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04.大好きだから、言えない*
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【絶対に嫌われたくない攻め×もっと本音を言ってほしい受け】
たまには2人でのんびりしようと家でデートをしている最中、ふいに彼がこう問いかけてきた。
「今度のデートはどこ行きたい?」
「えー、いつも俺が決めてるじゃん。たまには君の方からなんか提案ないの?」
「んー……僕はあんまりデートスポットとか詳しくないから」
「そんなん俺だってそうだよ」
彼は、いつだってこんな調子だ。デートで行く場所も、食べたいものも、全部俺の意見を反映させる。一緒にいるときはいつもニコニコしてくれてるけど、ほんとは無理してるんじゃないかって考えてしまう。
「……言ってくんないの、さみしい」
気づいた時には、そんな本音が口から漏れ出てしまっていた。
聞こえてしまったのだろう。彼が目を見開いてこちらを見る。こうなったらヤケだ、と心の中のモヤモヤを全部吐き出した。
「決めるの全部俺じゃん。デートなんだから2人で決めたいのに。俺にも好きな場所とか物とか教えてくれよ」
「……ごめん」
それから少しの沈黙。謝ってほしいじゃないんだけど、と罪悪感とイライラの混ざった気持ちになる。
「僕、ダメなんだよね。せっかくのデートなのに、君と居られるなら家から出たくないって思っちゃう。外でキラキラ笑ってる君も好きなことに嘘はないけど、最初に浮かぶのはずっと僕だけと一緒にいる君なの。だから、外でどこに行きたいとか全然わかんなくて。でも、ずっと家デートはその……体目当ての人がすることだからNGだって色んなサイトに書いてあって」
「……なにそれ」
予想外の返答に呆れる。
「めっちゃ俺のこと好きじゃん」とからかうように言えば、「当たり前だよ」と真剣に返された。拗ねていたのが馬鹿らしくなって笑えば、彼もつられたように笑顔を見せた。
「じゃあ、もっと家デートの回数増やそ。10回中10回は嫌だけど、俺も2人でのんびりしたり、イチャイチャしたりするのは好きだから8回くらい? 多すぎかな。体だけが目当てなんて絶対思わないから、サイトなんか見る前に最初に俺に聞いてよ」
「……うん。うん!」
勢いよく頷いて、可愛い恋人は俺へと抱き着いてきた。
「いつも逃げようとするからあんまり好きじゃないのかと思ってた。イチャイチャするの好きなら、今からシてもいい……?」
そこで初めて、恋人をなだめるためとはいえ恥ずかしいことを言ってしまったことに気付く。訂正しようかと思ったが、あまりにも期待の眼差しを向けられるものだから折れてしまった。
「いいよ」
どちらからとも分からず、2人では大きさがギリギリな小さなベッドへと移動する。キスをして身体に触れ合って、気分が高まってきたら着ていた服は脱ぎ捨てる。いつもは脱がされるのを待ってみたりもするけれど、今日は自分から脱ぎたい気分だった。
「いつもも可愛いけど、積極的なのももっと可愛い」
「……うるさい」
わざわざ指摘されると照れてごまかしてしまうけれど、好きな人に可愛いと言われて悪い気はしない。上に乗った彼を引き寄せて口を塞ぐようにキスをして甘えれば、ゴリと硬いものが体に当たる感触がした。
「もう勃ってんの?」
「君がエロすぎるからじゃん……」
煽ったのが効いたのだろう。いつの間にか横に置かれていたローションを手に垂らしては、俺の後ろの穴へと指を進めた。いつもよりも音が響いているのは、彼の余裕がないからなのか俺への煽り返しなのか。
「んうっ、あっ、そこだめぇ……!」
俺のイイトコロをもう完全に把握している彼は、最初からそこばかりを責める。
「んで、今日、最初からっ」
いつもは焦らして焦らして最後にイイトコロを責めて……っていう流れなのに、今日はそうじゃないらしい。もう既に息を乱してしまっている俺の問いかけに意地悪そうに笑う彼に、ドキリとした。
「早くナカに挿れたくて」
お腹をさす……と撫でられれば、そこがキュンとうずく気がした。きっと俺も、早く彼のが欲しいと思ってしまっている。
「んんっ、も、いいから」
だから早く挿れて、と強請れば、硬いそれは入り口近くへと移動する。
「挿れるよ」
コクリと頷くのが早いか、彼が行動を起こしたのが早いか。ずく、と大きな質量を持ったそれが俺の体を貫いた。
「ん、はぁっっ」
詰めていた息が漏れる。まだ時間をかけていないそこはきつくて少しだけ痛みもあったけれど、彼と繋がっている充足感に満たされていた。
「好き、好き」
