何度でもよみがえる

夜桜

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全ては愛の為に

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「俺はようやく本物の愛を見つけられたのかもしれない。だが、この帝国は腐りきっていてな……この前、お前を殺してしまったのも、ある人物が焚きつけてきたせいだ」

「存じております」
「まずは、伯爵令嬢のネモフィラを排除せねばな」

「……あの青髪の娘ですよね。分かりました……貴方様の手を汚させはしません。このわたしにお任せを……脅威を完全に排除します。ですので、もしも全てが終わったら結婚してください」

「いいだろう。だが、お前ばかりに負担はかけんよ。もし必要なら、いつでも頼るがいい」

 抱き合って愛を確かめ終えて、わたしは部屋を出ていく。その外には、伯爵令嬢ネモフィラを含めた例の六人がいた。


 ①伯爵令嬢ネモフィラ
 ②男爵令嬢バニラ
 ③公爵令嬢イベリス
 ④侯爵令嬢カルーナ
 ⑤子爵令嬢シレネ
 ⑥城伯令嬢ローゼル


 彼女達は、いつでも皇帝の隣を狙っている。それと、わたしを殺そうとして何度も何度も嫌がらせをしてきている。


 六人は、わたしを睨む。

 わたしは屈しない。
 この不死身がある限り、わたしは諦めず何度でもよみがえる。だから……。


「皆さん、あの手この手でよくも何度もわたしを殺しましたね。どうやら、闇の深い連中との付き合いがあるように見えます。そんな重罪が発覚すれば、陛下は失望なさる……」

 図星なのか反論はない。
 なるほど……この中の何人かは、犯罪に手を染めているようね。なんなら、全員でしょうね。それを暴くのも一興でしょう。


 わたしは言葉を続けた。


「まずは、伯爵令嬢ネモフィラさん……貴女を排除しますわ」
「……っ! アルストロメリア! あんた!!」

「震えているようね、ネモフィラさん。大丈夫……貴女がただ一番目なだけ。自分の不運を呪いなさいな。……皆さんもよく聞きなさい! 貴女方のした事はそっくりそのままお返しします。だって、わたしはそれだけ絶望を味わったし、苦しかった……この『呪い』を貴女方にも味わってほしい」

 指を舐め、感情のない瞳を向けた。
 彼女達は怯え、震えていた。

 ……はじめましょう、愛の復讐を。
 ……全ては愛の為に。
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