1日1BL妄想(SS集)

沙羅

文字の大きさ
上 下
9 / 14

09.結果オーライ?*

しおりを挟む
【初心な子で遊ぶのが好きな攻め×ナンパされてみたくてバーに来てしまった受け】

人として恥ずべきことなんだろうとは思いつつも、昔から「痴漢された」「ナンパされた」という話をきくと、羨ましいと感じてしまう心が僕の中にはあった。
例えば、満員電車ではちょっとだけ変な人がいないかと心を躍らせたりする。でも、僕に痴漢をしてくれるような人はいなかった。わざわざ足のムダ毛を剃って、短めのパンツまで履いているのに。僕になんて魅力がないのかと、悔しくなったこともある。

しかし、こうして待っているだけの姿勢もよくないのではと最近思うようになった。手っ取り早く痴漢やナンパをされるには、そういうのが目当てで集まる人が多い場所に行くのも有効な手段の1つなのだろう。
ネットで『ナンパ されやすい』と調べれば、少し電車を乗った先の駅の近くには、そういう店がたくさんあることが分かる。

「……行って、みよう」
少しだけ怖い気持ちはあったが、好奇心には勝てなかった。バーに合うような服を買って、週末に意気揚々と僕は出かけた。



掘られるまでの勇気はまだなくて普通のバーに来てしまったため、当然他の男性客の狙いは女性の場合が多い。楽しく飲んでいる周りの人を横目に、やっぱり僕には魅力がないのかと悲しくなる。
いたたまれなくなってきて、もう帰ろうかと思ったその時だった。

「君、1人なの?」
驚いて見上げた先には、整った顔。自分に声をかけられたとは思えなくて、一度は目があったもののすぐに目をそらしてしまう。
「君だよ、君」
笑った顔もカッコいいな、なんて思った時には自然に隣に座られていた。
「ここは初めて?」と聞かれるのでこくりと頷けば、「やっぱり」と返される。

「あんまり慣れてない感じの子って可愛いんだよね。女の子に声をかけようとする素振りもないし、こっち待ちってことでよかったのかな?」
体をグイと密着されて胸がドキドキする。緊張で声が出せなくて、首を縦に振ることしかできなかった。

そんな緊張しっぱなしの最初だったが、コミュ力の高い彼に助けられてだいぶ話が弾むようになってきた。
「魅力がないと思ってナンパされに来た? ははっ、意外と行動力あるんだね。大丈夫だよ、君は可愛いから。自信もって」
僕の意味のわからない行動も肯定してくれて、褒めてまでくれる。
あまりの嬉しさにお酒もハイペースで進んでしまって、帰ろうかというときにはもうほとんど頭は働いていなかった。

「君はナンパされたいだけって言ってたけどさ、その先も進んでみたいとは思わないの?」

* * *

そんな俺のお誘いに、彼はコクリと首を動かす。それが肯定の意なのか、それとも意味なんか分からないけど頷いているだけなのかは分からない。分からないけれど、もうこの状況になったらやることなんて1つだ。
フラフラとする彼を支えて、タクシーに乗り込む。行先はもちろんラブホだった。

「んん、うぅ……」
彼の体をベッドに寝かせる。衝撃のせいか、少しだけ声が漏れた。しかし意識が戻るほどではないらしい。すやすやと寝息をたてている。
「処女散らすまでの覚悟はしてなかったのかな~。まぁ忘れちゃうだろうしいいよね」

意識のない体は重くて大変だったが、ゆっくりと時間をかけて服を脱がせていく。痛いのも可哀想だし眠っている間に体をつくり替えてやろうと思い、ローションをつけた指を彼の後ろの穴へと伸ばした。
すると、どう考えても初めてではないユルさをしていることが分かる。

「あれ、処女じゃなかった? でもあの反応で初めてじゃないなんてことある……?」
「ん……んんっ」
「いや、そんなことないよねぇ。俺が『ハジメテ』の子を見落とすわけないし。もしかして……自分でいじっちゃってる、とか? 何それ、処女でエロいこと好きとか男の夢じゃん」

自分で解してるならそんなに前戯をしなくていいかと、服を脱いでしまう。

「気持ちよくしてあげるね」
「……んああっ!」
ぐいと腰を進めると、甲高い声が上がる。

まずは起きるまで揺さぶってやって、起きたら自分でナニをしたのか問い詰めてやろう。まだまだ夜は長いのだから。

少しだけ遊んでやるつもりだったのに、ハマりそうになっている自分がいた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

性的イジメ

ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。 作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。 全二話 毎週日曜日正午にUPされます。

保育士だっておしっこするもん!

こじらせた処女
BL
 男性保育士さんが漏らしている話。ただただ頭悪い小説です。 保育士の道に進み、とある保育園に勤めている尾北和樹は、新人で戸惑いながらも、やりがいを感じながら仕事をこなしていた。  しかし、男性保育士というものはまだまだ珍しく浸透していない。それでも和樹が通う園にはもう一人、男性保育士がいた。名前は多田木遼、2つ年上。  園児と一緒に用を足すな。ある日の朝礼で受けた注意は、尾北和樹に向けられたものだった。他の女性職員の前で言われて顔を真っ赤にする和樹に、気にしないように、と多田木はいうが、保護者からのクレームだ。信用問題に関わり、同性職員の多田木にも迷惑をかけてしまう、そう思い、その日から3階の隅にある職員トイレを使うようになった。  しかし、尾北は一日中トイレに行かなくても平気な多田木とは違い、3時間に一回行かないと限界を迎えてしまう体質。加えて激務だ。園児と一緒に済ませるから、今までなんとかやってこれたのだ。それからというものの、限界ギリギリで間に合う、なんて危ない状況が何度か見受けられた。    ある日の紅葉が色づく頃、事件は起こる。その日は何かとタイミングが掴めなくて、いつもよりさらに忙しかった。やっとトイレにいける、そう思ったところで、前を押さえた幼児に捕まってしまい…?

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

風邪をひいてフラフラの大学生がトイレ行きたくなる話

こじらせた処女
BL
 風邪でフラフラの大学生がトイレに行きたくなるけど、体が思い通りに動かない話

【 よくあるバイト 】完

霜月 雄之助
BL
若い時には 色んな稼ぎ方があった。 様々な男たちの物語。

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

山本さんのお兄さん〜同級生女子の兄にレ×プされ気に入られてしまうDCの話〜

ルシーアンナ
BL
同級生女子の兄にレイプされ、気に入られてしまう男子中学生の話。 高校生×中学生。 1年ほど前に別名義で書いたのを手直ししたものです。

肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?

こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。 自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。 ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?

処理中です...