生まれ変わりは嫌われ者

青ムギ

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7話

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「将軍…!!!」そう呼びながらカインは俺に抱きついてきた。泣いているのか声が震えている。

「カイン……何で…」何故この世界に生前の記憶を宿したままいるのか、カインも俺と同じ戦場で亡くなったのか等聞きたい事は山ほどあったが、まずはカインを落ち着かせるため背中をポンポンと軽く叩く。

「将軍が亡くなって援軍がいて王子が沢山やって…」
言葉がごちゃごちゃで何を言いたいのか分からず俺は苦笑した。

「待て待て。カインが何を言いたいのか分からないから人目につかないところで話さないか?」丁度聞きたいことが沢山あったので、俺はカインを人目のつかない所へ行こうと誘う。

「すいません!!」カインは慌てて俺から体を離すと涙を拭った。







人目がつかない場所へ移動すると、カインと俺はベンチに腰かけた。
「悪いな…カイン。」申し訳なさでカインに謝る。

「どうして謝るんですか?」不思議そうな顔で聞いてくるカイン。

「急かすような真似をして…」

「大丈夫ですよ。将軍になら振り回されても構いません!」

「そうか。そう言ってくれて嬉しいよ。」

「いえいえ。本望ですから…。」隣で心底嬉しそうに話すカインに俺は口元が緩む。

「それで…将軍が亡くなったあとの…話ですよね」

「あぁ。出来れば詳細に話してくれると嬉しい。」

「分かりました。」スゥと深い深呼吸をするとカインは視線を下げながら静かに話し始めた。

「僕は…援軍側として戦場へ向かっていたんですが、その日は大雨で道がぬかるんでいたんです。だから到着が遅れ、着いた頃には血を吐き横たわっている将軍がいました。…王子は負傷しながらも敵兵と戦っていて…、決して将軍の傍を離れませんでした。」

「…。」

「戦況は我々が勝利し、国中で祭りが上げられました。ですが、王子はそれに参加せず部屋に篭もり仕事を淡々と進められていました。僕は王子と将軍の関係を知っていたので、王子は酷く悲しむだろうと考えていましたが、その逆だったんです。仕事と鍛錬を両立されており、常に忙しそうでした。」

「…」

「ある日、僕は酒場で一人飲んでいた際に、王子が隣に座ってきて『カインだよな?』と話しかけてきたんです。僕は驚いてその場で固まってしまいました。」

カインは少し笑いながら話を続けた。

「驚いたままでいると王子は『慧羅からよく話を聞いていた』と聞きなるほど。と納得したんです。そして、王子はお酒を飲みながら将軍の話を始めたんです。」

「グレンは…何を言っていたんだ?」

「…将軍との馴れ初めを語ってくれました。とても幸せそうな笑顔で。」

「そうか……。」

「すいません。その後のことは分かりません…」
申し訳なさそうに謝るカインに俺は「ありがとう。」と感謝した。




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