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婚約破棄
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「もういい、婚約破棄してくれ、マリナ!」
「……ヘイム様、ここ無人島ですよ」
「…………っ」
「船だって転覆しちゃいましたし、こんなところで婚約破棄されても困ります」
「……ああ、そうだったな。漂流して一週間。食うモノには困っていないけど、これは辛いよ」
「イカダでも作りますか?」
「その手があったか! だが、木を切る道具がないよ、マリナ」
「…………」
「マ、マリナ?」
「ああああああああ、もう! 役立たず! 木を切る道具がないなら作ればいいじゃないの! 男でしょう、それくらいしなさいよ!」
「……だ、だが」
「ヘイム、わたしは食糧調達をいつもしているでしょう。少しは役に立ちなさいよ」
「しかし……」
「しかしもかかしもありますか!! さっさと動きなさい!!」
「分かった……」
ヘイムは森の方へ消えていく。
わたしは、その隙にこっそり作ったイカダで逃げ出す。
「……! マリナ、マリナどうして置いていくんだああああああああああああああ」
「……さようなら、ヘイム! あなたが全部が悪いのよ。わたし以外の女と関係を持っていただなんてね!! 許せないわ!!」
彼は、わたし以外に二人愛人がいた。許せなかった。だから、この無人島におきざりにしてやったの!!
~三日後~
わたしは、別の公爵様――エルダ様と婚約を交わす。彼は、ヘイムの女性事情を教えてくれた人だった。もう無人島には戻らない。
「……ヘイム様、ここ無人島ですよ」
「…………っ」
「船だって転覆しちゃいましたし、こんなところで婚約破棄されても困ります」
「……ああ、そうだったな。漂流して一週間。食うモノには困っていないけど、これは辛いよ」
「イカダでも作りますか?」
「その手があったか! だが、木を切る道具がないよ、マリナ」
「…………」
「マ、マリナ?」
「ああああああああ、もう! 役立たず! 木を切る道具がないなら作ればいいじゃないの! 男でしょう、それくらいしなさいよ!」
「……だ、だが」
「ヘイム、わたしは食糧調達をいつもしているでしょう。少しは役に立ちなさいよ」
「しかし……」
「しかしもかかしもありますか!! さっさと動きなさい!!」
「分かった……」
ヘイムは森の方へ消えていく。
わたしは、その隙にこっそり作ったイカダで逃げ出す。
「……! マリナ、マリナどうして置いていくんだああああああああああああああ」
「……さようなら、ヘイム! あなたが全部が悪いのよ。わたし以外の女と関係を持っていただなんてね!! 許せないわ!!」
彼は、わたし以外に二人愛人がいた。許せなかった。だから、この無人島におきざりにしてやったの!!
~三日後~
わたしは、別の公爵様――エルダ様と婚約を交わす。彼は、ヘイムの女性事情を教えてくれた人だった。もう無人島には戻らない。
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