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始まり
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冬の寒さが微かに残ったまま迎えた高三の春は見慣れているはずの景色が全く違って見えたー。
「はる~それはっは~る~」
成河綾乃。17歳。身長169cm。いや実際は169.5cm。好きな食べ物はイチゴ、嫌いな食べ物はニンジン。綾乃という名前は母親が女の子が産まれる前提で考えていたが生憎、男の俺が産まれてきて考え直すのが面倒だということでそのまま付けたそうだ。小学生になりたての頃は周りの奴らは男らしい名前なのにどうして俺は女の子らしい名前なのかって納得するまで聞き続けた時期があった。今では成河綾乃として愚痴愚痴言わず楽しく過ごしているし歌を歌いながら学校に登校もできる。
「下手くそ」
「なっ!」
足を止め声のした方に目を移す。同じ制服を着た男がこちらに歩いてきている。
「地鳴りかと思った」
男は、口元に笑みを浮かべどこか楽しんでいるように見える。
「やっぱり…」
はじめから検討はついていた。聞き慣れた少し低めのその声でいつも言動をからかってきたから。
「なる、おはよ」
さっきとは違った甘い声。この声も何度も聞いてきた。
「幸…」
木更幸それが男の名前だ。歳は同じ17で好きな食べ物はハンバーグ、嫌いな食べ物は漬け物。木更とは小学校からの幼馴染みで10年以上の付き合いがあれば好きなものから嫌いなもの趣味までも自然と覚える。
「行くぞ」
木更がスっと差し伸べた手を成河が少し照れくさそうに取る。
―人の目なんて気にしない。何があっても支え合っていくと決めたから。
「はる~それはっは~る~」
成河綾乃。17歳。身長169cm。いや実際は169.5cm。好きな食べ物はイチゴ、嫌いな食べ物はニンジン。綾乃という名前は母親が女の子が産まれる前提で考えていたが生憎、男の俺が産まれてきて考え直すのが面倒だということでそのまま付けたそうだ。小学生になりたての頃は周りの奴らは男らしい名前なのにどうして俺は女の子らしい名前なのかって納得するまで聞き続けた時期があった。今では成河綾乃として愚痴愚痴言わず楽しく過ごしているし歌を歌いながら学校に登校もできる。
「下手くそ」
「なっ!」
足を止め声のした方に目を移す。同じ制服を着た男がこちらに歩いてきている。
「地鳴りかと思った」
男は、口元に笑みを浮かべどこか楽しんでいるように見える。
「やっぱり…」
はじめから検討はついていた。聞き慣れた少し低めのその声でいつも言動をからかってきたから。
「なる、おはよ」
さっきとは違った甘い声。この声も何度も聞いてきた。
「幸…」
木更幸それが男の名前だ。歳は同じ17で好きな食べ物はハンバーグ、嫌いな食べ物は漬け物。木更とは小学校からの幼馴染みで10年以上の付き合いがあれば好きなものから嫌いなもの趣味までも自然と覚える。
「行くぞ」
木更がスっと差し伸べた手を成河が少し照れくさそうに取る。
―人の目なんて気にしない。何があっても支え合っていくと決めたから。
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