わたしを捨てた騎士様の末路

夜桜

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運命の日

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 ――あれから時間が経ち、
 運命の三日後――。

 わたしは、すっかりウィルのお屋敷に馴染んで生活をしていた。そして、あることを思い出した。フレンが処刑される日であるということを。

 バルコニーで紅茶とお菓子を楽しんでいると、騎士が慌しくやって来た。彼はウィルに報告があるようだった。もしかして……。

「騎士団長、例の件で参りました」
「フレンか。彼は公開処刑に決まったのか」
「はい。元老院の決定です」
「そうか。見世物にするとは老人たちめ……。まあいい、下がれ」
「はっ」

 騎士は去った。
 それにしても、公開処刑だなんて……。仕方ないのかな。


「ウィル様……」
「極悪人はギロチンで公開処刑が通例だからね。しかも、フレンに関しては帝国に悪影響を及ぼした。残念だが、これが彼の運命だ」

「分かりました。でも、見届けるのは止めておきます」
「広場には来ない方がいい。という俺も行かないけどね」
「そうなのですか?」
「エレナ、君との時間の方が大切だ。今日は出掛けよう」
「まあ! 嬉しいです」


 ウィルは、本当に優しい人。
 わたしを優先してくれるし、一緒の時間を大切にしてくれる。そんな彼が好きでたまらなかった。

 フレンのことは忘れ、今日は思いっきり羽を伸ばそう。
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