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14話

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部長達と飲んでから1週間が経った。会社で沢山の資料に囲まれながら、家では期限付きの資料を片付けていく。そんな毎日を過ごす。
鼻血は昼夜問わず出ており、その度に止血を行うのでティッシュが手放せない。

カタカタッ  カチッ

パソコンのキーボードとマウスを操作しながら、明後日の分の資料をまとめあげる。

「よし…」

うーん、と背伸びをして椅子から立ち上がるとリビングへ行く為、自室の扉に手をかけた。

ガチャッ

「ただいま」
玄関の扉を開けながらネクタイを緩める秀次。ほんのり顔が赤くなっている為、飲んできたんだなと悟る。

「おかえり…!今日も、飲み会だったの?」

「あー…仕事の付き合いで無理やりな。」

「そっか…大変だね、」
これ以上どんな言葉をかければいいのか分からず、鞄とジャケットを秀次から預かる。

「水飲む?」リビングのソファで寛ぐ秀次にコップに注いだ水を渡す。

「ありがとう」
 コップを受け取ると、秀次はグイッと水を一気に飲み干した。



「あ、秀次は来週どこか予定空いてる…かな?」
来週は家族の墓参りに今年も秀次と一緒に行きたいと思い、予定を聞いた。

「あー…。どこも忙しいし空いてないな。」

「…そっか、仕事じゃ仕方ないもんね」
予定が空いていないという事実に酷く落ち込んでしまうが、仕方ないと気持ちを納得させる。

数分後には秀次はソファで静かな寝息を立てながら熟睡していた。俺は、音を立てないようにブランケットを持ってきて秀次に被せる。そして「おやすみ」と一言声をかけた。









翌日━━━

顔色が悪いと秀次に指摘を受け、会社を休んで病院へ行った。平日の早い時間だからなのか、意外と人が少なく直ぐに名前を呼ばれた。診察室に入ると見慣れた先生の顔があった。

「先生。顔色が悪いと指摘を受けたんですが、治療はまだ間に合いますか?」
俺の言葉に先生がパソコンから目を離し顔色を見る。

「顔色が悪いようなので検査を再度受けて頂き、治療が可能か調べさせてください。」
そう言われ、不安に駆られながら長い検査を次々と終えた。
検査結果を待っている間、来るのが遅すぎたかな…。そんな不安が絶え間なく襲ってくる。

そして、名前を呼ばれ診察室に入った俺は深呼吸をしながら椅子に座る。

「検査の結果ですが、現段階で治療は行えますが副作用が強く出る場合があります。蓮見さんの場合、急性ですので症状の進行が早く完治できるまでに時間がかかると思います。」

先生の言葉に俺はホッと胸をなで下ろした。

「治療内容についてですがー」

パソコンと向き合いながら時折こちらを見る先生に、俺は安堵感でどっと緊張が解け終始治療内容について話を聞いていなかった。
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