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13話
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ドサッ
グレンの後を着いてきた俺は、視界が見えぬまま兵士に両肩を押さえられ膝をついた。麻袋のほんの隙間から見える景色では、何処かの部屋の様だった。
「~~…」
「~…」
グレンが誰かと話しているが、麻袋のガサツく音でその声が遮断される。
(誰と会話しているのかさえ分かれば…)
そう思い少しだけ体を動かそうとするが、両隣で待機している兵士が俺の肩を掴んで離さない。せめて麻袋の音だけでも掻き消してしまいたいが、顔に被せられ両腕を拘束されている以上為す術がなかった。ジッとどうするか考え込んでいるとー
「行くぞ。」
グレンが俺の両隣で待機している兵士に命令し、バタンッと扉を閉めて出て行った。残された俺は、何とか拘束の縄を解こうと手首を擦り合わせようとしたが前方に視線を感じ、手を止め前を向いた。
「流石の察知能力だね。王子が愛してやまない英雄・慧羅将軍…。」
その言葉にドクンッと胸が高鳴り、額から汗が流れた。
「誰だ…」
低く警戒するような声で俺は身構えた。
「そんなに警戒しないでよ」
悪びれる様子のない発言に俺は眉をひそめた。
「まず誰かを名乗れ…。」
「僕だよ、僕。ソラ」
「ソラっ!?」
意外な人物に俺は驚き、又顔を顰めた。
「慧羅って名前を聞いて僕思い出したんだー。元奴隷の成り上がり将軍だって…。僕も何故か生前の記憶が蘇ってさ、気付いたら王子に気に入られてるんだよ?凄くない?」
「……。」
「死ぬと過去に戻るなんて聞いた事ないから最初、焦ったよ。慧羅の名前を聞いた途端全ての記憶が鮮明になって今に至るんだ。」
笑いながら語るソラを見て俺は、先程までの怪我の心配が吹っ飛んでいた。ソラが生前の記憶を持っていたという事実に驚きが隠せないでいた。俺とカインだけが戻ったのだとばかり考えており油断していた。
(つまり、ソラは俺が名前を言ったと同時に生前の記憶が蘇ったということなのか?)
突然のソラの告白に俺は頭がズキンと痛む。聞きたいことは山ほどあったがそれ以上に頭の痛みが増していく。
「~…!」
ソラが何かを言っているが聞こえない。
目を瞑り痛みを堪えていたが、突然視界が明るくなり目を開けると麻袋が取られていた。そして、目の前にはソラの顔。
「今度は僕が君に復讐する番だよ。僕が悲しんだ分の思いを全てあげる。」
そう言いながらソラは天使のような笑みを浮かべて部屋から出ていった。
グレンの後を着いてきた俺は、視界が見えぬまま兵士に両肩を押さえられ膝をついた。麻袋のほんの隙間から見える景色では、何処かの部屋の様だった。
「~~…」
「~…」
グレンが誰かと話しているが、麻袋のガサツく音でその声が遮断される。
(誰と会話しているのかさえ分かれば…)
そう思い少しだけ体を動かそうとするが、両隣で待機している兵士が俺の肩を掴んで離さない。せめて麻袋の音だけでも掻き消してしまいたいが、顔に被せられ両腕を拘束されている以上為す術がなかった。ジッとどうするか考え込んでいるとー
「行くぞ。」
グレンが俺の両隣で待機している兵士に命令し、バタンッと扉を閉めて出て行った。残された俺は、何とか拘束の縄を解こうと手首を擦り合わせようとしたが前方に視線を感じ、手を止め前を向いた。
「流石の察知能力だね。王子が愛してやまない英雄・慧羅将軍…。」
その言葉にドクンッと胸が高鳴り、額から汗が流れた。
「誰だ…」
低く警戒するような声で俺は身構えた。
「そんなに警戒しないでよ」
悪びれる様子のない発言に俺は眉をひそめた。
「まず誰かを名乗れ…。」
「僕だよ、僕。ソラ」
「ソラっ!?」
意外な人物に俺は驚き、又顔を顰めた。
「慧羅って名前を聞いて僕思い出したんだー。元奴隷の成り上がり将軍だって…。僕も何故か生前の記憶が蘇ってさ、気付いたら王子に気に入られてるんだよ?凄くない?」
「……。」
「死ぬと過去に戻るなんて聞いた事ないから最初、焦ったよ。慧羅の名前を聞いた途端全ての記憶が鮮明になって今に至るんだ。」
笑いながら語るソラを見て俺は、先程までの怪我の心配が吹っ飛んでいた。ソラが生前の記憶を持っていたという事実に驚きが隠せないでいた。俺とカインだけが戻ったのだとばかり考えており油断していた。
(つまり、ソラは俺が名前を言ったと同時に生前の記憶が蘇ったということなのか?)
突然のソラの告白に俺は頭がズキンと痛む。聞きたいことは山ほどあったがそれ以上に頭の痛みが増していく。
「~…!」
ソラが何かを言っているが聞こえない。
目を瞑り痛みを堪えていたが、突然視界が明るくなり目を開けると麻袋が取られていた。そして、目の前にはソラの顔。
「今度は僕が君に復讐する番だよ。僕が悲しんだ分の思いを全てあげる。」
そう言いながらソラは天使のような笑みを浮かべて部屋から出ていった。
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