21 / 23
人生行路編
14話 ルイとシュネー
しおりを挟む
前回のあらすじ
氷の妖精・シュネーを使い魔(友達)にし、契約を結ぶために呪文を詠唱した際に、謎の光に包まれ、白銀の髪色で白いワンピースを身に着けた少女に『アランとシュネーをよろしくね』と謎すぎる頼まれごとをされ、次に目を覚ますと、自分の部屋のベッドに寝ていたのだった。
*
ベッドから起き上がると、ステンドガラスの窓から外を見ていたシュネーが私に気づき、こちらに飛んできた。するといきなり頭を思い切りぺしっと叩かれてしまった。
「痛っ!」
「契約魔法した瞬間に意識なくしちゃって! もう運ぶの大変だったんだからねッ!」
「私、倒れたの?」
「そうよ!」
やっぱり……。意識なくしてたんだ。なんか、シュネーやアランさんに迷惑かけてしまったな~。
「ごめんね」
「まぁ、ルナだからいいわ! これがあの魔術師だったら氷漬けにして、魂事食べてたわよ!」
い、意外と怖いこと言うのね……と思いつつ、アランさんたちがいないのか辺りを見回した。
「ルナ? どうしたの?」
「アランさんたちは?」
「ルイの部屋かしらね。呼んでくるわ!」
シュネーはそう言うと、部屋のドアを魔法で少し開き、ルイさんの部屋に向かっていった。シュネーって案外器用かもしれない。そう言えば、夢の中? に不思議な女の子と会った気がするけど……。なんか言ってたし。何だっけ? と両腕を前に組み、頭をひねらせていると部屋のドアが開いた。
「ル、ナ?」
何故かドア前で突っ立っているアランさん。すると次の瞬間、アランさんが猛ダッシュしてきたと思ったら、ガバッと効果音が付きそうなくらい勢い良く、抱き着かれた。その光景をアランさんの後ろにいたルイさんとシュネーが、一瞬だけ唖然としたが、すぐに私からアランさんを引きずり剝がした。
「ルナさんから離れなさい!」
「いーやーだぁぁぁ!! ルナがいなくなったら僕生きていけないもん! 数日間の空白の時間を堪能させてよぉ~!」
「変態かッ! ルナどうする! こいつ殺る?」
シュネーはアランさんの頭をぺしぺしと叩きながら、黒い笑みを浮かべた。シュネーの問いに首を左右に振ると、『つまんなーい』と言われてしまった。
「ご迷惑をおかげしてごめんなさい。もう大丈夫ですよ。あとアランさん落ち着いて」
「うう……」
アランさんは目を擦りながら、ベットの横にある椅子に座り、ルイさんとシュネーはソファーに座った。本当にこう改めてアランさんの行動や言動を見てたりすると、子供にしか見えない。精神年齢低いのかしら? そう思わざるを得ない。ルイさんは小さくため息をついた後、『目を覚まされて良かったです』と言ってくれた。
「本当にごめんなさい。ルイさんたちに迷惑をかけてしまって……」
「気にしないでください。疲れが溜まっていたのが突然出たのでしょうから」
「それと、私はルナと使い魔になったから、いつでも呼んでくれればど子にいようが飛んでいくわ!」
契約破棄されてなくて良かったぁ~! 儀式の際に倒れたなら自動的に契約破棄になってたらどうしようかと思ってたわ。
「私がルナと一緒に居たいから……自動では気にならなくて済んだのよ! 感謝なさい!」
「ありがとうございます女神様! 流石シュネー様ですわ!」
ベッドの上で土下座をすると、シュネーは嬉しそうに口元を緩めた。
「もっと褒めてもいいのよ~!」
「そこまでにしなさい。全く、シュネーは相変わらず我が儘お嬢様ですね」
ルイさんがそう言うと、シュネーは突然林檎の様に顔を真っ赤に染めた。
「う、うるさいわよ! お、お、お嬢様なんて言葉妖精に使うんじゃないわよ! ルイの馬鹿ぁぁぁ!」
シュネーはルイさんのおでこをポコポコと叩き始めた。『痛いですよシュネー』と優しく言うルイさん。でも、どこか何時ものルイさんとは違う感じがした。まるで好意を持っている女性に対して接するような……。ん? もしかしてとアランさんに耳打ちをした。
『アランさんアランさん』
『ルナからの耳打ち!? 僕○んでもいいかも』
『はいはい。それよりも、ルイさんの雰囲気甘くないですか?』
ルイさん達の方に目線を向けるアランさん。すると『だってルイ。シュネーのこと好きだもの』と爆弾発言をした。
『私の予想通り。あの感じシュネーもなのかしらね?』
『そうとも。でもたがいに気づいていないんだ』
『この長年で!? ある意味凄いわよ』
両想いなんだ……。こんな身近な場所で両想いの人たちに会えるとは。なんか羨ましいな~。私もいつかは。なんてね。
「そこでコソコソ話さないで言いたいことがあるなら話してください」
ルイさんはじーっとこちらを見て言ってきた。
「なんでもないよ。ね、ルナ?」
「え、えぇ」
アランさんの言うとおりに頷いた。
「まぁ良いですけど。それよりも、今度ミステリウム魔法学園の見学会がありますけど、ルナさん見に行きませんか? アノールがついていくと思いますので」
「ミステリウム魔法学園? マジですか!?」
「マジですよ。それでどうします?」
「行くに決まっているじゃないですか!」
私が編入したがっている学園。ミステリウム魔法学園……見学できるなら見学したいに決まっている!
