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12話
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日が沈み出した頃、俺はカインと分かれソラが待っている場所に行こうと足を進める。ソラとはあれから今日の出来事やグレンの様子を聞いたり話したりしている。特に変わった所はないが俺はあの時のソラの引き攣った顔が頭から離れない。どんな心情だったのか気になる。
いつもの場所まで来たがソラは来ていなかった。
(少し早かったか…)
そう思いながら木の根付近に座り目を瞑る。風の心地良さと虫の鳴く声は俺の心を落ち着かせる。これは眠たくなるな、そんな事を思いながら眠気に抗えずにいた頃、突然「おい」と頭上から声を掛けられた俺は目を開け、声のした方に顔を向ける。
「グレン…王子…!」
驚きのあまり硬直してしまう。目の前に好きな人が現れたら喜びたくなるが、俺は今グレンに会えるほどの身分ではない。だが、どうしてこうも口は緩んでしまうのだろう。
(あぁ、そうか。口が緩むのは長らく顔を見ていなかったせいだ。絶対そうだ。)
「最近、」
グレンが口を開く。俺はその言葉の続きを静かに聞く。
「ソラと此処で会っているんだろう?」
「あ…、え、はい。」
グレンの口から出るのはソラの事。少し胸が痛む。考えてみればそうだな。グレンはソラに惚れてる。ソラもグレンに惚れてる。完全な両思いだ。
「先程、ソラが何者かに襲われた。」
グレンの悲しげな瞳が揺れている。
「えっ?!ソラは……無事なんですか?」
俺は驚きのあまり立ち上がりグレンの傍に駆け寄る。ソラが心配で鼓動が早くなる。
「ソラは腕に傷を負ったが無事だ。犯人は捕えて今、尋問をしている。」
「そう……ですか。」ソラの無事が分かり俺は安心してグレンの傍を離れた。
「嘘はやめろ」
「……え……?」
「ソラから全て聞いたぞ。今までソラ宛に届いていた殺害予告や密会はお前がソラを呼び出し脅していた。ソラは今の今まで誰にも相談せず苦しみ俺に本当のことを告げた。今日、ソラに刺客を送ったのもお前だろう?」
「……え。」
グレンから突然訳の分からない事を言われ俺は混乱した。ソラはグレンに何を言ったんだ?
殺害予告?
密会?
何ひとつとして俺の今までの行動にあてはまらない言葉の数々に俺は頭が痛くなった。
「グレン王子が一体何を仰っているのか……」
「惚けるな!」
グレンの目が今にでも人を殺しそうな程鋭くなる。こんなグレンは今までに見た事がなくビクッと肩が跳ねる。絶対的な雰囲気を身にまとうグレンは兵士に「連れて行け」と指示を出し、麻袋を顔に被せられた俺は兵士に両肩を捕まれ何処かへと連れて行かれた。
いつもの場所まで来たがソラは来ていなかった。
(少し早かったか…)
そう思いながら木の根付近に座り目を瞑る。風の心地良さと虫の鳴く声は俺の心を落ち着かせる。これは眠たくなるな、そんな事を思いながら眠気に抗えずにいた頃、突然「おい」と頭上から声を掛けられた俺は目を開け、声のした方に顔を向ける。
「グレン…王子…!」
驚きのあまり硬直してしまう。目の前に好きな人が現れたら喜びたくなるが、俺は今グレンに会えるほどの身分ではない。だが、どうしてこうも口は緩んでしまうのだろう。
(あぁ、そうか。口が緩むのは長らく顔を見ていなかったせいだ。絶対そうだ。)
「最近、」
グレンが口を開く。俺はその言葉の続きを静かに聞く。
「ソラと此処で会っているんだろう?」
「あ…、え、はい。」
グレンの口から出るのはソラの事。少し胸が痛む。考えてみればそうだな。グレンはソラに惚れてる。ソラもグレンに惚れてる。完全な両思いだ。
「先程、ソラが何者かに襲われた。」
グレンの悲しげな瞳が揺れている。
「えっ?!ソラは……無事なんですか?」
俺は驚きのあまり立ち上がりグレンの傍に駆け寄る。ソラが心配で鼓動が早くなる。
「ソラは腕に傷を負ったが無事だ。犯人は捕えて今、尋問をしている。」
「そう……ですか。」ソラの無事が分かり俺は安心してグレンの傍を離れた。
「嘘はやめろ」
「……え……?」
「ソラから全て聞いたぞ。今までソラ宛に届いていた殺害予告や密会はお前がソラを呼び出し脅していた。ソラは今の今まで誰にも相談せず苦しみ俺に本当のことを告げた。今日、ソラに刺客を送ったのもお前だろう?」
「……え。」
グレンから突然訳の分からない事を言われ俺は混乱した。ソラはグレンに何を言ったんだ?
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密会?
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「グレン王子が一体何を仰っているのか……」
「惚けるな!」
グレンの目が今にでも人を殺しそうな程鋭くなる。こんなグレンは今までに見た事がなくビクッと肩が跳ねる。絶対的な雰囲気を身にまとうグレンは兵士に「連れて行け」と指示を出し、麻袋を顔に被せられた俺は兵士に両肩を捕まれ何処かへと連れて行かれた。
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