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chapter2
新入生歓迎会
しおりを挟むグラウンドにつくと既に
大勢の生徒でごった返していた。
そして、何よりも驚いたのは
直径3メートルほどの円形の壇上のような場所から
煙が吹き出し、人の様な影が浮かび上がる。
「ハロー、ジェントルメン~!」
その掛け声と共に
マイクを持って煙の中から誰かが現れる。
「はじめまして。皆々様、私の名前は
宮路栄と申します。要するに、校長です。」
校長って、入学式をボイコットした人か_____と。
周りの生徒達もそんなことを口々に話していたけれど、それよりも白い煙の中から出てきたその姿に固まった。
見た目は、おじいちゃんそのものだった。
髭を蓄え、杖を手に持っていたから。
だけど、手に持っている杖を実際の用途ではなく装飾品として使っているのではないかと思うほど振り回し、生徒の中の誰よりも盛り上がっている。
確かに、サンタクロースよりも長いひげを垂らしてはいる。だけど、なぜか、ピンクの小さなリボンが沢山ついていた。
その校長らしくない
校長に気を取られていたら、
「は~、変わらないねぇ。あの人は。」
俺は、上から突然降ってきた
その声にびくりと肩を強張らせた。
「あ、ごめんね~。上だよ、上。」
グラウンドにある
大きな木の枝に座っている
その不審な人物に呆気に取られていると
その人は、何を思ったか
その5メートルはあるだろう木の上から
飛び降りて
片手を出してきたかとおもえば
ぱっと花を咲かせた。
「どう?びっくりした?徹夜で練習したんだ、手品。やっぱり、生徒の心を掴むにはこれしかないと思ったんだけど。」
初めて見る顔。
一目見れば一発で覚えてしまいそうな
その奇抜な見た目。
爆発した様なボサボサの髪に
ぐるぐるの渦を巻いた眼鏡をつけて
ぶかぶかのオーバーオールを着てる人を
凝視していたら
「もしかして……僕に、見惚れちゃった。蒼くん?きゃあ!困っちゃう~。」
その人は
頬を両手で挟み込んで
おちゃらけた雰囲気で
くねくねと身体を捩りながらそう言って
俺の顔を下から楽しそうな表情で覗き込んできた。
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