「それではアノールに伝えておきますね。それまで疲れを取ってください。ちなみにうちだと思ってくださいね? 見学会以降、魔法の基礎知識を頭に叩き込んでもらいますから。それと、実践も交えていきますので覚悟していてくださいね」
この人もスパルタだった!! 弟子は師に似るって本当なんだと改めて思い知った私だったのであった。
氷の妖精・シュネーを使い魔(友達)にし、契約を結ぶために呪文を詠唱した際に、謎の光に包まれ、白銀の髪色で白いワンピースを身に着けた少女に『アランとシュネーをよろしくね』と謎すぎる頼まれごとをされ、次に目を覚ますと、自分の部屋のベッドに寝ていたのだった。
*
ベッドから起き上がると、ステンドガラスの窓から外を見ていたシュネーが私に気づき、こちらに飛んできた。するといきなり頭を思い切りぺしっと叩かれてしまった。
「痛っ!」
「契約魔法した瞬間に意識なくしちゃって! もう運ぶの大変だったんだからねッ!」
「私、倒れたの?」
「そうよ!」
やっぱり……。意識なくしてたんだ。なんか、シュネーやアランさんに迷惑かけてしまったな~。
「ごめんね」
「まぁ、ルナだからいいわ! これがあの魔術師だったら氷漬けにして、魂事食べてたわよ!」
い、意外と怖いこと言うのね……と思いつつ、アランさんたちがいないのか辺りを見回した。
「ルナ? どうしたの?」
「アランさんたちは?」
「ルイの部屋かしらね。呼んでくるわ!」
シュネーはそう言うと、部屋のドアを魔法で少し開き、ルイさんの部屋に向かっていった。シュネーって案外器用かもしれない。そう言えば、夢の中? に不思議な女の子と会った気がするけど……。なんか言ってたし。何だっけ? と両腕を前に組み、頭をひねらせていると部屋のドアが開いた。
「ル、ナ?」
何故かドア前で突っ立っているアランさん。すると次の瞬間、アランさんが猛ダッシュしてきたと思ったら、ガバッと効果音が付きそうなくらい勢い良く、抱き着かれた。その光景をアランさんの後ろにいたルイさんとシュネーが、一瞬だけ唖然としたが、すぐに私からアランさんを引きずり剝がした。
「ルナさんから離れなさい!」
「いーやーだぁぁぁ!! ルナがいなくなったら僕生きていけないもん! 数日間の空白の時間を堪能させてよぉ~!」
「変態かッ! ルナどうする! こいつ殺る?」
シュネーはアランさんの頭をぺしぺしと叩きながら、黒い笑みを浮かべた。シュネーの問いに首を左右に振ると、『つまんなーい』と言われてしまった。
「ご迷惑をおかげしてごめんなさい。もう大丈夫ですよ。あとアランさん落ち着いて」
「うう……」
アランさんは目を擦りながら、ベットの横にある椅子に座り、ルイさんとシュネーはソファーに座った。本当にこう改めてアランさんの行動や言動を見てたりすると、子供にしか見えない。精神年齢低いのかしら? そう思わざるを得ない。ルイさんは小さくため息をついた後、『目を覚まされて良かったです』と言ってくれた。
「本当にごめんなさい。ルイさんたちに迷惑をかけてしまって……」
「気にしないでください。疲れが溜まっていたのが突然出たのでしょうから」
「それと、私はルナと使い魔になったから、いつでも呼んでくれればど子にいようが飛んでいくわ!」
契約破棄されてなくて良かったぁ~! 儀式の際に倒れたなら自動的に契約破棄になってたらどうしようかと思ってたわ。
「私がルナと一緒に居たいから……自動では気にならなくて済んだのよ! 感謝なさい!」
「ありがとうございます女神様! 流石シュネー様ですわ!」
ベッドの上で土下座をすると、シュネーは嬉しそうに口元を緩めた。
「もっと褒めてもいいのよ~!」
「そこまでにしなさい。全く、シュネーは相変わらず我が儘お嬢様ですね」
ルイさんがそう言うと、シュネーは突然林檎の様に顔を真っ赤に染めた。
「う、うるさいわよ! お、お、お嬢様なんて言葉妖精に使うんじゃないわよ! ルイの馬鹿ぁぁぁ!」
シュネーはルイさんのおでこをポコポコと叩き始めた。『痛いですよシュネー』と優しく言うルイさん。でも、どこか何時ものルイさんとは違う感じがした。まるで好意を持っている女性に対して接するような……。ん? もしかしてとアランさんに耳打ちをした。
『アランさんアランさん』
『ルナからの耳打ち!? 僕○んでもいいかも』
『はいはい。それよりも、ルイさんの雰囲気甘くないですか?』
ルイさん達の方に目線を向けるアランさん。すると『だってルイ。シュネーのこと好きだもの』と爆弾発言をした。
