怪異観察奇録第4結社

怪 No.016 「番人オヌ・オコンガ」怪 No.017 「錐生命体モ=ンドゥアボ」

未知

それは時に、我々の想像を嘲る。







私は学者です。
ただ、私は自分の目で今見ているものを論理的に説明する術を持ちません。
頂点を下に向けたピラミッドが、私の目の前でコマのように回転しているのです。
回転することで姿勢を安定させているとでも言うのでしょうか。
その立ちはだかる異質に呆然としていると、人影が見えました。

この摩訶不思議な建造物の前に男が立っているのです。

私は声をかけてみました。すると彼はこの奇観を守護している番人

番人オヌ・オコンガと名乗りました。

私が学者であることを彼に伝えると、この建物に入って中を調べても良いと言ってくれました。
回転する建物にどう入るのですかと訊ねると
「地下に中へ通じる通路がある。番人オヌ・オコンガとはその通路を守るものだ」と教えてくれました。

彼に案内され地下へ降ると、扉がありました。
その扉から中へ入ると、何か妙なんです。

これは建造物であるはずなのに、中が生き物の体内のように見えます。

奥へと連れていかれました。

そこはドロドロとした液体で満たされています。

皮膚が溶けてしまいました。



どうやら、これは胃液です。

愚かにも、その時私は気付きました。







「私は、食べられたんだ」と。