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後編
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◆
妹が婚約者であるバルデル公爵の嫡男とお会いする場がようやくもうけられた。
彼をこの場に引きずり出すのには随分と難儀したらしい。
それはもう得意げに妹は語ってくれた。
「私の可愛らしさに今にも卒倒してしまいそうですとか、お手紙に書いてくださったのよ。お姉さまはこんな気の利いたお手紙頂いたこともないでしょう」
にんまりとこれみよがしに笑う顔も今日が見納めだ。
なにせ屋敷にやってきたのは、公爵家ご嫡男ではなく伯父上夫妻だったのだから。
父は伯父上が大の苦手だ。
早くから武門で身を立てた伯父上にものすごい引け目を感じている。
一時は、商姫と呼ばれた母と結婚し、その引け目も少しは和らいだそうだが、母への愛がついぞ生まれなかった父は伯父上への反発を強めた。
「なぜ兄上がここにいるのです! ここは私の屋敷だ。もう二度とここへは来ないと仰っていたでしょう!」
「ふん。可愛い姪御を迎えに来ただけだ」
「お、おじ様……わたくし、今日はここで自分の婚約者を待つつもりですの」
マヌエラは久しぶりに見た伯父上のいかつい顔に父の後ろで震えている。
ふとマヌエラは伯父上の背後に控える若者に目をとめた。
金髪碧眼の麗しい出で立ち。背は高くすらりとして、所作に無駄がなく美しい。
「あ、あの……もしかしてあなたがバルデル公爵さま、ですの?」
正しくは次期バルデル公爵だ。まだ嫡男で爵位を継いでもいないのだから。
しかし本日の婚約で舞い上がった妹には、そんな冷静さもない。
継母も彼の美しさにほう、と見とれていた。
「まさか、私はクローディアさまの婚約者です。本日は私の婚約者を迎えに参っただけです」
「嘘よ! 有り得ないわ! あの地味で暗いお姉さまにこんな美しい方が婚約者だなんて!」
彼が話し終えるより先に反論しだす始末。
礼儀作法をちゃんと学んでおくべきだったわね。マヌエラ。
「バロー伯爵家の末娘どのは貴族と対する時の礼儀も知らないらしい」
「ふん! それがなに? 私は次期にバルデル公爵夫人となるのよ。あなたこそ礼儀をわきまえたらどうなの?」
「あなたの仰っている公爵なら、今頃、王都の地下牢に捕らえられていますよ」
「なんですって!?」
「ば、ばかな……ありえん!」
これには父や継母も驚いていた。
さもありなん。
私が嫁がされそうになっていたバルデル公爵家など元から存在せず、婚約者は家名を騙って女性の持参金目当てで婚約を繰り返す常習犯だったのだ。
私は初めて会った時から、妙に貴族らしくない男だと父に伝えていたが、父はろくに調べもしてくれなかった。
その結果がこれだ。
まさに自業自得だ。
「嘘…………嘘よ。私、実際にお会いしたもの!」
「あなたがそう信じたいのなら信じれば良いのではありめせんか? 私はクローディアに用があるので失礼」
彼は颯爽と駆け出し、私の前でひざまずいた。
端麗な容姿をさらに輝かせて、懐から小さなジュエリーボックスを取り出す。
情熱的だが上品な赤いベルベット生地の奥には、白く透明で美しく細工された鉱石が輝いていた。
「これはあなたの指にこそふさわしい。受け取ってくださいますか? クローディア」
初めて名前を呼ばれて胸が高鳴る。
興奮で胸がはりさけそうだ。
「あなたの商才に見合う力を手に入れてからと思いましたが、待っていられなかった。お許しください」
「いいえ、私こそ伯爵令嬢では、あなたの本当の家柄に見合うと思っていませんでしたもの」
彼がにこりと笑った。
「ではお互いさまですね。……こほん、隣国ブルムントのベルナール公爵家が嫡男マキシム・フォン・ベルナールよりクローディア・バロー嬢に今より婚約を申し込みたい。受けてくださいますか?」
