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◆タダで復讐代行

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 翌日。
 わたくしは復讐代行のもとへ向かった。
 果たしてすぐに受けてもらえるか分からないけど、全財産を差し出す覚悟で向かった。
 到着し、扉をノックすると反応があった。


「…………君か」
「あなたに依頼があって参りましたの」
「仕事の依頼は助かる。ちょうど空いていたところだ」
「それは好都合。ぜひお願いします」
「いいだろう。では、中へ話を聞かせてくれ」


 復讐代行の家の中へ。
 相変わらず簡素。あまりモノがない。
 生活感すらなくて心配になる。


「話の前にひとつだけ」
「なんだ?」

「あなたの名前を聞いていませんでしたわ。そろそろ教えていただけないかしら」
「……名前か。匿名希望ではダメか」
「でも……」
「仕方ないな。では偽名で……ルークと呼んでくれ」
「分かりました、ルーク」


 それから、わたくしは彼に……ルークに今までのことを話した。
 ドノヴァンという伯爵と付き合い始めたこと、リーシャという女がわたくしの家に放火し――お父様を殺めたことを。


「……というわけなのです」
「まずはお悔やみを」
「……ありがとうございます」
「分かった。復讐は任せろ。今回はタダでいい」

「え……でも」

「前回の報酬があまりにケタ違いだったのね。まだ余裕はある」

「よろしいので?」
「今回はサービスだ。そのリーシャという女に地獄を見せてやればいいのだろう」
「はい。簡単には殺さないでください。どうか、じわじわと……」
「任せてくれ。三日もあれば十分だ」
「お願いします」


 これでリーシャは……きっと。
 成功を祈り、わたくしは復讐代行・ルークに全てを委ねた。
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