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02 ファーストキス ※
しおりを挟む公爵の一人娘である婚約者アデーラとは幼馴染で将来を誓い合った仲だ。
婚前交渉など騎士の身ではあり得ず、この年になるまで彼女とは手をにぎりあったくらいしか経験がない。
ましてやキスなど一度も交わしたことがなかった。
それが今、部下に唇を奪われている。
「ん……くっ……手を離せっ! 貴様――!」
だが背後から胸をもんでいたもう一人の部下がいつの間にか礼服のボタンを外し、脱がされた上着が袖でひっかかった。
「うを。すっげ。さすがお貴族さまのお口。めちゃんこ柔らかいじゃないですか。団長の上のお口トロトロじゃん。せっかくだからベロチューして差し上げますね」
「や――めっ」
ぢゅるるるっ♡♡
そばに立つ男に顎をつかまれて口を閉じられないようにさせられた。そのまま唾液を流し込まれ、信じられないほど奥深くまで舌を吸われた。
「かーわい。ちっちゃい舌吸われて、もう降参かなぁ? 新任騎士団長どのは」
「~~っ♡ ……ァ……きさまら……いったい何をしているか、分かっているのだろう、なっ―!」
「分かってますって。俺ら団員全員一丸となり、新任騎士団長に団員の悦ばせ方をみっちり教え込む。それが今夜の歓迎会です」
ちゃらついた口調で何度も唇を吸われる。
数時間前に見た誠実ぶりが嘘のような変貌だった。
そして背後からかけられる小太りの部下の声。
「はぁはぁ団長のうなじ、めっちゃイイ匂い。少し汗かいてるのは緊張してるせい? じっくり雄っぱいほぐしてあげますねぇ」
背後から胸をもみしだいていた小太りがうなじに唇をちかづけた。
「――ひっ」
こんな至近距離で男の息づかいを感じたことがなくて、反射的に逃げようとする。
だが腰に熱くて硬いものを感じる。
(考えたくない! だがこれは―!)
木のベンチに腰かけたまま、部下たちに唇を奪われ、胸を揉まれていた。
「っ……これ以上私にふれるなっ!」
押しのけようとしたが二対一では敵わない。
「だめでしょ。部下にそんな口をきいたら。お仕置きとしてもっかいディープキスしますね~♡」
くちゅ、くちゅ、ぢゅるる、くぷん♡
何度もしつこく舌を吸われ、唾液と一緒に酒も流し込まれた。体温が上がり、体がどんどん火照ってくる。
「ぁ……やめろ……っ……この、無礼もの……、……!」
懸命に騎士団長としての威厳を正そうと睨み付けるが、部下を悦ばすだけだった。
より深く舌を吸われ、口蓋(こうがい)や歯の裏側、粘膜といったいたるところを舐めしゃぶられ、あまりの恥辱に涙が湧きおこる。
(こんな……屈辱は初めてだ……!)
キスしてくる部下を押し返そうと手に力をこめるが、背後の小太り男に羽交(はが)い締(じ)めにされた。
ぢゅぅぅう♡♡
うなじをキツく吸われた。
「いいね~。団長のそのキッツい視線で睨まれるの、すっげーそそられるわ。チンコおったっちゃいそ♡ この抵抗ぶりからすると、もしかしてキスは初めてだったのかな~?」
「っ!」
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