今まで自信満々だった彼の瞳がほんの少しだけ不安に揺れていた。
断られると思っているのだろうか。
あれほど時を忘れて、宝石のこと、商売のこと、それに生き方の話まで語り合ったのに。
私はとびっきりの笑顔を浮かべて、答えた。
「はい。お受けいたします」
今年見つかったばかりの鉱石を美しくカットしてできあがった婚約指輪をはめてもらう。
シンプルな一連の指輪でそこに彼の一途な愛が込められている気がした。
そっとあしらわれた石に口づけを贈る。
古来より婚約を受けた時の礼儀作法と教えられてきたが、こんな指輪を贈ってもらえたら誰だってやりたくなる。
「ふふ。こんな指輪を贈っていただけて、私は果報者です」
「気に入ってもらえて本当に良かった。これをあなたに渡すまで私もずっと不安で……」
確かに彼の目元は化粧で隠してはいるが、疲れが目に見えていた。
その疲れをぬぐいとるように指先でなでると、彼は頬を赤らめる。
(ふふ、可愛い)
会った時からずっとカッコイイ人と思っていたが、こういう反応をされると胸がムズムズしてしまう。
「おじさまの屋敷でおいしい紅茶をいれて差しあげます」
そう。これからは伯父上の屋敷に移って、婚儀や披露宴の話を進めていくのだ。
この屋敷には一分一秒だってもういたくない。
「お、おい。クローディア今の話、本当なのか? その、マキシム殿と婚約する、というのは。私は何も聞いておらんぞ!」
「お父様には全て手紙でことづけておりましたわ」
「て、手紙だと!? そんなものは知らん! そ、それに妹がこんな目に遭ったばかりだと言うのに、お前だけ婚約を進めるなど、できん。絶対にやらせんぞ!」
「そうよ! 私を可哀想とお思いなら、お姉さまも自重すべきだわ!」
「あなたも伯爵令嬢なら少しはマヌエラのことを考えるべきではなくて!?」
一世にぴーちく、ぱーちくとさえずり出した家族を冷めた目で見つめる。
「私、この家にも皆様にも未練はありませんの。次期当主の座はマヌエラに譲ります」
その言葉に継母の顔がパッと輝いたが、これで終わりではない。
「これからバロー家を出れば、私はもう法的にも世間的にも自立した女になる訳ですよね。お母さまの事業は全て私が受け継ぎますし、代理経営者の欄からお父様の名前はもう外しましたので、経営に頭を煩わされることはないと思いますわ」
そもそも父が経営に関わったことなど一度もない。
ただ私の保護者であり代理人として、その収益を受け取っていただけに過ぎない。
あの莫大な収入が一気になくなると今の言葉で気づいたのだろう。
父の顔は呆然を通り越して、今やまっさおだった。
「ど、どうしたのよ。あなた! ねえ、ちょっと! なんであの娘に何も言い返さないの!」
継母がわめき散らして、こちらを睨みつけてきたが、怖くもなんともない。
きわめつけはなんと言ってもマヌエラだった。
この状況を理解する気もないのか、よりにもよってまた言い出したのだ。
「お姉さまのものは私のものでしょう? でしたらマキシム様は私と婚約するのがふさわしいわ!」
「お断りします。私はチビで礼儀知らずな子どもに興味ありませんし、私が愛を誓ったのはクローディアただ一人ですので」
キッパリと彼に断られて、見る見るうちに目に涙が溢れる。
自分の思うようにいかなかったとき、いつも妹は泣く。
こちらの感情を逆撫でにする泣き声で場を支配しようとするのだ。
できるかぎり憐れに聞こえるよう、微細に調整された泣き声で人を操ろうとする。
しかし伯父上はそんなものに騙されなかった。
「いい加減にせんか! もしも今後クローディアに近づけばわしが黙っておらんと知れ! 金輪際きさまらとは縁を切る!」
伯父上の大音声が屋敷のロビーを震わせた。
さすがは戦場を駆け抜けた王国の勇。
その見事な一喝で事態は決した。
そのまま私はマキシムと共に伯父上の屋敷へ向かい、幸せな時を過ごした。
(完)
妹が婚約者であるバルデル公爵の嫡男とお会いする場がようやくもうけられた。
彼をこの場に引きずり出すのには随分と難儀したらしい。
それはもう得意げに妹は語ってくれた。
「私の可愛らしさに今にも卒倒してしまいそうですとか、お手紙に書いてくださったのよ。お姉さまはこんな気の利いたお手紙頂いたこともないでしょう」
にんまりとこれみよがしに笑う顔も今日が見納めだ。
なにせ屋敷にやってきたのは、公爵家ご嫡男ではなく伯父上夫妻だったのだから。
父は伯父上が大の苦手だ。
早くから武門で身を立てた伯父上にものすごい引け目を感じている。
一時は、商姫と呼ばれた母と結婚し、その引け目も少しは和らいだそうだが、母への愛がついぞ生まれなかった父は伯父上への反発を強めた。
「なぜ兄上がここにいるのです! ここは私の屋敷だ。もう二度とここへは来ないと仰っていたでしょう!」
「ふん。可愛い姪御を迎えに来ただけだ」
「お、おじ様……わたくし、今日はここで自分の婚約者を待つつもりですの」
マヌエラは久しぶりに見た伯父上のいかつい顔に父の後ろで震えている。
ふとマヌエラは伯父上の背後に控える若者に目をとめた。
金髪碧眼の麗しい出で立ち。背は高くすらりとして、所作に無駄がなく美しい。
「あ、あの……もしかしてあなたがバルデル公爵さま、ですの?」
正しくは次期バルデル公爵だ。まだ嫡男で爵位を継いでもいないのだから。
しかし本日の婚約で舞い上がった妹には、そんな冷静さもない。
継母も彼の美しさにほう、と見とれていた。
「まさか、私はクローディアさまの婚約者です。本日は私の婚約者を迎えに参っただけです」
「嘘よ! 有り得ないわ! あの地味で暗いお姉さまにこんな美しい方が婚約者だなんて!」
彼が話し終えるより先に反論しだす始末。
礼儀作法をちゃんと学んでおくべきだったわね。マヌエラ。
「バロー伯爵家の末娘どのは貴族と対する時の礼儀も知らないらしい」
「ふん! それがなに? 私は次期にバルデル公爵夫人となるのよ。あなたこそ礼儀をわきまえたらどうなの?」
「あなたの仰っている公爵なら、今頃、王都の地下牢に捕らえられていますよ」
「なんですって!?」
「ば、ばかな……ありえん!」
これには父や継母も驚いていた。
さもありなん。
私が嫁がされそうになっていたバルデル公爵家など元から存在せず、婚約者は家名を騙って女性の持参金目当てで婚約を繰り返す常習犯だったのだ。
私は初めて会った時から、妙に貴族らしくない男だと父に伝えていたが、父はろくに調べもしてくれなかった。
その結果がこれだ。
まさに自業自得だ。
「嘘…………嘘よ。私、実際にお会いしたもの!」
「あなたがそう信じたいのなら信じれば良いのではありめせんか? 私はクローディアに用があるので失礼」
彼は颯爽と駆け出し、私の前でひざまずいた。
端麗な容姿をさらに輝かせて、懐から小さなジュエリーボックスを取り出す。
情熱的だが上品な赤いベルベット生地の奥には、白く透明で美しく細工された鉱石が輝いていた。
「これはあなたの指にこそふさわしい。受け取ってくださいますか? クローディア」
初めて名前を呼ばれて胸が高鳴る。
興奮で胸がはりさけそうだ。
「あなたの商才に見合う力を手に入れてからと思いましたが、待っていられなかった。お許しください」
「いいえ、私こそ伯爵令嬢では、あなたの本当の家柄に見合うと思っていませんでしたもの」
彼がにこりと笑った。
「ではお互いさまですね。……こほん、隣国ブルムントのベルナール公爵家が嫡男マキシム・フォン・ベルナールよりクローディア・バロー嬢に今より婚約を申し込みたい。受けてくださいますか?」
今まで自信満々だった彼の瞳がほんの少しだけ不安に揺れていた。
断られると思っているのだろうか。
