景色を眺めていると、馬車が止まった。

「フリードリッヒ様、ラウル様教会に到着致しました」

「あぁ。ご苦労」

 馬車の扉が開けられたので、足を踏み外さないように降りていく。

(あぁーーっ。お尻も空気も苦しかった)


 馬車から降りたフリードリッヒはそのまま教会へと入っていくので、それに続いてラウルも急いで後に続く。



♦︎




「ここで呼ばれるまでしばらくお待ち下さい」

 教会の案内人がそう言うとどこかへ歩いていった。

(前も魔力検査したとはいえやっぱり緊張するなぁ。どうせ何も変わらないとは思うが。俺が本当の5歳の頃、闇魔法属性って聞いてひどく落ち込んだものだ。闇魔法は使える人が限りなく少ないし、使えてもあまり良いイメージはないからな。
 だから俺も緊急時以外は他の属性魔法を使うように気をつけていた。まあ結局最後は闇魔法を使用したせいであんなことになってしまったけど・・・・・・)
 


 ラウルは椅子に腰掛けると、同じ年齢をした子供たちが全員ラウルに視線を向けていることに気がついた。

(なんだ?俺の顔になにかついているのか?それとも、ベッケラート家の長男だからみんな気になっているのか?)


 そうやって困惑していると、静かな声で名前を呼ばれた。





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