16 / 23
人生行路編
10話 使い魔
しおりを挟む
次の日の早朝。私は布団にくるまっているアランさんを引きずり出し、早速アランさんと初めて出会い、私がこの世界に転生してきた、氷の結晶で出来た洞窟へ足を運んだ。眠たそうに眼を擦っている大の大人が横で、私に話しかけてきた。
「ん~もう少し寝かせてくれたっていいじゃないか」
「ルイさんに言われてたの覚えてます? 早朝が良いって言ってたのを!」
「そうだったような~そうじゃなかったような~」
首を傾げる怠け者に呆れ、ため息をついた。
「疲れるわこの人……。眠たかったら其処らへんで転がっててください。一人で行くんで」
「酷いじゃないか~。行くけどさ」
「はいはい」
アランさんと話してると、まるで子供と会話しているように感じてくる。精神年齢が低いのか?
「ところでルナ。あの神鬼人について何か疑問に思わないかい?」
「そういえば……そうですね」
神鬼人は鬼人の上位種だよね? オーガを率いるのが特徴だけど、そんな様子全くなかった気がする。単体なのが可笑しい。もしかしたらほかの場所にクロノスの仲間がいたのなら、今後狙われる可能性が高くなる。私の自由ライフが遠くなっていくぅ! いーやぁぁぁ! 一人で心の奥底で悲鳴を上げていると、アランさんが私の顔を覗いてきた。
「なんですか?」
「冷たいね~。そんなところま愛らしいけど!」
「はぁ……」
「たとえ、魔物に狙われようが僕が守るよ」
あのアランさんが、真剣な眼差しで私の不安を見抜いている。ん? だとしたら……。
「だったら、クロノスの時! 絶対守れたでしょうが!」
「そうだけどね。でも、あーでもしないと君は本気を出さなかっただろ?」
そうだけど! というか、この人絶対クロノスの魔法かかってなかったでしょ!
「可愛い弟子の成長を生で見れて誇らしいよ~」
アランさんはそう言いながら、両手で顔を隠し、えんえーんと泣くふりをした。正直ウザいと思った。そんなアランさんを放置し、ズンズンと森の奥を進んでいくと、懐かしい洞窟の入り口が見えた。
「見えてきましたよ!」
「そうだね。君を認める使い魔が見つかるといいね」
「はい! ところで洞窟に入ったら妖精がいるんですか?」
「その奥さ。魔物もふつーにいるから気をつけ給え」
いるんかい! まぁ洞窟=ダンジョンみたいなものか。
「使い魔を探すには、その主人となる者しか奥に踏み入れてはいけないというのが掟だから、頑張りなさい」
初耳なんですけど? ということは……この洞窟に私一人で行けと!? 何の拷問だよッ! 早く言えよ!
「ルイさんが、アランさんが手助けしてくれるって!」
「まだその時じゃない」
「え?」
「気にせず行き給え!」
アランさんは何の説明もなく、私の背中を押した。私は渋々洞窟の中へと足を踏み入れたのであった。
「ん~もう少し寝かせてくれたっていいじゃないか」
「ルイさんに言われてたの覚えてます? 早朝が良いって言ってたのを!」
「そうだったような~そうじゃなかったような~」
首を傾げる怠け者に呆れ、ため息をついた。
「疲れるわこの人……。眠たかったら其処らへんで転がっててください。一人で行くんで」
「酷いじゃないか~。行くけどさ」
「はいはい」
アランさんと話してると、まるで子供と会話しているように感じてくる。精神年齢が低いのか?
「ところでルナ。あの神鬼人について何か疑問に思わないかい?」
「そういえば……そうですね」
神鬼人は鬼人の上位種だよね? オーガを率いるのが特徴だけど、そんな様子全くなかった気がする。単体なのが可笑しい。もしかしたらほかの場所にクロノスの仲間がいたのなら、今後狙われる可能性が高くなる。私の自由ライフが遠くなっていくぅ! いーやぁぁぁ! 一人で心の奥底で悲鳴を上げていると、アランさんが私の顔を覗いてきた。
「なんですか?」
「冷たいね~。そんなところま愛らしいけど!」
「はぁ……」
「たとえ、魔物に狙われようが僕が守るよ」
あのアランさんが、真剣な眼差しで私の不安を見抜いている。ん? だとしたら……。
「だったら、クロノスの時! 絶対守れたでしょうが!」
「そうだけどね。でも、あーでもしないと君は本気を出さなかっただろ?」
そうだけど! というか、この人絶対クロノスの魔法かかってなかったでしょ!
