3 / 11
その3
しおりを挟む回廊から閨に到着するまで、誰とも出会わなかった。
人払いしてあったのだろう。
長い回廊の終わりに、その部屋はあった。
豪勢な彫り物があしらわれた扉があけられると、その奥にはフカフカの大きなベッドが置かれていた。
天窓から差し込む光で部屋は明るい。
部屋に入るとルシェの手が離れていった。
なんだか心細い気持ちになる。
「あ、あの……ぼく、こういうこと初めてで、その……下手くそだったらごめんなさい」
モジモジと指を動かして先に謝ると、顔を持ち上げられた。
いつの間にかルシェがしゃがんでいて、鼻先がくっつくほど近くに彼の顔があった。
ほんの少し蛾眉をしかめている。
(もしかして怒ってる……?)
「──これからエルフの王たる私を抱く男がそのような弱音を吐くな。それに…………」
薄い唇をきつく結んで、ルシェが続ける。
「私も初めてだから、その……お前は優しくすれば良い」
頬を染め、消え入る声でそんな言葉を言われたら、彼の望みを叶える他ない。
ボワッとゆで子豚になりながら、何度もコクコクとうなづいた。
「わ、私とてお前より長く生きているのだから、初夜の手ほどきくらいできる」
照れ隠しなのか、ぷいっと顔をそむけるとベッドに案内される。靴を脱ぎ、乗り上がると二人分の体重を受けてベッドが軋む。
向かい合って座りあう。
と、ルシェが青地のローブを脱いだ。その奥には薄手の
白いワンピースみたいな洋服だった。腰の帯を持たされる。
「私の夫になるのだから……服を脱がす手伝いをせよ」
「は、はいっ」
お互い顔を真っ赤にしながら、無心でルシェの帯をほどく。
あとは薄い布を一枚脱ぐだけとなった時、無性に抱きつきたくて、ベッドに押したおした。
(心臓がすごい音を立ててる)
ルシェも同じだろうか?
そっと左胸に手を置いた。
「ぁ…………こら、私がリードすると──んン……ッ……」
気づいたらルシェの唇にキスしていた。
薄くてほんのりと甘い香りがする上唇は、極上の果実にも似ていた。おずおずと舌を入れると、ルシェも絡めてきた。
唾をすするとまさに甘露だった。
自然と自分の腰を彼のへその下に擦り付けてしまう。
「ゃ…………っ、ぁ、…………こら……、……ん。──ちゅ…………ッ」
広間で聞いたのとは全く違う甘えた声に、自分の下腹が熱くなる。
恥ずかしさで頬を染めた顔はとても可愛らしく、もっとその甘えた声を出させたくなる。
ワンピースの布をたくし上げると、真っ白で柔らかい太ももが目に飛び込んでくる。
そして白い布が巻かれた下着はわずかに盛り上がっていた。
「ぁ、ぁ…………待て、私がリードすると言って…………! ~~ッ♡♡♡」
テントを張ったみたいにふくらんだそこをなでると、ルシェが可愛い悲鳴を上げる。
自分の手で口をふさぐが、もう漏れた声は隠せない。
30
あなたにおすすめの小説
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
美しき父親の誘惑に、今宵も息子は抗えない
すいかちゃん
BL
大学生の数馬には、人には言えない秘密があった。それは、実の父親から身体の関係を強いられている事だ。次第に心まで父親に取り込まれそうになった数馬は、彼女を作り父親との関係にピリオドを打とうとする。だが、父の誘惑は止まる事はなかった。
実の親子による禁断の関係です。
禁断の祈祷室
土岐ゆうば(金湯叶)
BL
リュアオス神を祀る神殿の神官長であるアメデアには専用の祈祷室があった。
アメデア以外は誰も入ることが許されない部屋には、神の像と燭台そして聖典があるだけ。窓もなにもなく、出入口は木の扉一つ。扉の前には護衛が待機しており、アメデア以外は誰もいない。
それなのに祈祷が終わると、アメデアの体には情交の痕がある。アメデアの聖痕は濃く輝き、その強力な神聖力によって人々を助ける。
救済のために神は神官を抱くのか。
それとも愛したがゆえに彼を抱くのか。
神×神官の許された神秘的な夜の話。
※小説家になろう(ムーンライトノベルズ)でも掲載しています。
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる