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恋愛ゲーム
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外をぼうっと眺めていると、エフォード伯爵が隣に。
「アレは気にするな」
アレって……。
彼女たちのことらしい。
でもそうね、気にしていても仕方ない。
改めて広間に戻り、そして円卓でエフォード伯爵、上級騎士カサノヴァ、宝石商のエドワードが対面するように座った。
いつの間にか重い空気が張り詰めていた。
そんな中、カサノヴァが口を開く。
「こうしないか。エレイナを巡ってゲームをしようじゃないか」
そんな提案に伯爵は「ゲームだと?」と眉を顰めていた。一方のエドワードは「悪くない話ですね。俺は宝石商ですが、賭け事も大好きでしてね」と自信満々だった。
わたくしを巡ってゲームね。
なんだか勝手に話を進められているけれど、でも、面白とも感じた。こういう風に結婚相手を決めるというのも斬新いいかもね。
この三人の中で勝者が出れば、その方は真の意味で強者であり、わたくしに相応しい相手というわけだ。本気でわたくしを好きで、愛してくれるのなら全力で取りにきてくれるはず。
「それで、そのゲームの内容は?」
わたくしがカサノヴァに聞いた。
彼は満足そうに微笑み、そしての驚愕の内容を口にした。
「エレイナからキスをしてもらえれば勝ちだ」
そのゲーム内容に二人とも納得していた。
「面白い。つまり、エレイナ様と愛し合えた者が勝ちというわけか」
意外にも伯爵が乗り気になっていた。へえ、こういうゲームは興味があるんだ。エドワードも「参加しますよ」と一言を添えた。
なるほど、面白いゲームね。
今後三人から必死にアプローチされるわけだ。しかも、わたくしからキスをしなければ『ゲームエンド』にはならない。
続けようと思えば、ずっと続けられるわけだ。
もちろん、何年もやるつもりはないけれど。
この三人の好意が、愛がどれほどのものか、見極めよう。このわたくしの“氷”を溶かしてくれる人物が現れるその日まで――。
「アレは気にするな」
アレって……。
彼女たちのことらしい。
でもそうね、気にしていても仕方ない。
改めて広間に戻り、そして円卓でエフォード伯爵、上級騎士カサノヴァ、宝石商のエドワードが対面するように座った。
いつの間にか重い空気が張り詰めていた。
そんな中、カサノヴァが口を開く。
「こうしないか。エレイナを巡ってゲームをしようじゃないか」
そんな提案に伯爵は「ゲームだと?」と眉を顰めていた。一方のエドワードは「悪くない話ですね。俺は宝石商ですが、賭け事も大好きでしてね」と自信満々だった。
わたくしを巡ってゲームね。
なんだか勝手に話を進められているけれど、でも、面白とも感じた。こういう風に結婚相手を決めるというのも斬新いいかもね。
この三人の中で勝者が出れば、その方は真の意味で強者であり、わたくしに相応しい相手というわけだ。本気でわたくしを好きで、愛してくれるのなら全力で取りにきてくれるはず。
「それで、そのゲームの内容は?」
わたくしがカサノヴァに聞いた。
彼は満足そうに微笑み、そしての驚愕の内容を口にした。
「エレイナからキスをしてもらえれば勝ちだ」
そのゲーム内容に二人とも納得していた。
「面白い。つまり、エレイナ様と愛し合えた者が勝ちというわけか」
意外にも伯爵が乗り気になっていた。へえ、こういうゲームは興味があるんだ。エドワードも「参加しますよ」と一言を添えた。
なるほど、面白いゲームね。
今後三人から必死にアプローチされるわけだ。しかも、わたくしからキスをしなければ『ゲームエンド』にはならない。
続けようと思えば、ずっと続けられるわけだ。
もちろん、何年もやるつもりはないけれど。
この三人の好意が、愛がどれほどのものか、見極めよう。このわたくしの“氷”を溶かしてくれる人物が現れるその日まで――。
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