『私の予想通り。あの感じシュネーもなのかしらね?』
『そうとも。でもたがいに気づいていないんだ』
『この長年で!? ある意味凄いわよ』
両想いなんだ……。こんな身近な場所で両想いの人たちに会えるとは。なんか羨ましいな~。私もいつかは。なんてね。
「そこでコソコソ話さないで言いたいことがあるなら話してください」
ルイさんはじーっとこちらを見て言ってきた。
「なんでもないよ。ね、ルナ?」
「え、えぇ」
アランさんの言うとおりに頷いた。
「まぁ良いですけど。それよりも、今度ミステリウム魔法学園の見学会がありますけど、ルナさん見に行きませんか? アノールがついていくと思いますので」
「ミステリウム魔法学園? マジですか!?」
「マジですよ。それでどうします?」
「行くに決まっているじゃないですか!」
私が編入したがっている学園。ミステリウム魔法学園……見学できるなら見学したいに決まっている!
「それではアノールに伝えておきますね。それまで疲れを取ってください。ちなみにうちだと思ってくださいね? 見学会以降、魔法の基礎知識を頭に叩き込んでもらいますから。それと、実践も交えていきますので覚悟していてくださいね」
この人もスパルタだった!! 弟子は師に似るって本当なんだと改めて思い知った私だったのであった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
私はただ自由に空を飛びたいだけなのに!
hennmiasako
ファンタジー
異世界の田舎の孤児院でごく普通の平民の孤児の女の子として生きていたルリエラは、5歳のときに木から落ちて頭を打ち前世の記憶を見てしまった。
ルリエラの前世の彼女は日本人で、病弱でベッドから降りて自由に動き回る事すら出来ず、ただ窓の向こうの空ばかりの見ていた。そんな彼女の願いは「自由に空を飛びたい」だった。でも、魔法も超能力も無い世界ではそんな願いは叶わず、彼女は事故で転落死した。
魔法も超能力も無い世界だけど、それに似た「理術」という不思議な能力が存在する世界。専門知識が必要だけど、前世の彼女の記憶を使って、独学で「理術」を使い、空を自由に飛ぶ夢を叶えようと人知れず努力することにしたルリエラ。
ただの個人的な趣味として空を自由に飛びたいだけなのに、なぜかいろいろと問題が発生して、なかなか自由に空を飛べない主人公が空を自由に飛ぶためにいろいろがんばるお話です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約者は、今月もお茶会に来ないらしい。
白雪なこ
恋愛
婚約時に両家で決めた、毎月1回の婚約者同士の交流を深める為のお茶会。だけど、私の婚約者は「彼が認めるお茶会日和」にしかやってこない。そして、数ヶ月に一度、参加したかと思えば、無言。短時間で帰り、手紙を置いていく。そんな彼を……許せる?
*6/21続編公開。「幼馴染の王女殿下は私の元婚約者に激おこだったらしい。次期女王を舐めんなよ!ですって。」
*外部サイトにも掲載しています。(1日だけですが総合日間1位)
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
悪役令嬢にざまぁされた王子のその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
王子アルフレッドは、婚約者である侯爵令嬢レティシアに窃盗の濡れ衣を着せ陥れようとした罪で父王から廃嫡を言い渡され、国外に追放された。
その後、炭鉱の町で鉱夫として働くアルフレッドは反省するどころかレティシアや彼女の味方をした弟への恨みを募らせていく。
そんなある日、アルフレッドは行く当てのない訳ありの少女マリエルを拾う。
マリエルを養子として迎え、共に生活するうちにアルフレッドはやがて自身の過去の過ちを猛省するようになり改心していった。
人生がいい方向に変わったように見えたが……平穏な生活は長く続かず、事態は思わぬ方向へ動き出したのだった。
転生したらチートでした
ユナネコ
ファンタジー
通り魔に刺されそうになっていた親友を助けたら死んじゃってまさかの転生!?物語だけの話だと思ってたけど、まさかほんとにあるなんて!よし、第二の人生楽しむぞー!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる