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一部 6話 予てより知る風は桜舞う
6ー3 不思議なクシャミは嵐の前触れ
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流石に何事かと気になったので、私はことをその場に残し、なるちゃんと洋太のところまでいってみた。
「洋太くん2位?」
土屋さんと水長さんの予想は外れ、話を聞いて少し期待が膨らんでいたなるちゃん も順位が2位だったと言うことに驚いたようだった。
すると洋太はムッとしたように
「なんだよ、2位じゃ悪いのかよ」
と反論する。 その様子になるちゃんは慌てて
「そんなこと言ってないじゃない。
ただ、てっきり1位かなと予想しててたから...」
と付け加える。
まぁ私としては1位だろうが2位だろうがすごいことだし
私の問題じゃないからどっちでもいいんだけど...周りはそう言うわけじゃないらしい。
そんな様子を見て、洋太はめんどくさそうに答える
「そんな世の中うまくいかないって。 俺よりできるやついても、おかしくないだろ?」
と告げる。
土屋さんは洋太の順位をみると興味が失せたのが他の人のところへ移動してしまう。
私は土屋さんの方に視線を追うことなく、洋太に声をかける。
「まぁ、向上心はあったほうがいいけど、本人が満足してるなら。
でもあんまり気を抜き過ぎてたら、成績どんどん下がるから気をつけなよ」
「そのセリフは、下の成績の私たちの言うことじゃないわよ。」
なるちゃんにそう指摘される。
確かに私にこのセリフを言うのはあまりにも違和感がある。
でも、私には言うことができるのである。
「これお兄ちゃんの受け売り。いつも洋太にそう言ってるから。ねえ?」
満面の笑みで洋太に向かってそう伝えた。
うちのお兄ちゃんは洋太の家庭教師を無償で買って出ている。 私の言うことは聞けなくても、お兄ちゃんの言葉として発することができるのだ。
「うわ...先輩出してプレッシャーかけるとか、ないわ。」
流石の洋太も頭を抱える...と言うか、少し引かれたかもしれない。
でも、気に触るようなことは言ってない。
順位の話はしてない、向上心を忘れるなと言ってるだけ、私なりに心配してるのだから。
「でも、そうなると1位って誰なのかしらね、もう噂聞いてからてっきり洋太くん だと決めつけてたから」
「さぁ...別に順位とか興味ないしなぁ...」
洋太がそう言った直後、
「あゆすごい!」
と言う土屋さんの声が聞こえてきた。
あゆと呼ばれた女の子は「それほどでも」と安心するような笑顔を浮かべ、優しそうな笑顔を浮かべていた。
その反応で、周りがざわついた。
「おい、今の反応...」
「なんか今回順位1位霜月っぽいな。」
「すげー北義破った」
と声が聞こえてくる。
多分霜月...と言うのが土屋さんの言ってた「あゆ」だ。
今話しかけてる子だろう。
周りの聞こえてきた話をまとめてみると
、どうも元々受験組だった冬の模試と言うのを洋太の次に成績がよかったのが彼女らしい。結局諸事情で受験を断念したらしい
「なんか...すごい子が同じクラスなのね...」
「ほらな、そういう奴もいるんだって。
そこまでのレベルじゃ叶わないって。」
「でもその子に一度洋太くん勝ったんじゃない、悔しくないの?」
なるちゃんに、そう喝を入れられるも、あまりピンとこない様子の洋太。
まぁ、一位を取りたいってモチベーションで勉強しなかったら、反応そんなもんか もなぁ...
「はい!静かに! HR始めるので座ってください!」
生徒たちの興奮が少し収まったのを感じると、先生がそうクラス中に声をかけると、みんな席に着くのだった。
「洋太くん2位?」
土屋さんと水長さんの予想は外れ、話を聞いて少し期待が膨らんでいたなるちゃん も順位が2位だったと言うことに驚いたようだった。
すると洋太はムッとしたように
「なんだよ、2位じゃ悪いのかよ」
と反論する。 その様子になるちゃんは慌てて
「そんなこと言ってないじゃない。
ただ、てっきり1位かなと予想しててたから...」
と付け加える。
まぁ私としては1位だろうが2位だろうがすごいことだし
私の問題じゃないからどっちでもいいんだけど...周りはそう言うわけじゃないらしい。
そんな様子を見て、洋太はめんどくさそうに答える
「そんな世の中うまくいかないって。 俺よりできるやついても、おかしくないだろ?」
と告げる。
土屋さんは洋太の順位をみると興味が失せたのが他の人のところへ移動してしまう。
私は土屋さんの方に視線を追うことなく、洋太に声をかける。
「まぁ、向上心はあったほうがいいけど、本人が満足してるなら。
でもあんまり気を抜き過ぎてたら、成績どんどん下がるから気をつけなよ」
「そのセリフは、下の成績の私たちの言うことじゃないわよ。」
なるちゃんにそう指摘される。
確かに私にこのセリフを言うのはあまりにも違和感がある。
でも、私には言うことができるのである。
「これお兄ちゃんの受け売り。いつも洋太にそう言ってるから。ねえ?」
満面の笑みで洋太に向かってそう伝えた。
うちのお兄ちゃんは洋太の家庭教師を無償で買って出ている。 私の言うことは聞けなくても、お兄ちゃんの言葉として発することができるのだ。
「うわ...先輩出してプレッシャーかけるとか、ないわ。」
流石の洋太も頭を抱える...と言うか、少し引かれたかもしれない。
でも、気に触るようなことは言ってない。
順位の話はしてない、向上心を忘れるなと言ってるだけ、私なりに心配してるのだから。
「でも、そうなると1位って誰なのかしらね、もう噂聞いてからてっきり洋太くん だと決めつけてたから」
「さぁ...別に順位とか興味ないしなぁ...」
洋太がそう言った直後、
「あゆすごい!」
と言う土屋さんの声が聞こえてきた。
あゆと呼ばれた女の子は「それほどでも」と安心するような笑顔を浮かべ、優しそうな笑顔を浮かべていた。
その反応で、周りがざわついた。
「おい、今の反応...」
「なんか今回順位1位霜月っぽいな。」
「すげー北義破った」
と声が聞こえてくる。
多分霜月...と言うのが土屋さんの言ってた「あゆ」だ。
今話しかけてる子だろう。
周りの聞こえてきた話をまとめてみると
、どうも元々受験組だった冬の模試と言うのを洋太の次に成績がよかったのが彼女らしい。結局諸事情で受験を断念したらしい
「なんか...すごい子が同じクラスなのね...」
「ほらな、そういう奴もいるんだって。
そこまでのレベルじゃ叶わないって。」
「でもその子に一度洋太くん勝ったんじゃない、悔しくないの?」
なるちゃんに、そう喝を入れられるも、あまりピンとこない様子の洋太。
まぁ、一位を取りたいってモチベーションで勉強しなかったら、反応そんなもんか もなぁ...
「はい!静かに! HR始めるので座ってください!」
生徒たちの興奮が少し収まったのを感じると、先生がそうクラス中に声をかけると、みんな席に着くのだった。
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