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騎士団長と婚約
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今日という日が終わった。
全てが解決して国も良い方向へ向かい始めていた。
もう心配はいらない。
きっと大丈夫。
ウィル・フェニックスとの幸せな毎日が続く。
やがて婚約も交わして距離が今まで以上に縮まった。
「新しい元老院議長が決まったらしい」
「そうなのですね、ウィル様」
「ああ、俺もまだ名前までは知らないけどね。若いとは聞いたよ」
「それは楽しみですね。今以上に犯罪が減ってくれるといいのですが」
「期待はできると思う」
そんな話をしていると居間にノリッジという若騎士が現れた。騎士団長であるウィルを尊敬し、敬愛している騎士のひとりだ。
茶髪にピアスという、少しヤンチャな感じがするけれど悪い人ではなかった。
「ウィル様、失礼します」
「どうした、ノリッジ」
「新しい元老院議長の名前が判明いたしました」
「言ってくれ」
「議長の名は『ソールズベリー』と」
「「なッ!?」」
わたしもウィルもその名を聞いて驚いた。わたしの専属執事だったソールズベリーが元老院の議長になった……? あの年齢でなれるとは思えない。
それに彼は貴族でもなければ、ただの執事だった男。
どうして……。
「我が友、ソールズベリーが元老院議長……ありえん。なにかの間違いだろう」
「いえ、これは陛下の決定です」
「皇帝陛下の? ……そんな」
信じられないと、ウィルはただただ驚いていた。それはわたしも同じ気持ちだった。確かに、ソールズベリーは元騎士。ウィルの幼馴染でもあると聞いた。
子供の頃からずっとお互いを信頼しあって、支え合ってきたという。
でも、彼が執事になってからは会う機会も減り、会話も少なくなっていたようだ。わたしの専属執事ならと、それほど気にしていなかったみたい。
だけど今日になって事態は急変した。
まさかの元老院議長だなんて……驚きしかない。
なにもないといいのだけど……。
* * *
一週間後、それは突然起きた。
「騎士団長。ウィル・フェニックスはいるか!」
屋敷の前に多くの騎士が詰め寄っていた。なにがあったの?
「何事だ、ノリッジ」
「騎士団長ウィル・フェニックス、あなたをクーデター未遂の容疑で拘束します」
「……誰の命だ」
「元老院議長・ソールズベリー様のご命令です」
「そういうことか」
素直に応じるウィル。そんな、クーデターだなんて!
「ウィル様! こんなの間違っています!」
「……信じてくれるか、エレナ」
「当たり前です。ウィル様の無実を必ず証明してみせますから……待っていてください」
「ありがとう、エレナ。君だけが頼りだ……愛してる」
「はい、必ずや」
そうしてウィルはどこかへ連れていかれてしまった。
ソールズベリー、なにを企んでいるの……!
全てが解決して国も良い方向へ向かい始めていた。
もう心配はいらない。
きっと大丈夫。
ウィル・フェニックスとの幸せな毎日が続く。
やがて婚約も交わして距離が今まで以上に縮まった。
「新しい元老院議長が決まったらしい」
「そうなのですね、ウィル様」
「ああ、俺もまだ名前までは知らないけどね。若いとは聞いたよ」
「それは楽しみですね。今以上に犯罪が減ってくれるといいのですが」
「期待はできると思う」
そんな話をしていると居間にノリッジという若騎士が現れた。騎士団長であるウィルを尊敬し、敬愛している騎士のひとりだ。
茶髪にピアスという、少しヤンチャな感じがするけれど悪い人ではなかった。
「ウィル様、失礼します」
「どうした、ノリッジ」
「新しい元老院議長の名前が判明いたしました」
「言ってくれ」
「議長の名は『ソールズベリー』と」
「「なッ!?」」
わたしもウィルもその名を聞いて驚いた。わたしの専属執事だったソールズベリーが元老院の議長になった……? あの年齢でなれるとは思えない。
それに彼は貴族でもなければ、ただの執事だった男。
どうして……。
「我が友、ソールズベリーが元老院議長……ありえん。なにかの間違いだろう」
「いえ、これは陛下の決定です」
「皇帝陛下の? ……そんな」
信じられないと、ウィルはただただ驚いていた。それはわたしも同じ気持ちだった。確かに、ソールズベリーは元騎士。ウィルの幼馴染でもあると聞いた。
子供の頃からずっとお互いを信頼しあって、支え合ってきたという。
でも、彼が執事になってからは会う機会も減り、会話も少なくなっていたようだ。わたしの専属執事ならと、それほど気にしていなかったみたい。
だけど今日になって事態は急変した。
まさかの元老院議長だなんて……驚きしかない。
なにもないといいのだけど……。
* * *
一週間後、それは突然起きた。
「騎士団長。ウィル・フェニックスはいるか!」
屋敷の前に多くの騎士が詰め寄っていた。なにがあったの?
「何事だ、ノリッジ」
「騎士団長ウィル・フェニックス、あなたをクーデター未遂の容疑で拘束します」
「……誰の命だ」
「元老院議長・ソールズベリー様のご命令です」
「そういうことか」
素直に応じるウィル。そんな、クーデターだなんて!
「ウィル様! こんなの間違っています!」
「……信じてくれるか、エレナ」
「当たり前です。ウィル様の無実を必ず証明してみせますから……待っていてください」
「ありがとう、エレナ。君だけが頼りだ……愛してる」
「はい、必ずや」
そうしてウィルはどこかへ連れていかれてしまった。
ソールズベリー、なにを企んでいるの……!
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