毒殺されそうになりました

夜桜

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第3話 許せない

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 どこかへ運ばれる最中、わたしは意識を失った。

 気づくと、知らないベッドの上にいた。


「こ、ここは……」
「気づいたかい、イリス!」
「……アレク」
「そうだよ、俺だよ。君をずっと看病していた」


 そうだったんだ。
 ルーナからもらった毒の入ったお菓子を食べて……死にかけて。
 そう、死んだと思っていた。


「どうして……」
「俺は医者だからね。君の毒を的確に判断し、解毒剤を作った」
「すごい……でも、わたし……埋められていたって」

「ああ。君は死んだと勘違いされ、近郊の森に埋められていた」

「よく場所が分かりましたね……」

「イリスに会いにいこうと馬に乗っていたんだ。すると、ルーナが泥まみれで歩いていたんだ。声をかけたけど、慌てて逃げていった」

 そのあと屋敷も訊ねたけど、わたしは不在。
 怪しんだアレクは、ルーナが歩いていた周辺を捜索。わたしを見つけたようだった。

「それでもよく見つけられましたね」
「ルーナの足跡が残っていたからね。辿ったのさ」
「なるほど」


 つまり、ルーナは死体だと思ったわたしを森へ運び、埋めたのね。……それを聞いたら、怒りが沸いて出てきた。

 許せない。
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