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18話
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「将軍…!」
ベッドで横たわっていると、カインが慌てて駆け寄ってきた。どうやら俺が倒れ込んだと思ったみたいだ。
「ちゃんと起きてるよ。」目を瞑りながらも返事をすると、カインはホッとした様子で救急箱を持ってきた。
包帯や薬草をすり潰して作った塗り薬等を箱の中から取り出すと準備を行った。
「包帯足りるといんだが…」
「それ、皮肉ですか?」ムスッとした顔で手当を始めるカインに俺は笑った。
「前回は包帯を使いすぎて、怒られたよな。」
前回盗賊達からやられた傷跡を治療した際、カインは余分に包帯を使ってしまった為セドリック軍団長と軍医に呼び出され怒られていた。そして、包帯の巻き方等を教わっていた。その時のカインはとても落ち込んでおり、仲の良い兵士達から弄られていた。
「僕にとってあんなのはただの嫌いな思い出のひとつです。」
「悪い悪い。ッー!!」笑い過ぎてしまったのか傷口が酷く痛んだ。カインは「僕の事を笑うからですよ」と口を尖らせながら言った。
「ほんの悪戯心だ。悪い」少し笑いながら謝るとカインは黙々と治療を進める。布で止血を行い血液の流れを止める。カインは優しく腫れ物に触れるような手つきで薬草を塗ってくれるが、今の俺には苦痛でしかなかった。近くにあった布を取り口の中に押し込む。
━━━━━「終わりました。」
カインの言葉に俺はホッと胸を撫で下ろす。包帯が巻かれた脇腹に顔を向け手を当てる。前回のヨレヨレの巻き方とは違い随分と丁寧に巻かれていた。
「…へいほうしはな」感激しながらカインに伝える。
「地獄の特訓の賜物です!……って、いつまで布を噛んでいるんですか。」誇らしげな顔で自慢するカインは、俺の口に含んでいた布を取り出す。
「ん、…ありがとうな」
(頼れる相手がカインで良かった…)
「僕が今日から将軍専属の軍医になります…。だから、治療のことはいつでも任せてください」
「頼もしい発言だな」フッと笑みを零すとカインは少し頬を緩めた。
「将…ケイラ。夕食、一緒に食べてもいいですか?」
夕食時の食堂で一人黙々とパンとスープを食べていると、カインが俺の方に来て話しかけてきた。
「……あぁ。」
一緒にご飯を食べるのは初めてじゃないか?と思いながらも隣の椅子を引いて座るよう促す。カインは俺の事を「将軍」と呼んでいるため、兵士の面前では「ケイラ」と呼ばせるようにしている。味方がカインしかいない今だからこそ敵は増やしたくない。俺は慎重になろうと心に決めた。
隣にカインが座ると俺は、周りの兵士に聞こえない声量でカインに話しかけた。
「どうしたんだ…?」
「僕と一緒に食べているアイツらがケイラの悪口しか言わないから腹立って、こっちに来ました。」手で握っているスプーンが曲がるんじゃないかというぐらい力が籠っていた。
「いつもの事だろ……?」少し呆れ笑いで返すとカインは半分に割いたパンを俺の口の中へ放り込む。
「…少し黙っていてください。」
相当腹が立っているのか、俺も思わずカインの雰囲気に呑まれゴクリと喉を鳴らした。
ベッドで横たわっていると、カインが慌てて駆け寄ってきた。どうやら俺が倒れ込んだと思ったみたいだ。
「ちゃんと起きてるよ。」目を瞑りながらも返事をすると、カインはホッとした様子で救急箱を持ってきた。
包帯や薬草をすり潰して作った塗り薬等を箱の中から取り出すと準備を行った。
「包帯足りるといんだが…」
「それ、皮肉ですか?」ムスッとした顔で手当を始めるカインに俺は笑った。
「前回は包帯を使いすぎて、怒られたよな。」
前回盗賊達からやられた傷跡を治療した際、カインは余分に包帯を使ってしまった為セドリック軍団長と軍医に呼び出され怒られていた。そして、包帯の巻き方等を教わっていた。その時のカインはとても落ち込んでおり、仲の良い兵士達から弄られていた。
「僕にとってあんなのはただの嫌いな思い出のひとつです。」
「悪い悪い。ッー!!」笑い過ぎてしまったのか傷口が酷く痛んだ。カインは「僕の事を笑うからですよ」と口を尖らせながら言った。
「ほんの悪戯心だ。悪い」少し笑いながら謝るとカインは黙々と治療を進める。布で止血を行い血液の流れを止める。カインは優しく腫れ物に触れるような手つきで薬草を塗ってくれるが、今の俺には苦痛でしかなかった。近くにあった布を取り口の中に押し込む。
━━━━━「終わりました。」
カインの言葉に俺はホッと胸を撫で下ろす。包帯が巻かれた脇腹に顔を向け手を当てる。前回のヨレヨレの巻き方とは違い随分と丁寧に巻かれていた。
「…へいほうしはな」感激しながらカインに伝える。
「地獄の特訓の賜物です!……って、いつまで布を噛んでいるんですか。」誇らしげな顔で自慢するカインは、俺の口に含んでいた布を取り出す。
「ん、…ありがとうな」
(頼れる相手がカインで良かった…)
「僕が今日から将軍専属の軍医になります…。だから、治療のことはいつでも任せてください」
「頼もしい発言だな」フッと笑みを零すとカインは少し頬を緩めた。
「将…ケイラ。夕食、一緒に食べてもいいですか?」
夕食時の食堂で一人黙々とパンとスープを食べていると、カインが俺の方に来て話しかけてきた。
「……あぁ。」
一緒にご飯を食べるのは初めてじゃないか?と思いながらも隣の椅子を引いて座るよう促す。カインは俺の事を「将軍」と呼んでいるため、兵士の面前では「ケイラ」と呼ばせるようにしている。味方がカインしかいない今だからこそ敵は増やしたくない。俺は慎重になろうと心に決めた。
隣にカインが座ると俺は、周りの兵士に聞こえない声量でカインに話しかけた。
「どうしたんだ…?」
「僕と一緒に食べているアイツらがケイラの悪口しか言わないから腹立って、こっちに来ました。」手で握っているスプーンが曲がるんじゃないかというぐらい力が籠っていた。
「いつもの事だろ……?」少し呆れ笑いで返すとカインは半分に割いたパンを俺の口の中へ放り込む。
「…少し黙っていてください。」
相当腹が立っているのか、俺も思わずカインの雰囲気に呑まれゴクリと喉を鳴らした。
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