あれほど時を忘れて、宝石のこと、商売のこと、それに生き方の話まで語り合ったのに。
私はとびっきりの笑顔を浮かべて、答えた。
「はい。お受けいたします」
今年見つかったばかりの鉱石を美しくカットしてできあがった婚約指輪をはめてもらう。
シンプルな一連の指輪でそこに彼の一途な愛が込められている気がした。
そっとあしらわれた石に口づけを贈る。
古来より婚約を受けた時の礼儀作法と教えられてきたが、こんな指輪を贈ってもらえたら誰だってやりたくなる。
「ふふ。こんな指輪を贈っていただけて、私は果報者です」
「気に入ってもらえて本当に良かった。これをあなたに渡すまで私もずっと不安で……」
確かに彼の目元は化粧で隠してはいるが、疲れが目に見えていた。
その疲れをぬぐいとるように指先でなでると、彼は頬を赤らめる。
(ふふ、可愛い)
会った時からずっとカッコイイ人と思っていたが、こういう反応をされると胸がムズムズしてしまう。
「おじさまの屋敷でおいしい紅茶をいれて差しあげます」
そう。これからは伯父上の屋敷に移って、婚儀や披露宴の話を進めていくのだ。
この屋敷には一分一秒だってもういたくない。
「お、おい。クローディア今の話、本当なのか? その、マキシム殿と婚約する、というのは。私は何も聞いておらんぞ!」
「お父様には全て手紙でことづけておりましたわ」
「て、手紙だと!? そんなものは知らん! そ、それに妹がこんな目に遭ったばかりだと言うのに、お前だけ婚約を進めるなど、できん。絶対にやらせんぞ!」
「そうよ! 私を可哀想とお思いなら、お姉さまも自重すべきだわ!」
「あなたも伯爵令嬢なら少しはマヌエラのことを考えるべきではなくて!?」
一世にぴーちく、ぱーちくとさえずり出した家族を冷めた目で見つめる。
「私、この家にも皆様にも未練はありませんの。次期当主の座はマヌエラに譲ります」
その言葉に継母の顔がパッと輝いたが、これで終わりではない。
「これからバロー家を出れば、私はもう法的にも世間的にも自立した女になる訳ですよね。お母さまの事業は全て私が受け継ぎますし、代理経営者の欄からお父様の名前はもう外しましたので、経営に頭を煩わされることはないと思いますわ」
そもそも父が経営に関わったことなど一度もない。
ただ私の保護者であり代理人として、その収益を受け取っていただけに過ぎない。
あの莫大な収入が一気になくなると今の言葉で気づいたのだろう。
父の顔は呆然を通り越して、今やまっさおだった。
「ど、どうしたのよ。あなた! ねえ、ちょっと! なんであの娘に何も言い返さないの!」
継母がわめき散らして、こちらを睨みつけてきたが、怖くもなんともない。
きわめつけはなんと言ってもマヌエラだった。
この状況を理解する気もないのか、よりにもよってまた言い出したのだ。
「お姉さまのものは私のものでしょう? でしたらマキシム様は私と婚約するのがふさわしいわ!」
「お断りします。私はチビで礼儀知らずな子どもに興味ありませんし、私が愛を誓ったのはクローディアただ一人ですので」
キッパリと彼に断られて、見る見るうちに目に涙が溢れる。
自分の思うようにいかなかったとき、いつも妹は泣く。
こちらの感情を逆撫でにする泣き声で場を支配しようとするのだ。
できるかぎり憐れに聞こえるよう、微細に調整された泣き声で人を操ろうとする。
しかし伯父上はそんなものに騙されなかった。
「いい加減にせんか! もしも今後クローディアに近づけばわしが黙っておらんと知れ! 金輪際きさまらとは縁を切る!」
伯父上の大音声が屋敷のロビーを震わせた。
さすがは戦場を駆け抜けた王国の勇。
その見事な一喝で事態は決した。
そのまま私はマキシムと共に伯父上の屋敷へ向かい、幸せな時を過ごした。
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