なんだか急に言いたくなって溢れ出した言葉に、「僕も、大好き」と優しく返してくれる彼。
あまりの幸せに、これからはお互いにもっと素直に生きたいと思ったのだった。
たまには2人でのんびりしようと家でデートをしている最中、ふいに彼がこう問いかけてきた。
「今度のデートはどこ行きたい?」
「えー、いつも俺が決めてるじゃん。たまには君の方からなんか提案ないの?」
「んー……僕はあんまりデートスポットとか詳しくないから」
「そんなん俺だってそうだよ」
彼は、いつだってこんな調子だ。デートで行く場所も、食べたいものも、全部俺の意見を反映させる。一緒にいるときはいつもニコニコしてくれてるけど、ほんとは無理してるんじゃないかって考えてしまう。
「……言ってくんないの、さみしい」
気づいた時には、そんな本音が口から漏れ出てしまっていた。
聞こえてしまったのだろう。彼が目を見開いてこちらを見る。こうなったらヤケだ、と心の中のモヤモヤを全部吐き出した。
「決めるの全部俺じゃん。デートなんだから2人で決めたいのに。俺にも好きな場所とか物とか教えてくれよ」
「……ごめん」
それから少しの沈黙。謝ってほしいじゃないんだけど、と罪悪感とイライラの混ざった気持ちになる。
「僕、ダメなんだよね。せっかくのデートなのに、君と居られるなら家から出たくないって思っちゃう。外でキラキラ笑ってる君も好きなことに嘘はないけど、最初に浮かぶのはずっと僕だけと一緒にいる君なの。だから、外でどこに行きたいとか全然わかんなくて。でも、ずっと家デートはその……体目当ての人がすることだからNGだって色んなサイトに書いてあって」
「……なにそれ」
予想外の返答に呆れる。
「めっちゃ俺のこと好きじゃん」とからかうように言えば、「当たり前だよ」と真剣に返された。拗ねていたのが馬鹿らしくなって笑えば、彼もつられたように笑顔を見せた。
「じゃあ、もっと家デートの回数増やそ。10回中10回は嫌だけど、俺も2人でのんびりしたり、イチャイチャしたりするのは好きだから8回くらい? 多すぎかな。体だけが目当てなんて絶対思わないから、サイトなんか見る前に最初に俺に聞いてよ」
「……うん。うん!」
勢いよく頷いて、可愛い恋人は俺へと抱き着いてきた。
「いつも逃げようとするからあんまり好きじゃないのかと思ってた。イチャイチャするの好きなら、今からシてもいい……?」
そこで初めて、恋人をなだめるためとはいえ恥ずかしいことを言ってしまったことに気付く。訂正しようかと思ったが、あまりにも期待の眼差しを向けられるものだから折れてしまった。
「いいよ」
どちらからとも分からず、2人では大きさがギリギリな小さなベッドへと移動する。キスをして身体に触れ合って、気分が高まってきたら着ていた服は脱ぎ捨てる。いつもは脱がされるのを待ってみたりもするけれど、今日は自分から脱ぎたい気分だった。
「いつもも可愛いけど、積極的なのももっと可愛い」
「……うるさい」
わざわざ指摘されると照れてごまかしてしまうけれど、好きな人に可愛いと言われて悪い気はしない。上に乗った彼を引き寄せて口を塞ぐようにキスをして甘えれば、ゴリと硬いものが体に当たる感触がした。
「もう勃ってんの?」
「君がエロすぎるからじゃん……」
煽ったのが効いたのだろう。いつの間にか横に置かれていたローションを手に垂らしては、俺の後ろの穴へと指を進めた。いつもよりも音が響いているのは、彼の余裕がないからなのか俺への煽り返しなのか。
「んうっ、あっ、そこだめぇ……!」
俺のイイトコロをもう完全に把握している彼は、最初からそこばかりを責める。
「んで、今日、最初からっ」
いつもは焦らして焦らして最後にイイトコロを責めて……っていう流れなのに、今日はそうじゃないらしい。もう既に息を乱してしまっている俺の問いかけに意地悪そうに笑う彼に、ドキリとした。
「早くナカに挿れたくて」
お腹をさす……と撫でられれば、そこがキュンとうずく気がした。きっと俺も、早く彼のが欲しいと思ってしまっている。
「んんっ、も、いいから」
だから早く挿れて、と強請れば、硬いそれは入り口近くへと移動する。
「挿れるよ」
コクリと頷くのが早いか、彼が行動を起こしたのが早いか。ずく、と大きな質量を持ったそれが俺の体を貫いた。
「ん、はぁっっ」
詰めていた息が漏れる。まだ時間をかけていないそこはきつくて少しだけ痛みもあったけれど、彼と繋がっている充足感に満たされていた。
「好き、好き」
なんだか急に言いたくなって溢れ出した言葉に、「僕も、大好き」と優しく返してくれる彼。
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