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第十五話 本番(五) ※
しおりを挟む反論は口でふさがれ、腰をつかんでいた手はいつの間にか後頭部に添えられていた。
舌をきつく吸われたまま、自分の小さな竿をお互いの腹で押さえ込まされる。
ぴゅくくく♡
愛くるしい音を立てて空イキするのが彼にも伝わってしまう。
「大賢者さまはお腹サンドイッチでしごかれるのが好き、と」
「……ちが……そンな、こと……な……ぃッ♡」
「今夜はたくさんイっていいぞ。ドリンの奴にも……」
そこでヘンリックは言葉を切った。眉間に皺を寄せて舌打ちを叩く。
「……他の男の話はダメだな。俺がムカつく」
その言葉に今夜名実ともに彼の女になる予感がした。
今まで特定の相手を持ったことは一度もなかったが、ヘンリックとならなってもいい。
そう思うと彼に何かひとつでもいい。
他の男たちに差し出していないものをあげたくなった。
「っ……これはまだ誰にもお願いしたことがないのだが――」
ためらいがちに言葉を切ってから、誰にも聞かれぬようヘンリックの耳元にだけ吹き込んだ。
「ヘンリックの……おちんちんから出る体液ぜんぶナカに出して」
ヘンリックがこちらを凝然と見てくる。
自分でも言ってて恥ずかしいが、お願いしたことがないものといったらこの位しかなかった。
顔から火が出るほど熱い。自分でも下品なお願いをしていることは分かっている。
だから――
「ッ!?」
体内の肉棒が急速に硬さを増していく。
処女の肉ひだが更に荒らされ、ヘンリックの形を覚え込まされた。
「わりぃ。まさかあんたが、そんなはしたないお願いしてくるとは思わなかったから、さ!」
ぐりぐりりりっ♡♡
竿がふくらむ。
尻に打ち付けられる精嚢も熱い。
亀頭が大きく深呼吸でもするみたいに、ほんの一瞬だけ縮む。
次の瞬間、もの凄い勢いで精液が放たれた。
誰にも暴かれたことのなかった肉ひだが、ねっとりと絡みつく精液に蹂躙されていく。
おなかが重たくなるほどの量に体内で逆流して、結合部からとめどなく精液が漏れ出してくる。
ぐぷぷっ♡ ぶぢゅるるる♡♡
空気を孕んだ下品な音を立てて、射精は続いた。
そのまま肉ひだに精液を塗りつけられて、私も空イキした。
(ッ……こんなに、たくさん……ッ♡ 気持ちイイ――ッ♡)
みずから腰をこすりつけた。
飼い主に甘える猫のようにヘンリックの首元にも頭をこすりつけた。
「あ~~ッ。くそ気持ちイイ。上のお口でも堪能するか?」
結合部から漏れた精液を飲まされる。
「ッ♡ っ♡ ッ♡」
舌にも重量感が伝わるほどねっとりとしている。
なんとも言いがたい匂いが鼻をつき、それがまた体内の肉ひだを収縮させる。
淫靡な匂いでむせかえる寝室でしばらく二人分の息づかいだけが響いていた。
ようやく射精が終わると、ヘンリックが竿を引き抜いた。
放心状態のままベッドで仰向けになろうと四つん這いになっていると、尻をつかまれた。
「っ。なんだ……もう十分だろう?」
「いや、こういうのはきちんと掃除してやらないと」
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