翔龍記 =電子版=

落合涼太朗

文字の大きさ
上 下
829 / 1,633
第28章 2021(令和3)年 11月/霜月

11月18日(木曜日)昼版

しおりを挟む

  ∇【カムカムエヴリバディ】第15回あらすじ 安子と稔の恋のゆくえ※ズバリ、ネタバレそのもの
 

 「たちばな」を訪れて安子の姿を見た千吉(段田安則)は、安子(上白石)こそ稔(松村北斗)を支えてくれる相手だと確信。進めていた銀行の頭取の娘との縁談を断り、2人の結婚を許した。

 杵太郎(大和田伸也)の忌中のため、ごく簡素ではあるものの、祝言をあげる。稔の出征まで2人が一緒に過ごせる時間は限られる中、この上なく幸せな時間を過ごすことになった。

 朝ドラ史上初となる3人のヒロイン、安子・るい・ひなたが、母から娘へとバトンをつなぎ、戦前から戦後、そして令和までの物語を紡いでいく。安子役は上白石、るい役を深津絵里、ひなた役を川栄李奈が演じる。

  ∇番外編:朝ドラ「カムカムエヴリバディ」ちょっとふりかえり

朝ドラ『カムカムエヴリバディ』第3週「1942-1943」

第13回11月17日(水曜日)

 ・「せめて晩ごはんぐれえ」算太、出征
 突然いなくなったと思ったら突然帰って来る算太(濱田岳)。彼の元に召集令状が届いたのだ。家族の誰かにだけ連絡先を知らせていたのか、算太は戻ってきた。


 算太は母・小しず(西田尚美)とはこっそり連絡をとっていたのかもしれない。「せめて晩ごはんぐれえ」と言う小しずだが、金太(甲本雅裕)は「赤の他人」だとけっして許そうとしない。

 心配しておにぎりを握る小しず、見送りに出ず菓子をこね続ける金太。


 安子と稔はあれから離れたまま。帰省した折、稔に縁談があることを知った勇(村上虹郎)は急遽稔のいる大阪に向かう。

「兄さんだから諦めたんじゃ」と勇が稔に激しくぶつかっていく。これまであくまでも淡々と牽制しあってきた兄弟の思いが激しく衝突する。

 ・おまけ・・・人々の暮らしの情景

 冒頭は庭のあじさい。ラジオではミッドウェーを強襲したと臨時ニュースを報せる。職人たちも皆招集された。
あじさいはやがて野菜畑に変わる。家庭菜園はいいものだが、戦争で食糧難のための自給自足と思うと寂しく、だが青々と元気に育った野菜は力強い。「戦争は庶民の当たり前の生活を様々な形で歪め蝕んでいきました」(ナレーション・城田優)

 「進め一億火の玉だ」の看板の下で野球する勇たち。ストライクは「正球」、ボールは「悪球」。甲子園は解体され、武器製造の場に変わる。喫茶店「ディッパーマウスブルース」は「出歯口の憂鬱」に改名。
 そして、父・定一(世良公則)と絶妙に合った動きを見せていた健一(前野朋哉)までひっそりと出征していた。

 一方、安子は母と苦労してもらってきた小豆で、老体に鞭打って畑仕事をしたため寝込んでいる祖父・杵太郎のためにお汁粉を作ろうとする。

 商店街を歩く安子が千人針を頼まれ縫っていると、街頭ラジオから学徒出陣のニュースが流れてくる。学生は戦争に行かないでいいものと少し安心していたら、学生を動員するまで戦争は進行していた。千人針の手を止めた安子の脳裏に浮かぶのは稔のこと。

 ▼後記

 脚本の藤本有紀さんも安子と稔の恋を悲恋にはしなかった。ふたりを温かく見守っていらっしゃる。朝ドラだからこそのストーリー展開だと納得しました。

 先の大戦(第2次世界大戦)って、昭和時代の出来事なんですよね。そんなに大昔のはなしではありません。 戦後、平成、令和と平和な時間が流れています。戦争中の困難さを二度と繰り返さぬように人々が心している〝おかげ〟ではないだろうか。

 ストーリー的には、出征する稔が無事に帰ってくることができるか、が焦点です。

 次回は、「カムカムエヴリバディ」はもちろんですが、日本シリーズの記事がお届けできればと考えています。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ポケっこの独り言

ポケっこ
エッセイ・ノンフィクション
ポケっこです。 ここでは日常の不満とかを書くだけのものです。しょーもないですね。 俺の思ってることをそのまま書いたものです。 気まぐれ更新ですが、是非どうぞ。

肺がんだった話

結城有子
エッセイ・ノンフィクション
謎の鼻血で耳鼻科を受診したのをきっかけに、ステージ4の肺がんと診断されちゃった人のその後の記録。 エッセイというより、個人的な備忘録のような何かです。

データから分析して目指せスコアアップ!初心者投稿者の試行錯誤と記録。

終夜
エッセイ・ノンフィクション
Web小説を書き、いつか本にしてみたい。そう考える初心者がアルファポリス様で小説を連載する中で、記録をとってグラフにしたり考察したりして試行錯誤する日々をお送りします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...