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07 覚醒 ※
しおりを挟む「あ……? ぇ――?」
意識が戻る。
しかしなにかがおかしい。自分の体が自分のものではない気がする。
そしてクルトは自分が今なににしなだれかかっているのか気がついた。
「っ、貴様、俺に何をした!?」
黒竜の胸に頬ずりして、もたれかかっていた。
(こんなこと……死んでもありえない!)
口のなかもネバネバする。なにかもったりとした重たいものを飲み込まされた気がする。
地面につばを吐いたが、気持ち悪さは消えない。
(なんだ? いま何が起きた?)
あわてて黒竜から体を引き離そうとしたが、逆に強く抱きしめられる。背中に彼の爪がくいこむ。
『そう暴れるな。ただの催眠だ。そなたがあまりに反抗的だからな。お仕置きとして、我の肉竿をくわえさせた。よかったぞ。そなたの口まんこは』
(いやだ。聞きたくない……!)
しかし黒竜の言葉は念話だ。耳をふさごうとも頭に響く。
(……待て。いま、こいつ、何て……?)
信じがたい言葉を言い放った気がする。
(口まんこ? まさか俺みずからあの太い肉竿をくわえこんだというのか?)
それなら口内のねばつきも理解できる。舌に残る苦みも。
理解は一生したくなかったが。
すん、と黒竜が鼻を鳴らした。
『それほど嫌わなくてもよかろう。あんなに嬉しがっていたというに』
こつん、と額を合わせられた。すると脳内で強制的に映像が浮かぶ。
嬉しそうに黒竜と口づけをかわす自分。
たくましい二本の肉竿に口づける自分。
そのうちの一本を深くしゃぶる自分。
もう一本を手で優しくしごく自分。
どれもこれも信じがたい光景だった。
「――ゃ、ぁぁぁぁああっ!! 消せ! 今すぐ消せ!」
絶叫したが、脳内の映像は止まらない。と同時に再び体がうずく。
もうすでにクルトの体は黒竜とのキスを気持ちイイと理解している。
この黒光りする二本の肉竿をしゃぶるのも大好きだと理解している。
そして最後に映像が屈辱的な光景を流す。
よりにもよって、黒竜の爪先でつつかれた瞬間、みっともなく自分はイったのだ。
「……うぅ……っ。やめろ……。もぉ、うつすな……ぁ……っ……」
『感じているな。我の肉竿をほおばる自分の姿を見て、勃起しているな。この変態騎士め』
「だまれ……っ……それも、これも、きさまが……ひっ……ぅン――!」
指の腹で竿をなでられると、勝手に腰が動いてしまう。
(感じたくない……のに……っ!)
必死に黒竜から体を離そうとするが、一度体に刻まれた快楽は決して消えることはない。
『どれ。我もしごいてやろう』
「やめ――」
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