翔龍記 ＝電子版＝

第58章 2024（令和6）年 5月（皐月）

05月28日 （火曜日） あさ版

　きょうは、「リフレッシュする脳」についての解説です。



睡眠は、脳がリフレッシュする複雑で重要なプロセスです。単に脳や体が休憩するだけではなく、複数の段階からなる高度に調整された一連の出来事として機能します。

睡眠サイクルは、REM（Rapid Eye Movement）睡眠と非REM睡眠の2種類に分かれています。非REM睡眠はさらに3つの段階、N1、N2、N3（スローウェーブ睡眠として知られる）に分かれます。

N1段階では、脳は覚醒状態から睡眠への移行を開始し、N2段階では、脳と体はさらにリラックスします。N3段階、またはスローウェーブ睡眠は、脳と体が完全に回復モードに入る最も深い段階です。

非REM睡眠の初期段階では、脳波は顕著に減速しますが、N2とN3段階では、頻繁な脳活動のバーストが発生します。これらのバーストは、覚醒時に適切な脳機能を可能にする役割を担っていると考えられています。

REM睡眠は、典型的に夢が起こる段階です。この段階では、脳は非常に活発で、夢の内容を演じるのを防ぐために一時的な筋肉麻痹が起こります。REM睡眠は、記憶の統合など重要な認知能力を可能にしていると考えられています。

では、睡眠がどのように脳をリフレッシュするのかというと、主に、脳から廃棄物を除去する「脳脊髄液循環系」が関与しています。睡眠中、特にスローウェーブ睡眠の間、脳脊髄液循環系はより活発になり、間質腔内における脳脊髄液の量が増加します。これにより、覚醒状態に対する脳脊髄液循環系の効率が80-90%増加し、脳を廃棄物から「清掃」する効果があります。

要するに、睡眠は脳がリフレッシュし、再生するための重要なプロセスです。異なる睡眠段階を経由することで、脳は廃棄物を除去し、記憶を統合し、全般的な認知機能をサポートすることが可能になります。だから、ぐっすり眠って目が覚めたとき、頭がすっきりして感じるのは、脳があなたが次の日に備えるために、清掃や充電をしっかり行っていたからなのです。

ちょっと長くなったけど、わかりましたか？