「可愛い弟子の成長を生で見れて誇らしいよ~」
アランさんはそう言いながら、両手で顔を隠し、えんえーんと泣くふりをした。正直ウザいと思った。そんなアランさんを放置し、ズンズンと森の奥を進んでいくと、懐かしい洞窟の入り口が見えた。
「見えてきましたよ!」
「そうだね。君を認める使い魔が見つかるといいね」
「はい! ところで洞窟に入ったら妖精がいるんですか?」
「その奥さ。魔物もふつーにいるから気をつけ給え」
いるんかい! まぁ洞窟=ダンジョンみたいなものか。
「使い魔を探すには、その主人となる者しか奥に踏み入れてはいけないというのが掟だから、頑張りなさい」
初耳なんですけど? ということは……この洞窟に私一人で行けと!? 何の拷問だよッ! 早く言えよ!
「ルイさんが、アランさんが手助けしてくれるって!」
「まだその時じゃない」
「え?」
「気にせず行き給え!」
アランさんは何の説明もなく、私の背中を押した。私は渋々洞窟の中へと足を踏み入れたのであった。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
欠損奴隷を治して高値で売りつけよう!破滅フラグしかない悪役奴隷商人は、死にたくないので回復魔法を修行します
月ノ@最強付与術師の成長革命/発売中
ファンタジー
主人公が転生したのは、ゲームに出てくる噛ませ犬の悪役奴隷商人だった!このままだと破滅フラグしかないから、奴隷に反乱されて八つ裂きにされてしまう!
そうだ!子供の今から回復魔法を練習して極めておけば、自分がやられたとき自分で治せるのでは?しかも奴隷にも媚びを売れるから一石二鳥だね!
なんか自分が助かるために奴隷治してるだけで感謝されるんだけどなんで!?
欠損奴隷を安く買って高値で売りつけてたらむしろ感謝されるんだけどどういうことなんだろうか!?
え!?主人公は光の勇者!?あ、俺が先に治癒魔法で回復しておきました!いや、スマン。
※この作品は現実の奴隷制を肯定する意図はありません
なろう日間週間月間1位
カクヨムブクマ14000
カクヨム週間3位
他サイトにも掲載
玲眠の真珠姫
紺坂紫乃
ファンタジー
空に神龍族、地上に龍人族、海に龍神族が暮らす『龍』の世界――三龍大戦から約五百年、大戦で最前線に立った海底竜宮の龍王姫・セツカは魂を真珠に封じて眠りについていた。彼女を目覚めさせる為、義弟にして恋人であった若き隻眼の将軍ロン・ツーエンは、セツカの伯父であり、義父でもある龍王の命によって空と地上へと旅立つ――この純愛の先に待ち受けるものとは? ロンの悲願は成就なるか。中華風幻獣冒険大河ファンタジー、開幕!!
転生先が森って神様そりゃないよ~チート使ってほのぼの生活目指します~
紫紺
ファンタジー
前世社畜のOLは死後いきなり現れた神様に異世界に飛ばされる。ここでへこたれないのが社畜OL!森の中でも何のそのチートと知識で乗り越えます!
「っていうか、体小さくね?」
あらあら~頑張れ~
ちょっ!仕事してください!!
やるぶんはしっかりやってるわよ~
そういうことじゃないっ!!
「騒がしいなもう。って、誰だよっ」
そのチート幼女はのんびりライフをおくることはできるのか
無理じゃない?
無理だと思う。
無理でしょw
あーもう!締まらないなあ
この幼女のは無自覚に無双する!!
周りを巻き込み、困難も何のその!!かなりのお人よしで自覚なし!!ドタバタファンタジーをお楽しみくださいな♪
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
ブラック・スワン ~『無能』な兄は、優美な黒鳥の皮を被る~
碧
ファンタジー
「詰んだ…」遠い眼をして呟いた4歳の夏、カイザーはここが乙女ゲーム『亡国のレガリアと王国の秘宝』の世界だと思い出す。ゲームの俺様攻略対象者と我儘悪役令嬢の兄として転生した『無能』なモブが、ブラコン&シスコンへと華麗なるジョブチェンジを遂げモブの壁を愛と努力でぶち破る!これは優雅な白鳥ならぬ黒鳥の皮を被った彼が、無自覚に周りを誑しこんだりしながら奮闘しつつ総愛され(慕われ)する物語。生まれ持った美貌と頭脳・身体能力に努力を重ね、財力・身分と全てを活かし悪役令嬢ルート阻止に励むカイザーだがある日謎の能力が覚醒して…?!更にはそのミステリアス超絶美形っぷりから隠しキャラ扱いされたり、様々な勘違いにも拍車がかかり…。鉄壁の微笑みの裏で心の中の独り言と突っ込みが炸裂する彼の日常。(一話は短め設定です)
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
異世界楽々通販サバイバル
shinko
ファンタジー
最近ハマりだしたソロキャンプ。
近くの山にあるキャンプ場で泊っていたはずの伊田和司 51歳はテントから出た瞬間にとてつもない違和感を感じた。
そう、見上げた空には大きく輝く2つの月。
そして山に居たはずの自分の前に広がっているのはなぜか海。
しばらくボーゼンとしていた和司だったが、軽くストレッチした後にこうつぶやいた。
「ついに俺の番が来たか、ステータスオープン!」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる