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皇女、新しい生活を始める。
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空を飛ぶかもめ、海の匂い、人の声、やっと、自由だ。
フードをまた被ると、『立ち入り禁止』と書かれてある看板を気にせず、森の中に入った。
ヒューレは自然の街と呼ばれていて、魚介類が天に昇るほどの旨さで有名だ。
ここはヒロインの故郷でもある。
探せばいるんじゃないかな。
ヒロイン、リリアナ。
会わないのが一番だけどね。
森の中を進んでいくと、神様が言ってた通り、古い木材で出来た家がぽつんと建っていた。
「すごーい!」
ボロボロだけど、直せば住めるはず。
確か呪文は、
【リビルド】
片手を前に伸ばし、唱えると、さっきまで斜めってた家がだんだん真っ直ぐに戻っていき、木材が新しいのに取り替えられていった。
「これが、魔法…!」
皇族しか使えないもの。
こんなに便利だったとは。
トランクを持ち上げ、扉を開けると、靴箱が横にあり、私は靴を脱ぎ、二階に向かった。
部屋は3つ、一番はじの部屋の扉を開けると、シンプルなベッドと、机と椅子、クローゼットがあった。
シーツや、掛け布団を魔法で治すと、私はベッドの上で寝っ転がった。
やっぱり最高。
でもな、一人って寂しいな。
クローゼットの中に服やアーティファクトをしまうと、隣の部屋の扉を開けた。
浴室か。
良かった。温泉掘らなくて良さそうね。
トイレも洗面台もある。
ここに住んでた神様のお友達は、日本のこと知ってたのかも。
最後の部屋は、ゲストルームだった。
ベッドやクローゼットを治し、綺麗にすると、私は下のキッチンへ向かった。
「これはまだ、使えそうね。」
魔法を使えば、触ったら崩れ落ちそうな家具たちを治せるから。
キッチンの隣には、起動していないオーブンと冷蔵庫があった。
氷と電気属性を混ぜた水晶玉を、冷蔵庫の中心部に置くと、中がひんやりと冷たくなった。
オーブンの中には電気と炎属性を混ぜた水晶玉を入れた。
ちゃんとした人が住める家になった今、私が必要としてるものは…
「食料だ!」
街は遠いから、行けないし。
片付けてたら夕方になっていて、お腹が空いた。
やることもないから、私は家を出て、隣に建てられているちょっとした倉庫の扉を開けた。
埃が舞い、急いではらうと、奥から箒が出てきた。
埃だらけだけど。
【浄化】
試しに新しい魔法を使ってみると、箒はみるみると綺麗になっていった。
もしかして、これ乗れる系のやつ?
箒に跨り、思いっきり地面を蹴ると、体が宙に浮いた。
「きゃっ!」
と小さな悲鳴をあげてしまい、私は咄嗟に棒にしがみついた。
「空飛ぶ箒!まさか乗れる日が来るなんて!」
何回かなれる練習をした後、私はお店が閉まる前にパン屋さんへ向かった。
人影の少ないところで降りると、最後のバゲットを勝ち取るために、爆速で走った。
「バゲットひとつ!」
と、叫んでしまい、店主さんは驚いた顔でカクカクと頷いた。
少しだけ持ってきたお金でパンを買うと、私は箒に跨り、家に帰った。
フードをまた被ると、『立ち入り禁止』と書かれてある看板を気にせず、森の中に入った。
ヒューレは自然の街と呼ばれていて、魚介類が天に昇るほどの旨さで有名だ。
ここはヒロインの故郷でもある。
探せばいるんじゃないかな。
ヒロイン、リリアナ。
会わないのが一番だけどね。
森の中を進んでいくと、神様が言ってた通り、古い木材で出来た家がぽつんと建っていた。
「すごーい!」
ボロボロだけど、直せば住めるはず。
確か呪文は、
【リビルド】
片手を前に伸ばし、唱えると、さっきまで斜めってた家がだんだん真っ直ぐに戻っていき、木材が新しいのに取り替えられていった。
「これが、魔法…!」
皇族しか使えないもの。
こんなに便利だったとは。
トランクを持ち上げ、扉を開けると、靴箱が横にあり、私は靴を脱ぎ、二階に向かった。
部屋は3つ、一番はじの部屋の扉を開けると、シンプルなベッドと、机と椅子、クローゼットがあった。
シーツや、掛け布団を魔法で治すと、私はベッドの上で寝っ転がった。
やっぱり最高。
でもな、一人って寂しいな。
クローゼットの中に服やアーティファクトをしまうと、隣の部屋の扉を開けた。
浴室か。
良かった。温泉掘らなくて良さそうね。
トイレも洗面台もある。
ここに住んでた神様のお友達は、日本のこと知ってたのかも。
最後の部屋は、ゲストルームだった。
ベッドやクローゼットを治し、綺麗にすると、私は下のキッチンへ向かった。
「これはまだ、使えそうね。」
魔法を使えば、触ったら崩れ落ちそうな家具たちを治せるから。
キッチンの隣には、起動していないオーブンと冷蔵庫があった。
氷と電気属性を混ぜた水晶玉を、冷蔵庫の中心部に置くと、中がひんやりと冷たくなった。
オーブンの中には電気と炎属性を混ぜた水晶玉を入れた。
ちゃんとした人が住める家になった今、私が必要としてるものは…
「食料だ!」
街は遠いから、行けないし。
片付けてたら夕方になっていて、お腹が空いた。
やることもないから、私は家を出て、隣に建てられているちょっとした倉庫の扉を開けた。
埃が舞い、急いではらうと、奥から箒が出てきた。
埃だらけだけど。
【浄化】
試しに新しい魔法を使ってみると、箒はみるみると綺麗になっていった。
もしかして、これ乗れる系のやつ?
箒に跨り、思いっきり地面を蹴ると、体が宙に浮いた。
「きゃっ!」
と小さな悲鳴をあげてしまい、私は咄嗟に棒にしがみついた。
「空飛ぶ箒!まさか乗れる日が来るなんて!」
何回かなれる練習をした後、私はお店が閉まる前にパン屋さんへ向かった。
人影の少ないところで降りると、最後のバゲットを勝ち取るために、爆速で走った。
「バゲットひとつ!」
と、叫んでしまい、店主さんは驚いた顔でカクカクと頷いた。
少しだけ持ってきたお金でパンを買うと、私は箒に跨り、家に帰った。
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