運命の糸を手繰り寄せる

沙羅

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かぶりつくようなキスに温度が上がる一方で、下の方が少し寒くなる。ダイレクトに感じた手の感触に、ついにパンツまでがおろされたのだと遅れて気付いた。
「はや、んんっ……」
お尻の方に手が伸ばされ、さすがに早すぎるだろと抗議をしようとする。しかし、そんなの言わせないとでも言うように一層キスが深まった。

「ひっ」
いつのまにローションをかけたのか、割れ目の間に冷たさを感じる。いつもは少しくらいあっためてからつけてくれるのに、と、またいつもとの違いに気付いて悲しくなった。
「は、んんっ……セイ、ジ……」
俺を見て。俺を愛して。別のΩじゃなくて、俺を愛して。そう直接言うのは恥ずかしいから、なんとか俺だと分かってもらおうと名前を呼ぶ。
すると少しだけ目があったような気がしたのは、俺の願望なのだろうか。もしかしたら、ただ次に行う行為の合図をしただけなのかもしれない。

でも目があった気がしたのに少しだけホッとして、自然と俺の身体からは力が抜けてしまった。それ幸いに、彼の屹立が俺を貫く。

「んああっっっ!!」

ほとんどならしてもいないナカを、彼が賢明にこじあける。彼の大きさを覚えているそこは強い痛みを訴えたわけではなかったけれど、それでも驚いたし多少は痛い。
「とま、れよ……!」
その声に反応して、彼の動きが少しだけ鈍くなる。それに少し安心したのも束の間、彼はグッと腰を引いた。
「っ、……動くから」
その宣言と共に、激しく律動が開始される。
「や、んんっ、あ、あっ」
規則正しく腰が打ち付けられる度に、甘い声が口からこぼれた。

「あ、ああっ、ふ……ん、んあああっ!」
何度か打ち付けられた後、数秒タメを経て急に奥深くに彼のモノが打ち付けられる。
「も、イく……っ!」
彼の苦し気な宣言と共にドクドクとナカに熱いものが注がれるのを感じて、そういえばナマでしてしまったのだと初めて気づいた。

「セイ、ジ……」
ナカで彼を感じる愛しさのあまり名前を呼べば、
「っ、充希……?」
ついに彼から返事が返ってくる。

「誠司!?」
やっと自分を見てもらえた嬉しさに疲れが吹っ飛ぶ。起き上がってぎゅっと彼を抱きしめると、彼も力を込めて抱きしめ返してくれた。
ぎゅっと痛いほどに抱きしめ合うこと数秒。ほっとしたのも束の間、また彼の息が激しく乱れる。

「ごめ……充希、あと1回だけ……」
トン、とお腹の部分を押され、再びベッドに背中が面する。先ほどと同じ体勢ではあるけれど、名前を呼んでくれたり視線を交差したりしてくれる安心感で先ほどのような怖さはなかった。
「ん」
一文字に了承の意を込め、手を広げて迎え入れる。今度はすぐに挿れられるというはなく、彼の熱を持った彼の手が自分の肌を這った。

「ふっ……、んんっ」
「ミ、ツキ……っ」
彼の顔が胸へと近づいて、チロチロと舐められる。開発されつくした体は、それだけで快感を拾えるようになっていた。
それと同時に彼のが体へと触れて、また硬さを取り戻しているのが分かる。触ってあげようと手を触れると、もっとというようにすり寄ってきた。
「かわい……っ」
「それは充希の方だろっ……!」

彼のを握って上下に動かしていると、彼の顔が上の方に近づいてくる。まるで酸素全てを奪いつくすようなキスに、頭がぼんやりとした。
「ふっ……ん」
体の全ての温度が溶け合うような感覚。彼のを弄んでいた手がやんわりと外されて、硬くなったそれが腹からお尻の方へと動く。
それは、再度繋がる合図だった。

「はいるよ」
「う、んんっ……あっ」
さっきとは違い、痛みを感じないようにゆっくりゆっくりと入ってくる。擦れる感じは気持ちがいいけれど、少しだけもどかしい。
「も、動いて、大丈夫だからぁっ」
「我慢してるんだから煽んなよ……っ!」
何度も重なった身体は好きなところを知り尽くしていて、ガツガツと荒く動いているように見えながらも的確にイイところをついてくる。

「好き、誠司、好きっ」
つかれる度に「大好き」が溢れて、自然と言葉にのる。
「僕も……っ、愛してる」
体をきつく抱きしめあいながら、がつんと奥まで繋がる。耳元で聞こえた愛してるの声に、多幸感でいっぱいになった。幸せが快楽を増幅させて、もう「気持ちいい」「幸せ」以外の何も考えられなくなる。

「や、も、イっちゃう……!」
そう声を上げると、まるで「イっちゃえよ」とでも返ってきたようにさらにぐりぐりとナカをこじあけられる感触がした。そうなったらもう耐えられなくて、悲鳴にも近い甘い声が溢れる。
「あ、んあっ、あぁぁぁっっ!!」
「くっ……っ、はぁっ……」
イった反動でよほどナカが収縮したのか、彼も眉を寄せて深いため息をこぼし、それと同時に熱い液体を感じた。

「……充希、好きだよ」
幸せの余韻を確かめ合うようにハグをしたその最中。
彼は確かめるように、そう呟いた。
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