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第17章 令和(2年)師走/12月
あぶさんは、永遠に!
しおりを挟む1日、野球漫画で活躍してきた漫画家の水島新司さんが、引退を表明した。これまでに数々の野球漫画で、わたしたちは楽しませてもらいました。
『野球狂の詩』は、セ・リーグのお荷物球団〝東京メッツ〟のメンバーの群像劇でした。岩田鉄五郎、火浦、国立、水原勇気など試合の勝ち負けをとりあげるのではなく、ひとりひとりの生き様を描ききった傑作です。
『ドカベン』は、息の長い水島新司の代表作でした。神奈川県の明訓高校の山田太郎、岩鬼、里中、殿馬らが活躍して、甲子園、プロ野球を舞台に活躍する作品です。
『あぶさん』は、ソフトバンクの前身〝南海ホークス〟の飲んべえ景浦安武を主人公にした作品です。もちろん、あぶさんもホークス一筋で、ダイエー、ソフトバンクとホークスのユニフォームで活躍しました。
『あぶさん』に象徴されるように、水島さんは〝パシフィック・リーグ愛〟に満ちていました。『ドカベン』での主人公の山田太郎や仲間、ライバルたちの多くは、パ・リーグの球団に入団しました。プロ野球を舞台に戦うことになるのです。
他にも『一球さん』『球道くん』『光の小次郎』など代表作をのこされました。
ご高齢なだけに、これ以上無理は言えません。
今言えるのは〝お疲れ様でした〟としか言えません。
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